表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

序章:お尻にろうそく差すと、お尻の穴が焼ける

おひさ(*´ω`*)

「ユウ君ッ。大好きだよッ。私ユウ君がだいだいだい大好きぃ!」

「あー……そ」

 子供のころだったろうか。

 そんな事を真顔でいってくれた幼馴染がいた。

 明るくて、可愛くて、周りの男子からも注目の的で、正直、誰が告白するのかどぎまぎしているような毎日だった。

 もちろん、俺もどぎまぎしていた。

 いつ、言おうか。

 いつあいつにそんな事を言おうか―――


「うー、ただいまぁ……」

「あ、ユウ君おかえりぃ」

「お前家隣だろ! なんでしれっとリビングにいるわけぇ!?」

「夕君、これおいしいね」

「ぎゃあああ! それ俺のケーキやないですかぁああ!」

「おいしい」

「残せよ、少しは残せよ!」


「――――ぱく」


「ああああああああああああ!」


 ―――お前頼むから、もう少しおしとやかになってくれ。


「にはは、おいしかった」

「なんでぇ!? 俺食べるなって言ったでしょうが!」

「だって夕君、恋人になってくれないから……」


 別に好きでもなかった。

 嫌いでもなかったが、取り分けて彼女に何か感情が湧く事はなかった。一つ年下で、学年も違って、学校で何かを話す事はないからだ。

 だから会話も少ないし、それほど俺も彼女に好感を持っているわけじゃない。

 むしろ隣の叔父さんと叔母さんに嫌なものを押し付けられているような気分だった。

 ていうか姉気の方より二つ下の妹ちゃんの方が可愛い気がするし――――


「面白い事言うのね夕君」

「あっつぅうううう! 何当ててるんですかぁ!?」

「ろうそく」

「いやいやいや、なんで僕そんなろうそくあたってるんですか?!」

「……当ててるのよ」

「あっつ、熱いから! そもそも何ろうそく垂らしてるのぉ! 今日俺の誕生日でしょぉおお!」

「夕君が恋人になってくれないから……」

「関係ないでしょ! て言うか身体の縄解いてくださいよぉ叔父さん!」

「いやぁ、美緒も元気一杯だ!」

「何へらへら笑ってるんですか!? 早く縄解いてくださいよ!」

「いやぷー」

「最低……」

「か、可奈ちゃん! お願い助けてぇ!」

「―――ま、精子はいくらでも出せるわけだし」

「なんかおかしな言ってるよぉおお! 君も小学生だよぉ!」

「美緒には元気な子供を産んでほしいわよねぇ」

「叔母さん誰に同意求めてるわけ!? 可奈ちゃんも小学生よ!?」

「知ってルクセンブルク」

「うるさいわぁ!」

「夕君。可奈と遊んじゃダメっ」

「んほぉおおおおお!」

「これでよし」

「お尻りぃいいいいいい! 熱いのぉおおおお! ろうそく刺さって熱いのぉおおおお!」

「夕君綺麗……まるでサンタクロース」

「ケツにろうそく差したサンタクロースとか子供が裸足で逃げるわ! いいから早く抜かんかぁああ!」

「えい」

「おほぉおおおおお! 突っ込んだらぁあああああああ!」

「夕君。抜いてほしかったら首縦に振って」

「うんうんうんうんうん!」

「付き合ってちょうだい」

「うんうんうん――――ああああああああああああ!」

「よっしゃっ」

「やめてぇええええ!」


「―――捕まえたぁ」


「何のホラーですかぁあああ! やめてぇええええええええ!」


 こんな親の下生まれたこんな娘だ。

 妹も大概おかしな奴だが、こいつは輪を掛けておかしな奴だ。

 もちろん俺以外の人間は誰もこいつの性格の裏を知らない。皆彼女がおしとやかで可愛らしくて、人形のようだと口をそろえて告げる。

 知らないまま、皆告白している。

 そしてあいつは俺を手に入れようとしている。


 おかしい。

 こんな事は許されない。


 そんな事を考えていたら―――いつの間にかあの親子は俺達の家の隣から居なくなった。


「うーん、今日もいい朝だ、元気に隣の家がありませぇええええええん!?」


 親父曰く、昨日の内に家と道具を引き払ってもういなくなったらしい。

 家が丸ごとなんだか飛び去って言ったかのようだった。


「キャトルミューテーショぉおおおん!」

「きも」

「うっさいわコミュ障親父がぁあ!」


 どんな早業かはわからないが、これでようやく彼女達不思議な家族は俺達家族の隣からいなくなった。

 嬉しかった。

 とても、とても


 ――――多分。


「あ、そうだ夕。お前に手紙を預かってるぞ」

「え……?」







『―――逃がさないから――――』








「怖いよぉおおおおおおおおおおおおお!」


「愛されてるなぁ」


「どういう反応ですかパパぁああああああああああああ!?」


 ――――逃げていても追いかけてくるような奴だ。

 恐らく妹共々、俺の前に姿を現すのだろうか。

 頼む。

 引越したというのなら、遠い地で誰かあの姉妹、家族を止めてくれ。

 なぜ引っ越ししたのかはわからないし、なぜ俺の前から居なくなったのかもわからないし知りたくもないんだ。

 ただもう十年だ。

 五年間、俺はあいつに掴まらないように、おとなしくしてきた。

 五年、俺はもう充分に罰を受けたのではないだろうか。


 欲しい。


 ただ望むのは、今と言う平穏。

 神様、あなたが存在しているというのなら、どうかアレから俺を救ってください。

 幸せな暮らしをください!


「いや無理やろ」


 見捨てんといてぇええええ!


まぁ推敲なしで適当に。書き溜めあるんでしばらくしたらまたあげます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