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第六天魔王魂・前世編  作者: EKAWARI
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第1話 吉法師

 ばんははろ、EKAWARIです。

 この話は今から13年ぐらい前に考えた『第六天魔王魂』という話がベースのファンタジー時代小説となっております。

 因みに本来の『第六天魔王魂』という話とは、織田信長の生まれ変わりの女子中学生(前世の記憶無し)に第六天魔王の力が宿っており、それを巡って戦国武将の生まれ変わりの野郎共が起こす霊能バトルアクションストーリー……だったんですが、自分で考えといてあんまりにもありきたりでつまらんと思ったから自分で没にした話です。

 んで先日10年ぶりに『決戦Ⅲ』やった所信長熱が吹き返してきたので、「そうだ、第六天魔王魂の前世編(つまり信長が主役)の話書けばいいんじゃね? 別に生まれ変わりな霊能バトルな本編書く必要なくね?」と思った結果生まれたのがこの話です。

元ネタが元ネタなので根幹設定はファンタジー、しかし世間的にあまり有名じゃない史実・逸話は積極的に取り入れていく方向性でいくよ。




「光秀」


 ―――彼は、神経質そうな顔立ちにそぐわぬほどの酷くよく通る高い声に、切れ長の瞳に優しく朧気な……まるで次の瞬間には消えてしまいそうな儚げで虚ろな色を宿しながら、私の(いみな)を呼んだ。


「明智惟任日向守光秀。貴様に頼みがある」

 そうして歳を取りながらもどこか美童だった頃の面影を未だ残す、十ばかり年下の主は言ったのだ。

「……殺せ、儂を。アレに完全に食い尽くさせる前に」

 それは貴様にしか頼めぬ頼みなのだと、上様は言った。





 第六天魔王魂・前世信長編。



「かかれっ!!」

「殺せ、殺せ!!」

 そんな物騒な言葉がどこの地域でも聞こえてくるそんな世の中。

 時は戦国・乱世の世。 

 それが何を切欠ではじまったのかといえば、色々な原因が重なって起こったとしか答えられぬだろう。

 応仁の乱の収束が上手くいかなかった故か?

 それもある。

 本来の守護大名が力を失った故か?

 それもある。

 ならば小氷河期、寒冷期に突入し飢饉が起きやすくなった故か。

 それもある。

 否、それら全てが原因であろう。

 故の乱世。

 乱れに乱れたこの世の中はもう100年近く続いている。大義名分は必要ではあるが、それでも力なきものに服従するものもなく、下克上も血縁殺しもまかり通る。

 大名と呼ばれるものが真実、朝廷が大名と指名したものとは限らず、彼らはただ自分の一族郎党を守り、少しでも領土を広げることだけを渇望する。誰も天下平定日の本を1つに出来るとは信じるどころか夢にも思わず、公方様、つまりは足利将軍すら命狙われながらただ駆け引きの中力なく生きる世だ。

 民は無力でなく、同時に力はない。

 矛盾しているようだが、それは人の理だ。

 彼らは稲刈りの時期や田植えの時期は農業に従事するが、領主によって集められた際には足軽として、兵として戦う。故に武器ももっていれば、人の殺し方もしっている。そして民草とは残虐なものだ。負けた側の侍を見れば、武器を手に襲いかかってくる。なにせ落ち武者狩りは民の大事な収入源の1つなのだから。

 故に無力ではない。それでもその生活に決定権はなく、上が変われども税を上に納めねばならぬその生活は変わらぬ。故に力はない。

 しかしだからこそ宗教がはびこる。世界の歴史において、最も多い戦争理由は宗教なのだから。

 それは島国たる日の本さえ例外ではなかった。

 生きている日々に絶望している民に、死ねば天国に行けると宗教は囁いた。どうせ生きていても地獄だ、ならば死後に極楽にいけるなら死すらこわくねえ。そんな風に死兵は出来上がり、時に武士大名さえ脅かした。

 もう一度言おう、民は無力ではない。

 それでも力は無かった。

 そんな時代に、彼は生まれた。

「吉法師様」

 色白い肌、少女のような面差しに、切れ長の瞳、その髷は朱や萌葱の紐で茶筅に結い上げられており、着物は諸肌脱ぎのだらしない格好だ。

 体付きはしなやかで、まだ十にもならぬ子供であることから余計に少女のよう、という形容詞が似合う見目をしていたが、しかし炎のように燃えるような瞳と、荒々しい若君らしからぬその格好が彼が女子(おなご)ではなく男子(おのこ)であることを示していた。

「お探ししましたぞ」

 そういって困ったように笑う老人の名は平手政秀。

 少年・吉法師のを務める尾張織田弾正忠家きっての敏腕外交官である。

 しかし今はまるで好々爺のような顔で、自分が使えるべき小さな若君を見下ろしている。それは祖父が孫を見るが如き瞳であった。

「じい」

 ゆるりと、少年が口を開く。その声は透き通るように高くよく響いて、容姿のみならず声までおなごのようであった。

「大殿がお呼びです」

「お(でい)が?」

 その言葉に、未だ7つの幼子は僅かに目を細めた。

 少年、吉法師が父と会う事はそう多くはない。

 それも当然だろう。なにせ吉法師は幼くして、居城である那古野城の城主となり、古渡の城に住む父や弟妹、母とは別に暮らしている。例え7つの幼子としても、吉法師は一城の主だ。

