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「死ぬことが怖いんじゃない、小さな幸せを無くすことが怖い。」
最近は戦闘系魔法少女が主流で昔みたいに困りごとの解決!
だったり困りごとをもっと増やしてドタバタ騒ぎ!
みたいな可愛らしい内容じゃなくなってるよね。
〈リビング〉
ピッ
【…昨日のお昼頃、怪人の二人組による銀行強盗事件が発生しましたが、魔法少女グループMGPによって無事解決されました。負傷者、死傷者は共に0です。つ…】
ピッ
【…新発売!魔力水!これであなたも魔法少女に!…】
ピッ
【…魔法少女プリキュ…】
「いただきまーす」
モグモグ
薄型テレビで国民的女児向けアニメを見ながら食事中である。
日曜日の朝8時半にやっているこれを毎週見ている。
グッズは流石にお金が掛かる為に強請ることは無いが、大人になったら集め始めるかもしれない。
因みに献立は白飯に味噌汁とスクランブルエッグ。
ゴクッ…ゴクッ…
朝は牛乳派である。
毎日欠かさず飲んでいるが、別に身長を気にしている訳では無い。
まだ慌てる時じゃない。
これからまだまだ伸びるはずだ。
焦る必要は無いのだ。
ゴックン
「ごちそう様でした」
「お粗末様でした、食器は置いておいていいから荷物の準備してきなさい」
「もうちょっと、これ終わるまで待って~」
「本当にそれ好きね」
「だって魔法少女だよ!可愛くてカッコいいんだよ!」
たとえそれが主に肉弾戦をしていて必殺技だけ魔法っぽい何かでもそれは魔法少女である。
変身シーンもあるし、マスコットもいるし、困っている人を助けている。
何も問題は無い。
ウィキペドアでも魔法少女の定義に当てはまるって書いてある。
ピンポーン
「はーい!…来たみたいよ」
「ちょうど終わってよかった、いってきまーす!」
「いってらっしゃい」
これが魔法少女の世界への第一歩である。
「絶対大丈夫だよ」
ただ昔と変わらないこともあって、それは魔法少女は誰かにとっての希望だってことなんだ。
誰かの思いを、願いを、守って、叶えて。
もはやそういう義務なのさ。
当然、この作品でもそのルールを守ると思うよ。
魔法少女達の遺した言葉はまだまだ沢山あるだろうけど、ここまでにしておこうかな。
後は読者の皆さんが各自で作品を見て、読んで、楽しんで欲しい。