無情と矛盾
電話切るとシンプルな携帯がまたなる。今度は短く
「ピリリ」
と
また携帯を見る
題名は任務と書かれている。カーソルを合わせクリック。
画面を開き何度も顔をみたことあるいや見てきたことのある白人男
性の画像がでた。
そう俺はここ数日彼の身辺を探っていた。家のでる時間、ご飯行く
場所、合う人間など細かく。
準備を済ませさっそうと外にでる。あたりを見回すいつもと変わらないパリの街並み
だが自分の見えるパリの街並みは違く見える。どことなく悲しく
いつでも寂しく枯れ葉が散る景色は孤独感をよりいっそ感じさせる。
至って普通にタクシーに乗り込み行き先を告げる。耳にイヤフォンをして
目を閉じる。至って普通の若者の行動。
タクシーの運転手はそんな彼をみても日常的な光景に過ぎない。
イギリス ウエストミンスターのとある場所
ビルのひとつのうすぐらい部屋で大きな画面にフランスの地図が写っている。
男性が画面をみて「dが動きました。」
と伝えるといっそうまわりにいた人間の顔が緊張感に包まれる。
画面フランスパリ付近から赤い点滅。
一人の上司が言う
「近くに要員を配置。終わり次第作業に。」
と言うと一斉に局員達がパソコンのキーボードを叩いた。
上司「dの状況を教えてくれ」
部下「車で南に移動中」
上司「OK」
上司「要員は?」
部下「あと10分で現場に到着」
上司「OK」
上司「衛星でぎりぎりまで追いかけるんだ」
部下「はい」
それぞれが自分の仕事をこなす。なにかに追われてるいやミスは絶対にできないという責任感を感じるくらいに空気は重い。
タクシーが到着
「お釣りはいらない」
「どうもー」
そこは綺麗な景観を乱さない豪邸が立ち並ぶ高級住宅街
ゆっくりと歩き時計は11時を指す
彼は呟く
「もうそろそろだな」
と同時に
ガッチャ
と門があきそこから一人の女性が出てきた。すぐさまタクシーに乗り込み
どこかに行ってしまった。
そしてすかさず彼は家に入っていった。
冷たい目をした男家に入りたんたんと廊下を歩いていく
床のきしむ音が聞こえる。でも鼓動は一定これからすることに何も
恐怖感や緊張感もなく。
「なんだー戻ってきたのか」と奥の部屋から男性の声が聞こえた
すぐさまそっちの声のする方に歩いていく。
懐から銃を取り白いドアが空いた瞬間銃を発砲サイレンサーで音が響かず
2発 鈍い音がした
眉間に打ち込んだ。顔の表情は何も変わらず俺ははあの写真の白人男性の脈をはかる
でも何も脈の反応がないその場をたち去る。慌てることなく動揺することもなく。
俺にとってこれが仕事誰が死のうが関係ないなんとも思わない。言われた任務をこなす。
それだけ・・・だ
外に出て携帯を取りだし電話をかける
「終わった。あとを頼む」
上司「ご苦労あとはこっちでやる」と言うと
電話和終わった。
上司「皆ご苦労ミハイルdローが仕事を終えた」
と言うとさっきまでの緊張感があった部屋は嘘みたいに
まるで窓全開で日が差し込んだかのような安堵感のあるいごごちのいい部屋に変わった
上司「おいまだだ作業班に連絡しろ」
でもそんな上司の言葉でも緊張感は戻らず部下たちははいといったものの
ほがらかな顔をしてキーボードをたたいた。
その頃彼は近くの駅から電車に乗り
街並みを眺めまち行く人々をみてボーッとしていた。
それはほほえましくまるでなにかを羨ましく感じでみてるようにも見えた。
まるで先ほどの冷徹なかおなど嘘のような優しい顔になっていた。
反射してみた自分の顔に少し驚いた
冷徹な顔はわかってはいたもののこんなに柔らかい表情ができるなんてと。
寂しく感じた。
何を考えてたのか解らないが発車のベルを聞いてあわてて降りた
こんなことはなかった今までは
ちゃんといつもなら周囲に目を光らせ休むことなく神経を張らせていた
のになにか違うもの違う自分を感じた時だった。