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棲み処
止めどなく渇く咽喉を不思議と思う。
ここは水の中なのに。
ふつらふつらと泡が踊るのに。
地に棲めず水に逃れた。
けれどここでも安息は約束されない。
ざわめいた天の川が揺れて霞む。
金と銀と砂子との歌が聴こえる。
空に棲めず水に堕ちた。
私の身体は適応できなかったのだろうか。
上手くやれていると思っていたのに。
貴方が褒めてくれたから。
光る鱗があると信じた。
一切が全て幻で。この輝きも嘘だとしたら。
竜宮城でも目指すしかない?
それこそ夢物語。
開けたら消える玉手箱。
渇きながら泳ぐしかなくて。
その矛盾に耐えるしかなくて。
信頼とか愛情とか捨てられずに迷子で泣いている。
きっと貴方もそうなのだと知りながら。