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契約

「……もしかして、あなたが私に話しかけてきたの?」


 我輩を持ち上げて訪ねてくるアリー。持ち上げられるなぞ、何とも変な感覚であるな。魔王の時は、よく子供を抱いてくれと頼まれたものだが、まさか、自身が持ち上げられる日が来るとは。


 いや、一度トロールキングを討伐する際に、掴まれて持ち上げられる事があったな。あの時はアナに助けて貰った筈だ。懐かしいものだ。


『然様。我輩がそなたを呼んだ。どうやら武器を探していたようだからな』


「す、凄いわ……! 知能ある武器インテリジェンスウェポンなんて、お伽話だと思っていたのに……まさか存在するなんて」


 知能ある武器か。我輩も人生で一度だけお目にかかった事があるな。あれは、アナと邪神の眷属を討伐しに行った時だった。


 眷属が持つ武器が、邪神の思念が埋め込まれた武器で、呪詛を吐くものだから、我輩とアナで真っ二つにしてしまったのだったな。


 あれはあれで正しかったと思う。あの武器を他の者が使おうとすれば、第二第三の邪神の眷属が生まれただろうからな。


『どうだ、我輩を使わぬか? 我輩を使うのなら剣としてではなく、戦い方も教えてやろう』


「……どうしてあなたほどの知能ある武器がこんなところにいるの? それに……別に私じゃなくてもいいんじゃ無いの?」


 ふむ、確かにそれは疑問に思うか。我輩でも突然使わないかと尋ねられたら、使わんと言ってしまうだろうからな。


『まず、我輩は目覚めたばかりなのだ。知能ある武器としては赤ん坊だな。そなたを選んだのは確かに偶然ではあるが、そなただからこそ力を貸そうと思ったのだよ』


「私だからこそ……意味がわからないんだけど?」


『今はわからなくても良い。今考えるのは我輩を使うかどうかというだけだ。さあ、どうする?』


「勿論使うわ!」


 我輩の問いにためらう事なく答えるアリー。うむ、良い返事だ。我輩は再び自身に解析を発動する。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー

 ○剣ハー○○ト(覇剣ハーゼスト)

 持ち主  アルフェイア

 切った数 0/10

 スキル  フィジカルアップ

 ダークスラッシュ

 闇魔法

 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 おおっ、持ち主がアリーで契約された事によって使える力が増えた。まあ、使えるのはアリーなのだが、我輩の魔力の巡りも少し良くなった。


 多分ではあるが、今後も切った数が増える度にスキルも増えるのだろう。あの魔王の時のように戻るにはかなり切らなければいけないだろうが、今はそれよりもアリーを鍛えるとするか。


『契約は成った。よろしく頼むぞ、アリー』


「ええ、よろしく頼むわ……ええっと、なんて呼べば良いのかしら?」


 我輩の呼び名か。ハーゼストは流石に知られているだろうし、解析でも虫食いのように見えない箇所があるから、見える箇所で名前をつけるか。


『ハートで構わぬぞ』


「わかったわ、ハート。よろしくね!」


 嬉しそうに我輩を腰に差すアリー。後は彼女の事情を聞きたいところだな。

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