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「奇跡も、魔法も、あるんだよ。」
って言った魔法少女が居たね。
この世界には奇跡は無いけど、魔法はあるよ。
魔法少女、それは魔法を行使する女性の総称である。
女性と表現したのは、魔法少女は当然人間であり、いくら魔法の力があるとはいえ、時間の概念からは逃れられないのである。
つまり、年を取る。
今は魔法少女でもいつかは魔法老女なのだ。
魔女と表現しないのは単純に語呂が良いからである。
例外もいるにはいるが、まぁ今は置いておこう。
魔法少女達は日夜、異世界からやってきた招かれざる客達と戦っている。
そんな魔法少女が一般的に認知され、一つの職業として受け入れられた時代がこの物語の舞台である。
今日もマスコット達による才ある少女達の勧誘活動が行われている。
「おっ?あの子、可愛いし魔力が高そうクマ」
マスコットに目を付けられた幸運な少女が一人増えた。
「ねえ、君!魔法少女になってみないクマ?」
「えっ」
この少女こそ主人公である。
少女の未来は明るい。
「繰り返される悲しみも、悪い夢も、きっと終わらせられる!」
って言った魔法少女が居るみたい。
全く以てその通りだね。