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第1章

 『リングに上がって気合を入れ、ゴングの音を待ってる時は・・・最高のスリルだね。』


 『緊張するとか怖いとか言うやつもいるが、この俺が感じるのは・・・喜びだな。』


 『各地を流れ歩いては、いろんなことをやってきたが・・・やはりなんといっても、俺が好きなのは、観客の前で闘うことなんだ。』


 『エンジンの轟音ごうおんと、顔に当たる、時速150キロの風、舞いあがる砂ぼこり・・・たまらないね。』


 『シャンパンに上等な服、大盤振おおばんぶい、美女の微笑み・・・それこそが、「わが人生」さ。』


 『俺は、世界ヘビー級チャンプ、ジャック・ジョンソン。』


 『黒人だ。 ・・・それだけは、忘れさせてくれない。』


 『黒人でけっこうじゃないか。俺は・・・永久に歴史に名前を残してやるぜ。』

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