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宮殿

 (そび)え立つ宮殿に住んでいても、心は軟く丸い。

 小さく跳ねてどこかへ行く。


 豪奢な牢獄より頬撫ぜる風が欲しい。

 金襴緞子よりちゃちなビー玉が欲しい。


 子供の心を抱えてゆく。

 どこまでも陽炎の果てる先までも。

 

 美しいとは何かと思った時、泣きたくなるものを想った。

 それはいびつをも含み、ただただ澄明なだけではなかったのだけれど。

 檸檬(れもん)の香り。

 麻の手触り。


 気が遠くなるくらいの手間で施された刺繍。

 この世界で尊いのはおよそ単純なのだろう。

 単純の仲間入りをしたくて。

 今日も世界を呼吸する。

 



挿絵(By みてみん)






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