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アメリカ編 前編

初投稿です。

「全車前進」


小隊長車を先頭に、林沿いの小道を5両のM4中戦車が連なって前進する。


俺たちの中戦車小隊の任務は、局地攻勢に出たドイツ軍の側面を叩くことだ。右側は開けていて、ブッシュも多く、警戒する必要がある。左の林も、いつ歩兵が飛び出してくるか分からない。


「こんな道、敵から丸見えじゃん」


車内無線から文句が聞こえる。その通りだ。しかし、ドイツ軍は常に戦力不足。こんな小道に、戦車小隊を追い返せる戦力を配置する余裕は無いだろう。俺たちのM4戦車は結構強いのだ。それに、上官が乗っている2両の戦車の長砲身砲は、Tiger戦車の正面装甲すら貫通できる。


無線で仲間を励まそうとした瞬間、轟音が響いた。右側のブッシュから光が伸び、仲間の戦車を貫いた。この弾道は間違いない。


「アハトアハトだ!」


「小隊長がやられた!」


「全車、左へ後退。敵を補足しろ!」


二発目の光が走り、風切り音が耳をつんざく。当たったら助からない


「ティーガーだ!真正面にいる!」

「クソ!距離800、全車WP、発砲炎に向けて撃て!」


敵弾と対照的に、俺たちの砲弾はひどくスローに見えた。のろまな白リン弾が着弾して、脅威を隠す。少し安心した直後、今度は最初と逆の方向から轟音が響いた。煙幕ごしに当ててきたらしい。


「最後尾の5号車がやられた!」

「森にスタックするぞ!全車停止!」

「ティーガー真正面!迂回できない!」


敵と小隊の間に遮蔽物は無い。迂回しようとしても、側面を撃たれるだけだ。他の味方はドイツ軍の主攻を抑えていて、支援は見込めない。


「全車突撃。俺と3号車は左。4号車は右から側面を狙え!」

「クソ!前進!」


400馬力星形エンジンが、いつもの音を放つ。


「煙幕から出てきた!ティーガーだ!」

「距離600、AP、行進射、撃て!」


M4は先進的なガン・スタビライザーを搭載していて、行進射撃の命中率が比較的高い。


「全車、再度AP装填!」

「ティーガー、前進してくるぞ!」


また轟音が響く。もはや弾道を目視できないほど接近していた。


「3号車がやられた!」

「距離200、撃て!」


発砲と同時にティーガーが急停止して、昼飯の角度を作った。


「クソ!弾かれた!」


また轟音が響き、2号車の砲塔が飛んだ。


「操縦手、急いで回り込め!」


ティーガーは砲塔だけをゆっくりと回していた。


「距離20、撃て!」

「命中!」


砲弾は車体を貫いたが、ティーガーはまだ砲塔を回している。


「まだだ!再度撃て」


二発目の砲弾が砲塔側面を貫き、ティーガーの砲塔から炎が吹き出した。逃げ出す乗員を撃ちながら、俺は1両で任務を続行できるのか考えた。

初投稿です。

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