 親子とはいえおいそれと、父である織田弾正忠家当主とは会えない。

 それでも親子には違いない。故に父に会うことはやぶさかでないどころか、本当は嬉しいと思っている。が、それを表情に出すほど素直な若君ではなかった。

 しかし、クツクツと悪戯そうな笑みを浮かべて、吉法師は言った。

「じい、言うのが遅いのではないか?」

「というと?」

「既に来ておるようだぞ」

 そういって、吉法師はまるで猿かなにかのような動きで軽快に塀の上にまで駆け上がる。

 見下ろした先には馬上の父。

 武将らしい鍛えられたしなやかな体躯に、威厳を示すように生やされた口ひげ、切れ長の目に細面の、中年盛りでありながらも凛々しく華やいだ容姿の美丈夫である。

 それが「なんだ、気付いておったのか」とクツクツと男臭い笑みと共に悪戯げにいうのだから、厳しい印象だけでなく、愛嬌もある。その人的魅力(カリスマ)によって織田弾正忠家を駿河の今川や、美濃の斉藤、越前の朝倉と渡り合えるまで纏め上げたのがこの男、尾張四半国の主にして少年吉法師の父、織田弾正忠信秀であった。

 尾張の虎と呼ばれ、器用の御仁と称されるこの男は尾張の大名ではない。

 元々は尾張の守護代である清洲織田氏の陪臣の陪臣の家系で嫡流からはほど遠い。織田弾正忠家は守護代である清洲織田家に仕える三奉行が出身だ。

 更に元を辿れば織田剣神社の神官の家系であったという。奉られていたのは須佐之男尊(スサノオのミコト)や 気比大神などだ。それを思えば武門の出ですらないし、本当は大名を名乗っていいのは朝廷が指定した守護や、それをそれを支える為の役職である守護代などの身分からだ。故にこの男は本来、大名ではない。

 それが何故本流である守護代織田本家や、本来の尾張守護大名である斯波氏よりも大きな勢力を集め人望を集める事が出来たのかといえば、戦乱の世であったからと、才覚があったこと、それともう1つ、信秀には金があったからであろう。

 吉法師の祖父にして信秀の父である織田信定が残した巨額の財産、そして津島の財を握ることにより信秀は莫大な富を有していた。その財貨を使い朝廷や神社等に寄進をし、金をばらまく。その羽振りの良さ。有能ならば身分を問わず登用するその度量。ようはあるものを使うのに優れていたのだ。

 だからこそ現在主家を凌ぐ勢いで織田弾正忠家は力をつけている。それもこれも信秀があってこそ。

 そんな信秀の嫡男こそがこの吉法師と呼ばれる小さな城主だった。

「息災そうでなによりよ、我が息子」

「お(でい)もな」

 そういって素直じゃない表情で笑い合う親子はよく似ていた。


 父を城内に通し、上座へと押しつける。

 間もなく、湯漬けが運ばれてきた。

 湯漬けは文字通り、冷や飯の上に湯をかけただけの単純な料理だ。

 しかし吉法師はこれを気に入ってよく食べる。

 この幼い少年は元来せっかちであり、寝る間も惜しいとよく動き回る。そんな性格の持ち主である吉法師にしてみれば、喉通しがよくさっさと腹に収められて、かつ体も温まる湯漬けはいいものだ。

 流石に父にして主君にあたる織田弾正忠家当主が来ている故に湯漬けだけ、というわけでもなく、焼き味噌もついているわけだがそれがまたいい。年がら年中動き回る少年にとってみれば、味の濃い食べ物は塩分の失われた体に染み渡る最適のつまみだ。

 ザァーと湯漬けを掻き込みながら、チビチビと焼き味噌を舐める。気取った料理などなくとも、それだけで人は充分に満足出来るのだ。

「ほう……」

 息子と同じく湯漬けに口をつけながら、感心したように信秀は声を上げる。

「昆布か。出汁が効いておるな。どうした?」

「貰った」

 吉法師の言葉は短く簡潔だ。

 おそらくはまた鷹狩りの獲物でも領民にくれてやって、その礼に昆布でも貰ったのだろうと父たる男は検討をつけながら、本当にこいつは素直でないなと、ほのかに苦笑を浮かべ息子を見る。

 吉法師は湯漬けを好んでよく食うが、それでも毎度わざわざ出汁をとって湯漬けを作らせることはないだろう。なにせ我が子ながらせっかちな子だ。その待ち時間も惜しいと常なら思うであろう。それを父のために出してくれたということは、要するに吉法師なりに父をもてなそうという心遣いなのだ。

