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 すさまじい一撃でワタシ動けなくなる弾かれるから。その隙に目の前に来るのは散弾銃か、2000倍空気の圧縮。次はそうしてレーザーに……不可視のヤイバに、何をそんなに……、私は岩にめり込んで。

「そう……、そうだね、80点だよ……。だって確かに言ったかも……、お弟子くん、敵を見くびるなと――」

 迫る容赦のない最後の一撃に、ほくそ笑む。しっかりと成長しててね、口を間近にまでして接射してるね。アツい……、千切れる程に。焼き切れる程に。

 ブレスだ、接射でブレス、ドラゴンの口が間近で。


「あぁぁぁ、師匠ーーー!?」

 ジュォっ――ドァアアァァアアア!「はぁ……はぁ……、ごほ……がは――」

 そう……、歪みの中に入ってだ、それで瞬間移動できるかどうか、新しい実験ができたよ。ありがとう、お弟子くん。何か……内臓がおかしいが。

 おかし……、あァ……、ぐふ、うぅぅ―――。


「師匠、師匠……ッ!? だったら……、そうだ、もう上に行けばいいのか、計画通りとはいかないだろうけど。なんとか僕をいつか殺してくれて……」

「そう……、させない……。私の弟子くんだもの、触らせない……ッ」

 なんとか立ち上がる、血を吐き肉を吐き……白を穢し、それでも「それに私にはさっきの実験結果でね、分かった事あるから。はぁ……はぁ……!? 弟子ならば私の講義を……、師匠の言葉をしっかりと受けなさいよ――」


 師匠を無視してしまう竜の背を睨みつけ、そして生み出したのは、特大の歪みで。

 広がる、広がる。歪みは相性が良いハズだ、やはりそうなの、限界まで行けるんだ……? 眉根を上げる魔王竜、その大きさはまさかの――。

 さぁ開きなさい……。私はアナタに応じてもらおうと思うから。

 最大の力を使って呼び出すよ、頼もしい味方のハズで、切り札の――「貴様……、キサマ人間は、何を馬鹿な――。このような魔を持って我々に直接などと」


「本気ですか……アナタは愚かだ……――」「さぁ力を貸せよ、貸しなさい? 精霊王よッ」

 魔王の力をもって、魔王の仇敵たる精霊王を呼び出す。なんたる笑い話か、弟子が思わず笑ってしまう。大人はね……、卑怯なのお弟子くん。

「やぁ久しいな……、精霊王よ」「やぁ……魔の精霊王」「息子と呼べよ父よ――」

 その殺意のカタマリの邂逅。

 今まさにぶつかる空気を「ふぅ……、ふふ。フハハハハハ。だが人間、お前は勘違いをしている。我らは力を貸す訳がない」

「そう……、でも力を貸さないと、アナタが死ぬだけだもの――」

 勝てるのなら、構わないのだけれども。

 そう言うと精霊法、その最恐の律を響かせた。大破壊を唱える私、それに驚き誰もがうろたえるんだ「キ、キサマ……それはァ!? 重ね重ねこの……、外典風情がぁああああ!?」

 目の前、すぐに魔王の影が全てを滅ぼすべく、腕をクロスし歪みの極致をもってして――。


「はぁ……はぁ……、最大は、そうなんだ、そう……。でもだけどもね……? 魔王にマウント、取ってやろうじゃないの、ふっフフフ――」

 そうマウントは嫌みたい。

 白の髪を揺らす、その肉が弾け飛びそうな空気の中でも唯一輝く、その師匠たる美少女は優雅に構え。

「全て全て、私が貫くから――」

「はぁ……はぁ……、正気じゃない。駄目だ逃げて……、これはアナタが死ぬ以上になるんだ壊れてしまう――」

 その強大なる魔法。

 魔王が持ち込みしルールの刃は凶悪で、強靭で。世界を完全に歪ませる程の奔流だ。精霊王なる存在が慌てふためいている、だが彼らが生き残る方法はたった一つで、いや……、恐らくは……。


