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白銀の聖獣と溺愛の王様  作者: あめあられ
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今日もいつも通り獲物を捕まえようと森を散策していたが、いつもいる動物達が見当たらない。

こんな日もあるかと、今日のご飯は干し肉とジャガイモのスープにしようと家に向かって歩き出した。


油断してたんだと思う。

毎日平和だったし、今まで他人に会うこともなかったから。急に目の前に何か飛んで来て驚いて固まってしまった。飛んできた丸い玉から煙があがってから意識を失った。



ガタガタと揺れて意識が浮上した。

目を開けると自分が檻の中にいる事に気がついた。

どのくらい意識を失っていたのか。どうやらまだ夕方にもなっていないようで大した時間ではなさそうだ。

少し怠いけど眠り薬の類いだったようで少しほっとした。


「それにしても今日は運がよかったな」


馬車の御者席と荷台に座っている男達が会話しているのが聞こえる。


「白銀の虎なんて初めてみたぜ。金持ちの貴族あたりが大金出して買うだろうさ」


「まったくだ。ひと月は遊んで暮らせそうだな」


男達は私が高く売れそうだと喜んでいるようだ。

どうやら毛皮を剥がされたりはしなさそうでホッとした。

どうにか隙を見て逃げ出さないと。

誰かのペットになるなんて冗談じゃない。

早く家に帰りたい。




物心つく頃から森の中で母さまと2人で住んでた。

父さまは早くに亡くなって私は顔も覚えてないけど優しい人だったと聞いてる。

母さまも半年ほど前に病気で逝ってしまった。


私達一族は特殊だ。

今ではお伽話だと思われてる“聖獣 白銀の虎”の末裔。

女しか継がないその特徴は今ではだいぶ薄れて母さまも白銀の髪と金色の瞳、怪力など少しだけ変わってたくらいで森でひっそりと暮らす程ではなかった。


問題は私。子供の頃から完全獣化が出来た。

祖先である聖獣は人にも聖獣にもなれたそうで、私は完全に先祖返りだそうだ。


つまり今私は白銀の虎として檻に入れられて売られようとしている。


聖獣だとは気付かれていないみたいだし隙さえあれば檻くらい魔法で破壊出来るだろう。




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