 幼くも顔にも出そうとしないし、わかりにくいが、それでもこの子供が酷く気遣い屋な性質を持つことを信秀は知っていた。

 戦国武将の子として、家をいずれ継ぐ嫡子として甘いなあと思う。それと同時に父として、離れて暮らしていようが親への愛情をしっかりと内に秘めている我が子が愛しいなあとも思う。

 しかしまあ、似たもの親子なもので、そんな内情を表に見せることもなく、焼き味噌をチビチビと舐めながら、信秀は息子へと声をかけた。

「お前、うつけと呼ばれているらしいな」

「で、あるな」

 淡々とした言葉遣いで短く息子も返す。一見そっけないが、どことなく父と会話出来る事に喜んでいるようにも見えるのは親の贔屓目か。

「しょっちゅう城を抜け出していると、林が嘆いておったぞ」

「嘆かせておけ」

 ずばりと息子は言った。全く齢7つの子に思えぬ言いぐさだったが、やはり相変わらず声や見目だけは年相応に幼く愛くるしいものだった。けれど、だからこそ異質さが際立つともいえるのだが。

「全く、癇が強いは昔からだが、急にそのような装いをするようになって。気を違えたのではないかと思うものもおるようだぞ?」

「……おでい(オレ)をうつけと思うか?」

 ニヤニヤとわざとらしくそう息子へと声がける父を前に、ふと、吉法師はポロリと洩らした。

 強がった表情をして、口元は不敵なニヤリ笑いを浮かべているというに、その瞳は不安を訴えており、否定して欲しいと願っているように信秀には見えた。それは事実そうだろう。多分おそらく臣下の誰が思うよりもこの子供は聡く、そして同時に年相応に子供だった。

(まったく、甘い、甘いわ)

 けれど、叱るのはもう少し歳を経てからでよいだろう。なにせ吉法師は未だ齢7つ。神の子より脱したばかりの弱年だ。武将の子として弱き心を表に出すのはあまり望ましくなくとも、子供らには子供の流儀がある。あまりに子供を逸脱させすぎれば、子飼いを掌握するも難しかろう。

 故に素直に答える。

「いいや」

 そう答え、続けて信秀は言った。

「お前をうつけと見る輩のほうがうつけであろうよ。聞いたぞ、なにやら勝三郎ら子供らを連れて面白きことをしているとな」

「…………」

「石合戦。子供らを2つに分けて戦の陣頭指揮の模擬演習か。家を嗣げぬ悪童等を集め手下にするは、将来の自分の軍団等をそこから起ち上げる為か」

 吉法師は答えない。けれど、その表情は答えを言っているも同然だ。

 ニヤリと、悪い顔で笑って、実質上の尾張の支配者たる男は言った。

「儂は良い後継者に恵まれたの」

「……参った」

 そうどことなくうんざりしたような声でぼやく息子を前に、カラカラと男臭く笑いながら信秀は言った。

「励めよ、吉法師。子は他にもおるが、儂にここまで期待を抱かせたは貴様だけよ」

 裏を返せば、努力を怠ったと判断が下れば、次の瞬間廃嫡を決定するということなのだろう。

 未だ幼い吉法師にとって父とは愛おしいものだったが、それでも父の子が己だけでないこともまた知っている。庶系の兄信広、同腹の弟勘十郎、その他にも弟妹はいくらでもいる。

 それに世は戦国、乱世の世。いくら正室との第一子といえどそれだけが理由に安泰に家を嗣げるなどと、そんな甘い時代ではない。

(……重々承知しておるさ)

 そう吉法師は思う。

「話はそれだけか?」

「まあな」

 あっさりとした声で尾張の虎と呼ばれている男は言った。

「あとは、たまには息子の顔が見たいと思った所で罰が当たるまい?」

 そうニィっと笑いながら言うものだから、憎めないのだ。

 尾張の虎、器用の御仁、そう称されるこの男は計算高く、冷酷で、情が深い。一見相反して矛盾しているようだがそれらが器用に1つに纏まっている。故に、顔が見たくて会いに来たというのも本音であろうし、もしも継ぐ資格なしと思えば廃嫡し、たちまち少年を捨ててしまうだろうことも本音だろう。

 己の父はそういう男だ。それをわかっていても息子として父を愛していた。全く難儀なものである。

「また来る」

 そういって一刻とかからず父たる男は帰っていった。

 供の者など数えるほどの数しかいない。その領主らしからぬ足軽さもまた己との血の繋がりを感じさせて、本音をいえば多少寂しくも少しだけ吉法師は嬉しかった。


 さて、時は天文九年(西暦1540年)、尾張の国(愛知県)、勝幡の城で生まれたこの吉法師という子供は数え7つになっていた。

 戦乱の世では安定した上役というものはなく、下克上がまかり通り、将軍はおれども権威はなく、朝廷あれども力なく、日の本が統一される日など夢のまた夢であると誰も信じていなかった時代、そういう時に子供は産まれ育ったのだ。

