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時と宝石の魔女  作者:
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序章

窓から差し込む陽の光が、ところ狭しと並べられた宝石に吸い込まれて反射する。反射した光は、薄い茶色の壁に色を塗り、室内を色鮮やかに変身させた。

ちくたく、ちくたく。時計の中で、三人の針が絶え間なく追いかけっこを繰り返す。それ以外の音は、何も聞こえない。静かに時が過ぎ去る空間。


そこには、癖のある月の光に似た色の髪をカーテンの代わりにして、一人の魔女が眠っていた。彼女は、この空間の持ち主。知る人ぞ知る、しかし知る人しか知らない魔女。ずっと一人で、静かな空間に住んでいた。


カラン、

扉に取り付けたベルが、小さく鳴る。今日は珍しく、お客様がいらっしゃったようだ。魔女はゆっくりと身を起こし、ルビーに似た色の瞳を扉の方へ向けた。


「いらっしゃいませ」

おずおずと、静かな空間に足を踏み入れようとしている一人の女性に、にっこりと笑顔を見せる魔女。女性は、魔女にペコリと頭を下げた。

「ここが、時間を買えるお店ですか?」

「ええ、そうですとも。お求めの時間を、伺いましょう」


魔女は、先ほどまで突っ伏していた机に広げた時計たちを掻き集め、お客様にそう言った。


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