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第23章
・・・現地のファンは、『カンザスの巨人』、つまり、ジェス・ウィラードが勝つと確信していた。
試合の前夜、ハバナは、観光客であふれかえっていた。
復活祭の翌朝・・・
ウィラードは、試合会場へ向かう。
人々は、汽車で、自動車で、あるいは徒歩で・・・
試合が行なわれる、キューバの『オリエンタル・レース場』へと、続々(ぞくぞく)と詰めかけた。
・・・朝早くから、座席の「争奪戦」が繰り広げられた。
この会場には、有名なガンマンもいた。
「パット・マスターソン」氏。
かつて、『早撃ち』で慣らした歴史的なガンマンが・・・
こうして、観客の歓呼に応えている。
撮影隊が待ち受ける下では・・・カリブ海の強烈な太陽をさえぎるための大きな「日傘」も用意される。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・壇上で、試合をする二人の選手の紹介が行なわれた。
黒いスーツを着たウィラードは、さしずめ、『田舎の大男』といった風情か。
・・・一方、片手にステッキを持ち、まっ白なスーツを着込んだ王者ジョンソンは、『洗練されたヨーロッパ仕込みの紳士』といったおもむき。
日陰の特別席には・・・
白ヒゲをたくわえた、キューバ総督の顔もみえる。