 生まれた時から吉法師は癇の強い子供だったという。

 なにせ、つけられた乳母の乳首を悉く噛み破っていた困った赤子だったのだ。当時の身分ある母の元に生まれた子は乳母より乳を与えられるものだったが、どの乳母にも懐かずガブリと噛み切ってしまうものだから、乳母に選ばれたものには溜まったものではない。

 それは結局後に養徳院と呼ばれるようになる女性が乳母に選ばれる日まで続いた。余談だがこの女性は後に赤子の父である信秀の側室にも収まっている。

 まあ、ともかく赤子の頃から人をえり好みし、気に入らない者にはとことん懐かない、そんな気難しい子供だった。

 けれど、そんな気質とは裏腹に美形が生まれやすい織田家の血というべきなのか、一見すればおなごと見紛わんばかりの容姿に彼は生まれ落ちた。

 量も多く質の良い緑の黒髪に、色白の肌。顔の形に至っては、古来より日の本では美人の象徴とされている瓜実顔の細面であり、すっと通った切れ長の瞳に、形の良い高い鼻、薄く小さな口。おまけに幼子であることを差し引いても声は高く、かなり離れた所までよく通る。体格は同じ年頃の子らと比べても華奢な印象だ。その為大人しくしていれば男子(おのこ)ではなく、男装した女子おなごに見える。

 そしてそこに吉法師の苦悩があった。

 時は戦国乱世。日の本全土を巻き込んでの内乱は留まる所を知らず、上がコロコロと代わりに変わった下克上の時代。たとえ名家であろうとそれを理由に安心出来ず、力なければ滅ぶのみの非情な時代だ。

 故に、力強い先導者(リーダー)を人々は求める。

 そして吉法師は尾張の虎と呼ばれている、尾張で現在もっとも影響力を持つ男の嫡男だ。将来、尾張織田弾正忠家を継ぐ跡継ぎだ。

 色小姓になるのならそれも武器になるだろう。寺の稚児となるのなら諸手を挙げて坊主共は喜ぶだろう。しかし、武門の倅となるものが女のような美童でなんとする?

 あんな女のような若様で大丈夫なのかと民衆を不安がらせるだけだ。それを吉法師は幼いながらもわかっていた。

 そもそも、自身の立場というものを誰に言われずとも吉法師自身が1番よくわかっているのだ。

 だからこそ、これは考えずになった結果ではない、考えた結果なのだ。

 ほんの少し前まで吉法師は武家の子息らしい装束で日常を過ごしていた。

 きちんと髪は纏め、ちゃんとした着物に袴の装いに身を包み、無暗に城を抜け出すようなこともせず、4人の傅役である林佐渡守通勝や平手中務丞政秀、青山与三右衛門、内藤勝介らのいうことを時には反論しつつも、出来るだけは聞いて、勉学や弓に乗馬、刀や槍の鍛錬へと励んだ。

 自分で言うのもなんだが、外見はともかく、決して中身までおなごの如きと思われるような気性性格ではないと思っている。しかし、そうやって嫡男らしく、若君らしくあろうと過ごせば過ごすほど、領民からはあのような色白で華奢で大人しい、おなごの如き若君で大丈夫なのかと不安の目で見られたのだ。

 だからこそ、吉法師は考えた。

 そもそも織田弾正忠家は、織田弾正忠信秀という織田家から生まれた傑物あってこそ成り立っている。

 元々名家でもなんでもないのだ。たかが神官の家の出。それがこうも一大勢力を気付いて、あの名門今川家や、彼の名将朝倉宗滴と張り合えているほうがおかしいのだ。

 つまり、普通に家を継げば、父の死とともに家臣どもも霧散してもおかしくない、それぐらい不安定な土台の上になりたっている。それほどに父は偉大であり、大きな碇の如き男であると少年は見ている。

 故にこそ大人しく家臣のいうことに従順で、優等生的ともいうべき後継者であってはならない。 

 そんなことでは織田弾正忠家は潰されるし、すぐに消えてなくなる。

 だからこそ出来る事を自分で考えねばならぬし、そのことをおそらくあの父も期待している。

 獅子は我が子を谷底に蹴落とすという。あの父も同じだ。尾張の虎と呼ばれているあの男も、自分の跡継ぎたる嫡子がどう答えを出し、どう育つのか観察し試している。もしもそれで己の期待以下であれば、他の兄弟の首を嫡子にすげ替えるだけだ。

 だからこそ、吉法師は考えて答えを出した。

 その答えの1つがこの格好である。

 湯帷子を着崩し、下は半袴かあるいは何も身につけない。髪は派手な色をした紐で茶筅に結い上げ、腰は縄で留める。若君には到底見えぬ格好であるが、なんにしろ動きやすいし、麻で出来た粗末な服装は鍛錬でドロドロに汚れたところでなにも惜しむところがない。ざっくばらんな髪型もまた、優しげにさえ見えかねない顔立ちを荒々しく見せる演出として最適だ。

