壊れて見つかるものもありました。①
はじめまして。
初心者なので雑で汚い作品です。ごめんなさい。
実体験を元にする事で主人公の心情をリアルに描けたらなと思って頑張って書いています。
粗末な作品です。恥ずかしいばかりです。
読んで頂ける寛大な方々へありがとうございます。
それと
貴重な評価やブックマークありがとうございます泣
自宅にて携帯電話が鳴り続けていた。
寝巻きに着替えた巧太の母、廣佳がそれを手に取る。
「あー郁乃?ごめんごめん、お風呂入っててー」
「こっちこそごめんね。それで、巧太君どお?」
「んーまだダメね。ご飯は食べてるみたいだけどもうずっと部屋に閉じこもっちゃって。正月で佳乃が帰って来てたから頼んだんだけど、それでもダメ」
リビングで缶ビールを開ける音が響く。
「巧太君のお陰で茜も学校行けるようになったし本当に感謝しているの。私に何かできないかしら」
「ありがとう。ホントどうすればいいのかなぁ、母親として情けないわ」
互いに慰め合うようなやり取りに変わっていき、終わりの無い会話が続いていた。
「明日茜を連れてそっち行ってみようかしら」
翌日
リビングの方から賑やかな声が聞こえていた。
俺は相変わらず自室に困り、寝るかアニメ見るかの繰り返し。部屋の外の声も聴こえるけど聴こえないフリをしていた。
「茜ちゃん久しぶり」
「あっ、あ、はい。久しぶりです、佳乃お姉ちゃん」
実は初めてに近い二家族全員集合。みんなで楽しく団欒となれれば本当に幸せなのだろう。
そんなこの状況すら罪悪感に変わる巧太と、この複雑な家族構成を未だを受け止めきれていない茜。この二人だけこっそりと心に傷を増やしていた。
「あ、あの。お兄ちゃんの部屋どこですか?」
廣佳に案内され巧太の部屋のドアをノックした。
返事は無かった。しかし恐る恐るドアを開け中に入ると、真っ暗な部屋の中でテレビの灯が眩しく、その前で釘付けになってアニメを見ている巧太がいた。
「お兄ちゃん?」
「・・・・・」
茜の存在に気づいた巧太はテレビを消して背を向ける。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「・・・ごめんね、そう言えば最近そっち行けて無かったね。最近学校の方はどお?」
力の無い少しかすれた声、振り向いた時の死に際のような表情。初めて見る兄のそんな姿に、心のモヤモヤがより濃く渦巻いていくようだった。
そっと近づき巧太の腕を掴む茜。
「茜、ちゃんと学校行ってるよ。友達も出来たし心配ないよ。茜は今お兄ちゃんが心配なの」
「ごめん、平気だから。でも学校には・・・もう行けない」
いつもとは違う血の気の無い必死の笑顔だった。
そして心配は次第に憎しみに変わる。
「・・・やっぱり、あの時のヤツらでしょ?許せない。お兄ちゃんがこんなに苦しんでるのに」
それが茜が発したとは思えないほどに低くとても冷めた言葉だった。
「大丈夫っ本当に大丈夫だから」
「大丈夫じゃない!やっぱり茜があの時やるべきだった。絶対に許さない・・・殺してやる」
突然の常軌を逸した発言に思わず茜を抱きしめた。
「ごめん、本当にごめん。茜はそんな事言わないで。大丈夫、俺は茜がいるだけでいい」
「・・・うん」
「茜はずっとお兄ちゃんの側にいるからね」
いつもの透き通るような明るい声に戻っていた。
ああ、やっぱこれだ。これにいつも癒される。
いっそ、このまま死んでもいい。
穏やかとは言えずとも、ゆっくりと心の暖かさを感じ少しだけ頭も冷静さを取り戻していった。
「でも、お兄ちゃん?」
結局は辛いと思う時、愛情とか癒しとか求めてしまうような普通の人間だったと気付いた。そのせいか、抱きしめた茜を離さないでいた。
ずっとこうしてたい。
離れないと信じられるこの唯一の幸せ。
「なんかちょっと臭い!お風呂は入ろうよ」
「・・・ごめんなさい」
ご覧いただきありがとうございました。
恥ずかしいばかりの雑な作品と罵ってください。
むしろそれで勉強して成長したいと思います。
投稿は不定期になります。日々少しずつ時間を作って書いています。素人なので進捗や出来に関して悪くなる事がありますのでご了承下さい。