思ってた以上の後輩でした⑥
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。
それと
貴重な評価やブックマークありがとうございます泣
翌日もまたその翌日も黄瀬からのメッセージを受け取り今日も二人でここにいる。
変な猫のスタンプ、バリエーション多いなぁ。どうでもいいけど。
「ん」
「あーはい」
長年共にした夫婦のような阿吽の呼吸でおかずを受け取り、買って来たいちごミルクを渡した。
あんな事があるまでは気にならなった沈黙も今はただの拷問。でも多分気まずいのはお互いなんだろうな。あーどうしよ。
食事を済ませ弁当箱を片付けながら、先に声を出したのは黄瀬だった。しかし目的の言葉を上手く切り出せないのか、変な繋ぎの言葉で余計に空気を乱している。
「あの、こないだの事とかもあるじゃないですかー」
「え?あー、こ、こないだね、あーうん」
ぼんやりとあの時の光景が頭をよぎる。
「わっ!わっ!ちょっ、ちょっと思い出さないで下さいー」
両手をバサバサさせながら赤面の黄瀬。悪くない。
「あっ、あんな事とかー、あったじゃないですかー。それでーその、わっ私達ってー、ど、どんな関係なんですかねー?なんて思ってーですね」
「どんな・・・」
「だっ、だからですねっ!先輩はどう思ってるのかなって思いましてー」
言いたい事はわかる。当然だよね、でも・・・
横目でみると少し体を震わしながらゆっくりと深呼吸する黄瀬が見えた。
正直に言って、わからない。そう言って逃げてしまいたい。
なんとなくいつも相手のほしい言葉がわかる俺なのに、こういう時だけ見えなくなる。『怖い』という何かが全身を駆け巡り俺の思考を狂わせるんだ。
俺から望んだ想いは実らない。
俺の判断はいつも間違う。
積極的に相手の心に触れると、必ず不幸にしてしまう。
別に受け身が楽でそうありたいが故の言い訳をしているわけじゃない。確かに『怖い』が先立って前に進む勇気が無いのもの事実たけど、これだってこれまでの俺の確かな事実だ。
俺の中の遠くの俺が言っている。
ごめんね黄瀬。
「と、友達・・・」
空気の冷たさが肌にジリジリと感じた。
「はあ?・・・ちょっ、何言っちゃってるんですか先輩」
おっと引き金引いちゃいました?虎の尾踏んじゃいました?
「えじゃあ私あれですか?セフレですか?セフレですよねーそれ。まあ確かに最後まではしてないですけど、でも一緒ですよね?なら先輩は友達だったら誰でもするんですか?うっわ最低」
清々しいほどのクズ扱い。まあ・・・いやよくない。
「待った待った待った!えっと何て言えばいいのかなぁ、あのさ」
ごみを見るような眼差しのまま、俺の言葉を俺の言い訳を待つ黄瀬。
「お、俺さ・・・友達、居ないんだよ。今まで居たことも無いくらいで、だから俺にとって友達ってそれくらいに凄くて・・・それで、だから、もし友達がたくさん居たとしても、こ、こんなに一緒にいて癒される人なんて絶対特別で、この時間も大切で・・・」
沈黙は未だ冷たい空気のまま。
「はあ、なんですか?それ口説いてるんですか?だったはっきり言ってください!っていうかそうやっていつもいろんな女子に手出してるんですか?そうやっていろんな子のフラグ立てまくって告らせて、だからフラれまくって遊ばれて。都合のいい男アピールして結局ヤリまくるだけ!どうせ私の事だってそんな風にしか見ていないんですよね!」
今日の黄瀬はぷんすかと言うより普通にブチ切れていた。
「いやそうじゃなくてっ、俺にとっては一番で」
「あーそうゆーのもういいんで」
言わなきゃいけないことをあえて言わない。罪悪感が一番近い、そんな後ろめたさがあった。
「す・・・好き、なんだよ」
口を尖がらせ顔をそらしたままの黄瀬、でも空気が変わったような気がした。
「黄瀬といるこの時間が、俺は一番好きなんだ。だから、失くしたくない」
家族以外でではあるが、これは本当に本心だ。
少し間を置いて、呆れたようなため息を凄く大きく凄く長く吐いてから言葉を出した。
「じゃあそれでいいです、なんかわかりましたので。はあ」
これはただの言い訳だ。ここまで来ても逃げてしまうダサい俺。俺が大嫌いなキモい俺。
この時、黄瀬が許してくれたのかはわからない。でも俺の大好きな黄瀬とのこの時間は次の日もその先もずっと続いていた。
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。