 初めは眉を顰められたし、今も林や内藤といった傅役には嘆かれたり、なんとか前のように戻らせようとしてくるわけだが、それでも今は戦乱の世である。

 領民たちはそんな若君らしくない格好を始めた吉法師に対し、「ひょっとして若君はうつけか?」と首を捻りつつも、おなごの如き大人しい若君でないとわかって安堵を覚えたもののほうが多かったと、少年は見ている。中には以前よりも親しみを覚えてくれたものもおり、こちらが城を抜け出し出向いたら、気さくに「今年の瓜は出来がいいですよ」と声をかけ、馳走してくれたものもいる。

 そんな領民達を有り難いと吉法師は思っている。同じ尾張の国に住み、同じものを食べて同じ空気を吸ってここにいる、愛すべき、守るべき民だとそう思ったのだ。

 そうして城を抜け出し、この国のあちこちを出歩いた。

 それは自分が住んでいる場所が一体どういうところなのか知りたかったのかも知れない。民はどういう風に暮らし、野山はどこがどう危険であるのか。上手く歩きにくい場所を歩く歩き方は、商人や工人はどういう考えをもって、どういう暮らしをしているのか。

 そしてそれは将来この場所を自身が治める日がくれば必要なことだと、今も吉法師は思っている。

(人間五十年、下天のうちをくらぶれば夢幻の如く也、一度生を経て滅せぬ者のあるべきか……か)

 それは幸若舞敦盛の一節。平家の滅亡と共に、16の若き身空にして亡くなった平敦盛(たいらのあつもり)を主題として作られたその演目の一節を、始めて知った時から吉法師は惹かれていた。

 人の世の五十年など天界の1日に過ぎない、一度この世に生を受けて滅びぬ者などあるのだろうか。

 平家の滅亡と共にそう謳うこれを他人事とは思えない。

 そうだ、所詮人間の人生など一晩の夢のようなものなのだ。明日滅びてもおかしくない。ならば五十年もきっとすぐに来てしまう。だからいつも吉法師は内心焦っている。

 人は彼をせっかちだという。何故何事も性急に急ぐのだ、という。

 たわけたことを、と吉法師は思う。

 人の生など短い。すぐに終わってしまう、ならば今出来ることは出来るだけ急いで果たさねばどうするのだ、と。

 だから彼は性急でせっかちだ。けれどそれを直す気もなければ、直す必要も感じてはいなかった。

「じい」

 馬を引く小者に合図を出しながら、甚だよく通る声で少年は傅役である老人へと声をかける。

「どちらへ?」

「知れたこと」

 わかっていて言う腹の中に狸を飼っている老人に、短く彼は言った。

「天王坊よ」


 古来、現世神たる時の帝が海の向こうより渡来した仏教を受け入れて以来、日の本の国は神仏習合の習慣が広まり、神社と寺は本来別物であったにも関わらず区別は曖昧になっていった。

 それはこの時代もまた然り。

 天王坊は吉法師が勉学のために通っていた寺であったが、津島神社と隣り合って建てられており、どこからが天王坊でどこからが津島神社であったのかの明確な区別は難しい。

 否、どちらでも構わなかったのだ。

 ただ彼は熱心にはるばる津島まで通い勉学に励んでいた。

 吉法師は津島が好きだった。

 そも織田弾正忠家の富はこの地からはじまった。

 吉法師の祖父たる織田信定が自分の娘を津島の有力商人に嫁がせ、この地に足がかりを作った。だからこその現在の繁栄があり、礎とも言える地がここなのだ。

 織田弾正忠家の強みは米の力ではない。商人達の持つ銭、流通の力だ。かつて高き地位のものが金銭に関わるなど厭らしいと避けていた中、真っ先にその力を理解し取り入れたのが祖父・信定だった。

 故にそこらの収入を米のみに頼る弱小大名などよりも、よっぽど織田弾正忠家はお金持ちなのである。

 そして、ここには坊主もいれば商人もいるし、神主もおり、様々なものと出会い、色々な情報も得ることが出来る、生き急いでいるとすら言える吉法師にとってまさに打って付けの地であった。

「若君、ようこそいらっしゃいました」

「頼む」

 そういうと、人肌ほどの温度をした白湯を出しながら宮司は、「今日はなんの話にしましょうか」と愛想の良い顔で言う。それに少年は「続きでよい」と、この前強請って聞いた織田家の歴史の続きについて言葉少なに要求した。

「そうですね、それでは」

 そうして神仏と織田家についての話を聞く。

 それをなんでもないような顔をして、しかしじっくりと吉法師は耳を傾ける。

 見た目はあまり熱を持って聞いているようには見えない。しかしこの元来がせっかちな若君がこうして前回の話の続きを強請ってまで聞いている時点で、しっかり興味をもって聞いているのだということを宮司はわかっている。

 なにせ、この少年、誤解を受けやすい性質の持ち主だ。

 後年、彼は南蛮の宣教師達にまで無神論者かなにかのような扱いを受けることとなるのだが、それは別に正解ではない。寧ろ無神論者など誤解も良い所だ。

 彼は政治に口だしだけでなく手まで出してくる宗教を憎んでいるだけだ。宗教は本来のその宗教の役目を果たすべきだというある種の潔癖である。神仏を信じているからこそ、それを穢すような真似をする坊主が嫌いなだけだ。