「でもだけどアナタが死んでしまったら意味がないよっ、これは世界の為なんだ、僕は破裂しそうなのを抑えてきたんだぞ……っ。あぁぁァ!?せっかくの魔王への道がァアアア――」「そう……、でも、受け止めてあげる――」

 弟子と師匠の、真剣勝負。命を懸けた最後の一撃。

 思いっきりその巫女の剣へと向け、詠唱を行う私、師匠。一方で本気で本当の、無かった事にする強烈な一撃を穿つその魔王様へと。

 その目の前の小さな人間、それは魔の法と精霊のルールと人を、そうしてその弟子たちと共に育てて来たスキル全てを以てして。師匠の法を。

「集大成だね。行くから………」


 さぁ、弟子を生かすぞ―――。


 全ての光よ、照覧あれ―――。

 破壊がもたらすのは秩序にあらず、滅びが求めるは混沌にあらず。もたらしたる光に落ちる影、そこにある未来よ、過去よ、引き裂かれし現よ。

 一切を消せ―――――。根底たるものを晒せ、お前を見ている―――私はゼッタイなる……――。

 浮き上がる文字に身を委ねる。積みあがる積みあがる、それは――。

「それは駄目だ……っ、僕はアナタだけで良いんだ、もう希望よ……、これ以上は奪わないでェ――!?」

「そう……、お弟子くん。全てを賭けようか。私はアナタを生かす事だけを考えてる、世界なんか知らないから――」


 そうして両者、放たれる1撃。


 だが明らかに劣勢だ。そう、あり得ない――。


「何故だ……、何故貫く。そんな事ある訳ないのに――」「それはね、師匠だから」

 それ以外があるのかと、魔王よ―――。

 その力の全てに、押し返されている、波動が、波動が世界を覆す「そう……っ、私にマウントを取らせれる、そんな状態にしたのが運の尽きなんだよ――」

 突っ切って来る、師匠が発火した、耐えきれない。

 バカが――人間が、その力をキサマ、未来まで、ァ―――ァァァあああああああ。

「はぁ……はぁ……、ハァ……――――――――――!?」

 あぁぁ―――ししょ……――――――。

 それが貫いた。かの魔王竜をそのまま飲み込み――!

 ビシャァアアアアアア――――――「うぐ……、ぐぅうう!!?」「な、なんだ―――――!? 地面から一体なんなんだ」

 うぎゃあああああああ――――――!?


 噴き上がり、貫いていく閃光に誰もが目を見開く。地面すら浮き、その破壊は誰も止められない。立っていられない、だって恐ろしいから、だって綺麗だから。だって――だから。

 精霊律、誰も見た事もない力、この星の本流。


「こんなの……、あの男と―――」


 誰もが困惑している。穿つ、穿つ、世界を穿ち続ける。だが……、

 そのまま晴れて行き。エネルギーも消えて。

 あぁ……、、、まさかやった……? やったんだよ。俺ら勝った、人類の敵に勝ったんだ――。


 魔王は消えた。






 太陽が、昇っているらしいね。

 そうじゃないかな。


 でもそのまま闇の中で、亀裂のような光は、それは遠く懐かしい気がする匂い。残されたる世界ではもう――。

「そう……、私は君を、弟子にしようと思うの……」

 憂鬱に起きたんだ、でも自信の目で。そうしてそのかき消されて塵と化した存在に、私は話しかける。塵を持って握ってやる、優しく……強く。

「そう……、言っておくけれど私、アナタを勇者にして、そしてマウント取るのを諦めないよ?」

 奪い返すから。


 はい――。僕は貴方を勇者にする事を諦めない。


 私は魔王の分身を。その影武者の男の子を勇者にする事に決めた。王都にはまだかかるだろうな……、色々と面倒な気がするし、頭が痛いから。

「でも一人だけ奥義を持つのはズルいぞ、ソレもう禁止だからね――」

 見えて来たスキルに頭を抱える。恐らく私がそれを継承する事はないだろう、だから……。


「そう……、もし自慢するなら勝ててもチュウは本気でしないようにするから――」

 泣いた彼を抱きしめた。


 それは継承のストーリー。

 いつか誰かが勇者を生み出す、そんな物語。




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