兄(父)を捜して…
セレウスから消えた寛樹を捜すために、娘のはるかと義妹のティオはセレウスを出ることにした。
「いいね?ティオちゃん」
はるかが真剣な表情をしてティオに聞く
「うん…お兄ちゃんを捜しに」
ティオの真剣に返す
時刻は夜10時ごろ、はるかとティオは部屋でいろいろと荷物をまとめていた
なぜ、そうなったのかは、前の話になる(過去の話を読んでください)
二人はこっそりと部屋から出て、城の出口を目指す
途中、数人の兵士に見つかりかけたがなんとかやりすごした。
今に思えば…はるかのデバイスであるレンのインビジブルを使えば早い話だが二人は気づいていない
こっそりと城の外に出れたはいいが…
「ねぇ。はるかちゃん」
ティオが話しかけて来た
「何?ティオちゃん」
「捜すにしてもどこを?どうやって?」
「実は、レンが頑張って姉妹機のリンの位置を特定したの。そこに向かうんだよ」
「そうなんだ。よく位置が特定できたね」
「パパからのメールがあったでしょ?あれを、なんとかして逆探知したの。結果を出すのにかなり時間かかったけどなんとかね」
その晩は、暑くもなく寒くもないすごしやすい夜だった
月が出ていて明るく、魔法の明かりで城下はけっこう明るかった
二人は、城下町から出て国からでた。そこからは、ティオがはるかにつかまって空を飛んで移動することにしていた
一方…
「はるかか…まさか、あのメールを逆探知するとはな…」
寛樹がリンのメンテをしながら呟いた
「はるかって、お兄ちゃんの未来の子供でしょ?」
ミストがメンテしている寛樹の横に座る
「あぁ、さすが俺の娘ってところか」
「どうなさいますか?私の力でこの小屋は目視出来ないようにしてますが」
「…いいさ、ここまでたどり着いたら入れてやれ」
「かしこまりました」
ラナが一礼して厨房にコーヒーを取りに戻る
「どんな子だろう~会うのが楽しみだな~」
「案外、お前を気が合うかもな」
寛樹がミストの頭をくしゃくしゃとなでる
「~♪」
気持ち良さそうに目をつむる
さて、寛樹を捜して城を出たはるかとティオは…
「この辺なんだけどね」
はるかが地上に降りて、地図を確認する
「でも、何もないね」
ティオも同じく地図を確認する
すると、突然何もないとこに小屋が現れた
「えっ!?何?魔法?…」
はるかが驚いているが
「魔法じゃないよ。魔力が感知できてないからね」
ティオが冷静に状況を話す
すると小屋の中から、1人のメイドがでて来た
とっさに武器を構えるはるかとティオ
「お待ちしておりました。はるか様にティオ様ですね?」
メイドは武器を構える二人に微笑み話し出す
「うん。そうだけど、あなたは?」
はるかとティオが武装を解除してメイドに聞く
「私はラナと申します。」
「ラナさん?なんで私たちのことを知ってるの?」
ティオが一番疑問に思ったことを聞く
「それについては、私の後についてきてくださればおわかりいただけますよ」
ラナが方向を変えて小屋に向けて歩き始める
「とりあえず、行こ?ティオちゃん」
はるかがティオに手を差し出す
「うん」
はるかと手をつないでラナについて行く
歩いて数分後…
「つきました。ではどうぞ」
ラナが扉を開けて二人を中に入れる
「…」
二人が入った後、再びその小屋は霧のように消えてなくなった
「今回は及第点だな。はるか」
二人は懐かしい声に耳を疑わう
「パパ(お兄ちゃん)の声!?」
二人は駆け出して、寛樹がいると思われる部屋の扉を開けた
「二人とも久しぶりだな」
そこには、懐かしい姿があった。寛樹だ
セレウスから消えて数カ月たったにも関わらず、変わっていない感じがした
「…ぐすっ…パパ~」
はるかが泣きながら寛樹の胸に飛び込む
「あいた…かった…よーー」
泣きじゃくりながらも寛樹に懸命に話す
「悪かったな。ティオな」
「お兄ちゃん…」
はるかほどではないが、ティオも涙を流していた
はるかが泣きやみ、数分後…寛樹はどうして姿を消したのかとミストとラナについて二人に話した
「そうだったんだ…パパは、記憶が」
「あぁ、今はあるけどな」
「俺はもう誰も失いたくないから、姿を消したんだが…」
「大丈夫。お兄ちゃんに二度と暴走はさせないから」
ティオが言葉で言った後に心で強く思った
「そういえば、お前達アリアには言ってきたのか?」
「ううん。言ってないよ…だってアリア様は自分でお兄ちゃんに関する記憶を封印したんだから」
「そうか…(すまないな…アリア)」
「ラナ。こいつらに部屋を、俺はしばらく1人で考えたいことがある」
「かしこまりました。では、ミスト様のお部屋でよろしかったでしょうか?」
「うん。いいよ~ベッドは3つあるからね」
4人はミストの部屋に向かった
「…なぁ、レナ…俺は…いやなんでねぇよ」
1人小さな墓石に呟く
そこに眠っているのは、寛樹の幼馴染であり許婚のレナ…
小さなお墓の周りにはレナが好きだった、レインという花が咲き乱れていた
「…俺は、化け物だ…だから、お前を壊しちっまった…」
「誰が許そうも俺は…」
その後も、寛樹はお墓の前で呟いていた
ラナがその寛樹の背中を見て呟いた
「マスター…」
しばらく、休載して申し訳ありませんでした。
作者が急用で執筆出来ない環境であったもので…
いいわけですよね。
これから、不定期の更新は変わりませんがなるべく更新していきますので、生温かい目で見守っていてください