 元々織田家は神職だった。そして奉らう神は素戔嗚尊(スサノオ)、皇祖神・天照大神(アマテラス)の弟神であり荒ぶる神である。身分的には釣り合わねど、織田家と皇室の関わりは深い。

 それを思い出してか、ふと哀しげな声音で宮司は言葉を零す。

「今の京の都は平安の頃の面影すらなく、人々は貧困に喘ぎ、賊は蔓延り、朝廷どころか天子様さえ困窮した生活を送っているそうです」

「天子様も……か?」

 それに幼いながらも聡い子供は、ふと目の奥に痛ましい色を乗せながらじっくりとした声で問いを返した。

「ええ、御簾すら替える余力はないと」

「……お(でい)はどうした」

 吉法師の父である織田信秀は勤皇家で知られている。

 権威もクソもないようなこの時代に中央に献金し、伊勢や津島、熱田などの神社神宮への寄進に余念がなく、朝廷の現在の有り様に胸を痛めているものの1人だ。

 故に、そんな風に目の奥に義憤を宿らせる若君を見て宮司は、嗚呼こういうところもしっかり大殿の血を引いてくれているのだなと少し嬉しくなったが、そんな感情をおくびにも出さず、少し冷たい声でキッパリと言い切った。

「銭を献上しようと出来る事と出来ぬ事がありましょう」

 それに対し愛くるしい見目に相反する格好に身を包んだ若君は、むっと唇を引き締めながら下を向き、短い間なれど何事か自分なりに思案したかのように、慎重な声音で言った。

「日ノ本が統一されれば、(オレ)が太平の世を作らば、天子様の名誉も回復なさるか……?」

 思わぬことを言われた。

「ぷ、あっははっは、それは壮大な夢で御座いますな!」

 故に冗談を言われたと思ったらしい、宮司はそんな幼い若君の言葉を笑い飛ばした。

 しかし、冗談と思われても仕方があるまい。

 なにせ誰もこの戦乱の世が終わるなど夢にも思っていないし、太平の世が来るとしても、自分が生きている間は有り得ない話だと思っていたのだから。

 しかも言った相手が言った相手だ。

 尾張の守護大名どころか守護代ですらなく、有力武将の嫡子といえど、尾張一国の主ですらない齢7つの幼子だ。これが時の足利将軍であっても夢物語だといわれるだろうに、公方様どころか一地方守護代の陪臣小倅めが言ったのだ。冗談以外にどう解釈すればいいというのか。

 或いは子供らしく現実が見えていないというべきなのか。しかしそんな愚物ではないと思っている。

 ならばやはりこれはこの子供なりの冗談であろう。そう宮司は受け取った。

 そんな自分の発言をまるっきり信じていない大人を見て、ムッとしながら少年は言った。

オレは本気だ」

「左様で御座いますか。ほんに太平の世が来れば良いですね」

 そんな世が来ることを全く信じていない顔でにっこり笑いながら、大人は言う。

「言ったな、見ておれよ」

 そういって脱兎の如く若君は飛び出す。

「どちらへ」

「参拝じゃ。ついてくるでないぞ!」

 そういって、せっかちで生き急いでいる子供は人気の少ない宮に向かって駆け出した。


 手水で手を洗い口を濯ぐ。

 それは神社へ参拝するにあたり当然の礼節であるが、口を濯ぐついでに水も飲む。

 冷えた水は走って火照る体には心地がよい。冷たいものをいきなり飲むはあまり体に良いとはいえぬのだが、構わぬと吉法師は思っている。

 そもそも神に詣る時、手や口を濯ぐのは神話から来た行為である。

 国産みの神である伊弉諾(イザナギ)伊弉冉(イザナミ)。彼らは交わり数多くの神を産むのだが、火の神を産み出す時伊弉冉(イザナミ)女陰(ほと)を火傷し死んでしまう。

 大層嘆き悲しんだ伊弉諾(イザナギ)は妻を迎えに黄泉の国に行くのだが、妻は既に黄泉の国の住人になっており、見るなと言った姿を夫に見られた妻は怒り狂い、結局彼らは黄泉の国と生者の国で決別をする。そうして黄泉の国の穢れを落とすため、伊弉諾は海に入り、身を清めた。

 それが禊ぎの始まりであり、その時伊弉諾の左目を洗った時産まれた神が、太陽神にして皇祖神である天照大神、右目から産まれたのが月を司る月読命、そして最後、鼻から産まれたのが嵐を司る素戔嗚尊の三貴神である。

 神に参拝する時手や口を濯ぐのはようは、伊弉諾の真似であり、禊ぎを簡略化したものだ。

 穢れは祓わねばならない。不浄はならぬ。身を清めよ。

 それは神職の出である少年の血の中にも自然と息づいている考えだ。

 このような若君らしからぬ格好に身を包んでおきながらどこが? と聞かれそうだが根本的な部分で吉法師は綺麗好きだし、潔癖だ。

 自己習練と鍛錬は汗まみれの泥まみれになってまで行わねばならぬものだが、美しい着物を汚すほうが不快である。故に人々が眉を顰める麻の単、これでいいのだ。最初っから粗末なものであれば、汚したところで咎めるものもないであろう。

 だから根は潔癖の気があるにも関わらず、若君らしからぬ荒々しき格好でも彼は気にしない。

 そうして身を清めこざっぱりすると、そこに存在するは紅顔の美少年である。

 はっとするような美しい目鼻立ちは、おなごか若しくは、平安の時代の、都の公達を思わせるほどに優美で品がある。つるりとした瓜実顔に通った鼻梁、切れ長の目は炎が如き自我を前に輝いており、やや薄い唇は小さく上品な形をしている。

 とても武家の子息には見えないが、成る程。これを見れば元々神職であったことが納得出来るだろう。それほどに少年期特有の、男とも女とも付かぬ中性的な美貌の持ち主であった。

 そうして神妙な面差しを浮かべ、少年は神へと祈りを捧げる。

 神に縋る気はない。神を信じているからこそ、神仏に縋ってはならぬとそう吉法師は思っている。

 運命は自分で掴むもの。それでも祈るは自由だ。

 そうして誓うのは神に対してではなく、自分に対してだ。

 為さねばならぬこと、為すべきと己で定めたこと、それを必ず果たさんと祈る。

 多感で実年齢に似合わぬ聡さをうちに秘めるこの子供は、繊細で様々なものを愛していた。

 自分を試すように接するよく似た父を、優しく見守るような乳母を、小うるさくも一生懸命な取り巻きを、何もかもわかっているような平手の爺や、純粋に己を心配してくる青山の眼差しを、己を嫌い眉を顰めてくる母さえも愛していた。

 この尾張平野の光景を、山の恵みを、緑の匂いを、川の冷たさも、一生懸命によく働く農民達の姿も、津島の商人の逞しさも、自分の仕事に誇りを持っている工人達の在り方も、神社・神宮の静謐な佇まいも。

 故に守らねばならぬ。

 天子様に変わりこの地を守らねばならぬ。

 それを為せるのは数多くいる父・信秀の子供の中でも己だけなのだと、主家である武衛様こと斯波家では足りぬと、それを自惚れで済ませる気はない。

 故の誓い、祈り。

 そうして思い出す。木の上から遠目に見た彼の光景を。

 それはほんの少し前の出来事。

 天文九年、この年安祥の合戦が起きた。安祥城は三河の豪族松平と、吉法師の父織田信秀との西三河の領土を巡っての合戦である。

 尾張の器用の御仁・弾正忠信秀は水野忠政を伴い三千の兵を率いて出陣、三河安祥城を千の兵で守る松平だったが、情勢は拮抗し、遂に両軍を併せ千人以上の死者を出しひとまずの収束を迎えた。

 吉法師が見たのはあくまでも、その戦いから帰ってきた人々の姿だ。

 友や親戚を亡くしたものも多いのだろう、満身創痍なものも多かった。

 実際に戦場を見たわけでなくとも、それでも戦の匂いは感じ取れる。

 ……痛ましいものだと思う。

(オレ)が当主となれば……)

 変えられるだろうか?

 否、無理だろう。それぐらい幼子といえど吉法師にだってわかる。

 当主となったところで、戦って死ねという役目が父から己に移るそれだけだ。

 それでも、戦のない世を早く作る、その為の礎を作る、作りたいと願う。

 思い願う力も強ければ魔を引き寄せるという。

(力が欲しい、力が)

 それは異質。

(この日の本を1つとする力が)

 願い、祈り。

 なにがなんでも果たすのだと、なりふり構わぬそれは魔を呼び出す。

 そうして、ゆらり、ゆらりとそれはゆるやかに現れた。

 

『ほう。ガキと思うてみれば、強い霊威を感じるな』

 はじめ、少年には理解が出来なかった。

『神職の血を引いているな、お前。どれツラを見せろ』

 その形すらなしていない、震える空気。

「だ……!」

『騒ぐなよ、小娘……嗚呼、小童だったか』

 誰ぞ、そう叫ぼうとした口は不自然に音を出せず途切れる。

 吉法師は織田弾正忠家の跡取りだ。故についてくるなと言ったところで、すぐに駆けつけられる位置には供の者が居る。例え離れていても、目視出来る距離で護衛を務めている者ら。その中には吉法師自身の乳兄弟の勝三郎もいるのに。

(何故気付かぬ!?)

 このユラユラと揺れる空気、震動にしか思えぬが確かに存在するこれはこんなに異常な空気を放っているのに。こうして対峙しているだけで体が畏れおののくように震えるというのに、この異常を何故己の供の者らは気付かぬのだと、吉法師は言葉にならぬ声で内心叫ぶ。

 しかしクツクツと、この目の前の『何か』はおかしそうな含み笑いをもって言った。

『余に気付かぬことを責めても仕方あるまい? 余とこうして言葉を交わせるそなたのほうが特別なのだ』

(何が特別だ、このあやかし、妖魔めが!)

 心中で思いっきり罵倒しながら、吉法師は炎のような眼を益々燃やしながら睨み付ける。

 体は得体の知れない恐怖で震えていたが、構うものか。このような怪異に心まで屈するつもりはサラサラない。第1、ここは神社といえど、目の前のこれが『神』とは思えぬ。ならば遠慮する由はなかった。

『妖魔とは酷い言いぐさではないか。余はそのような下等生物でない。不快ぞ。しかしまあ……美しい見目をしておる。なによりその眼、魂の色、なんと純粋な朱か。強く美しい魂だ。気に入った、余はそなたを気に入ったぞ』

 そうして揺れる空気はざわめく。

 それは喜びを示すように激しく、その様がいい知れない空気を持ってざわざわと少年の肌に鳥肌が立つ。

 怖気を呼ぶその様、邪悪で純粋な力の塊に上から押さえつけられているようで、吐き気すら覚えたが、それをぐっと耐え、涙を堪えながらただただ彼は姿さえ明らかでない『何か』を睨んだ。

『取引をしようじゃないか、身に合わぬ大望を秘めし霊威の子。身を滅ぼす願いを持つそなたであるが、余の力があればその願いも絵空事ではなくなろうて』

 そなたにとっても悪い取引ではあるまい、そういって得体の知れないソレは嗤った。

『余が望むのはそなたの、その燃えるような純粋な魂よ。願いが叶った暁にはそなたの魂を所望する。なあ吉法師。一言『差し出す』と言え。さすれば余はそなたに力を貸し与えてやろう。その不可能に近い願いを叶える為の力をな……貴様1人の魂で済むのだ、良い取引だろう?』

 怪異が幼い体を這いずり回る。

 ユラユラと漂う何かが、その肌を舐めるように這いずり回る、それはまるで捕食動物が獲物を前に舌なめずりするかのようで、ゾワゾワと悪寒が背筋を這い、吉法師は吐き気と戦いながら、それでもなんとか空気をひねり出して問うた。

「貴様の……名は」

 それに嗤う怪異は。

『第六天魔王』

 そう答えた。

 其の日、少年は怪異に出会った。

 そしてこれが全ての始まりだった。

 日の本の歴史さえ変えかねない、全ての。



 というわけで第1話でした。

 たまには勤皇家なのぶも悪うないでしょう。大体戦前では信長は革命児どころか大変な勤皇家という評価だったらしいですし、実際俺ものぶが天皇と朝廷滅ぼしたとはとても思えないし。

 だって信長って合理主義者だし。合理主義なら余計に朝廷滅ぼす理由とかないだろJK。

 というわけで原点に返って(?)この話の信長は勤皇家なのぶ(しかし無意識に無礼なことはしちゃう、悪気はない)でいきます。

 基本的に13年前に考えた話ベースなんで、うちの信長の参考モデルにしたのも、信長公記やルイス・フロイスの日本史、安土信長の館で展示されていた幼少信長の人形劇(?)、信長が寧々様に宛てた手紙などから見える人物像がモデルではあるんですが、センゴク信長の「お父」呼びが好き過ぎて、そこだけセンゴク信長をモデルにしてます。

 創作物の信長ではセンゴクの信長が1番好みなんですが、ぶっちゃけ信長公は史実や当時の資料が1番の萌えの宝庫ですね!





 信長可愛いよ、信長。ああくそ明智光秀羨ましい、光秀に成り代わりたい。俺も信長の下で戦って敵の首級取って上様に褒められたい、1番に書状で褒められるとか、少ない手勢で助けに駆けつけられるとか己、十兵衛光秀マジ羨まっ! おまけに信長の配下で1番信頼されて、重宝された挙げ句信長殺せたとかあいつなんなん羨ましすぎてマジ許せんのだけど、くそ光秀に成り代わりたい。俺も信長殺したい。

 のっぶ可愛いよのぶ、のぶの下で働きたい、のぶの為に敵ブチ殺したい、寧ろのぶ殺してえ。寧々様宛ての浮気の仲裁の手紙で署名に「のふ」とかひらがなで書くとかなんなん? 萌えさせる気満々か、くそ、信長公あざとすぎんよ。俺ものぶ殺したい。金平糖上げて喜ばれたい、のぶ自ら案内する安土城観光ツアー参加したい。自分で民から直接銭回収して安土城見学ツアー組ませるとかなんなん、浅井長政んところに少ない手勢で遊びにいくとかなんなん? こうすぐ裏切られまくるくせになんでそんな人を信用しちまうん? 追放しちゃう部下に「信長に相談すべき」って頼られたかったん? 頼られるの大好きなん? なんでこの人こんなにあざといん?

 くそ、信長公の配下になりてえええ!! 光秀マジでそこ変われえええ!!!


 あ、気が向いたら2話アップします。

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