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「そ、そう……――。どうやらね、今度は私を狙うようなの、良い度胸かしら」「あぁでも大丈夫ですよ、さっ……。さっさと行きましょうよ、行こう行こう……っ!」

「あぁ……うん。そうかな? そう――」

 何も考えずに先へと進む彼。


 だが相当削られていて。実は最初は400いた兵たちも既に120を切っているし。新たに配属はされてくるが、それでも追いつかない。実際もう500人は消えてるのだ。

 だからなんとか早々に突破せねばならないけれど、その奥深き迷宮は果てが感じられない。私は本当に……。


「そう……、次から次へ。なんだろうね、あの魚の化物は、また新種かしら……」

「まぁボクのね、この今の僕とアナタの敵じゃないですよ、ほら――」

 一緒に、と差し出して来る。その手になんとも言えない気持ち、そうして私は止まって首を振るのだ。弟子へと。

 だがその時……「マズイ……、まずい来たぞ。お前たち構えろォ――」

 私よりも先に叫んだアサシン。驚く。少し遅れてだが確かに感じて、そのあまりにもな数の気配。すぐに目視にも――。


「あぁ溢れ出てくる……、多いよ……、多い多い……っ、なんてこった」「あぁあぁアア――。どうしろって言うんだよーー!?」

 その大量の魔物たちが、通路から湧き出て来るから、私がそこに即唱魔法をぶちかまして、逃げて。アサシンの一人が爆弾を投げる!


「なんだよ、多すぎるんだよコレぇえ――」必死に逃げるしかない、数の暴力以前に物理で押しつぶされる。私も必死に無詠唱でぶっぱするが、「師匠ヤメて下さいっ……、それを使ってはならない――」「何を……っ、何言ってるのお弟子くん!?」

 邪魔をして、それで助けようとした仲間が飲み込まれてしまって。それでも彼に睨まれて……私は憤りと共に少しの恐れを。だが無視したの。このままでは相手が引いてくれないし、その波は既に何人かを跡かたもなく消した。


「多分……っ、これは間に合わない。もうどこでも良いでしょう、どこでも――」

 そう言うと何人かで手ごろな部屋へと入る、複数分かれ。

 バタン!その引き戸に無理やり燭台を突っ込んでやる。氷と大地の律を重ねておいたの。


「そう……っ、ここで籠城しながらね、なんとか減らすしかないかもしれない。はぁ……はぁ……いつまで持つか分からないけれど――」

「本気かよぉ、まじかぁぁ……」だがコチラにはそこそこの人間が残ったか。騎士団長がいるのも幸いだろうね、ただやはり他の分岐したのが気になるし、戦力の喪失だけは避けたいだろう顔。

 4つ位に分かれたはずで、悩んで……。


「よし、とりあえずだが、あとの後発部隊に任せるしかないだろうな。むしろそのまま真っ直ぐ行ってみようじゃないか、急いだほうが良いだろう」

 うん、後ろでは叩く嫌な音がするよね……。

 挟まれないとも限らない。ひたすらに部屋を開けて退路を、そうして最悪は挟み撃ちとなる先の進路も、そこを確認していくしかないとだ。

 ひたすらダッシュ……部屋を開ける、目を切る。ダッシュで――。


「はぁ……はぁ……、そう、帰れないというのもかなり辛いか……」「いいえ、むしろボクはこのまま早く、この先へと行きたいです、強くなれるんだよ」

「キミは……何を? そう、先程からお弟子くんは少し身勝手過ぎるね、私の魔法を止めた。何故かな――?」


「ただただ綺麗なアナタでいて欲しいんだ、それだけです。そうして師匠を僕の物にしたい――」

 突然手を引いた少年、思った以上に強い力で私を。「な、何をキミは……――」「でも勝てればキス……、してくれるんですよね? 僕の物になって、師匠は……」

 すると思った以上に本気の目で迫って来るから、気持ち悪い、なんとなく顔つきがもう変わってた、知ってたけれど、怖かったから、少年とは言えないその……「いや……っ、ヤメなさいっ……。でも私はそういうのは、だってそう……はぁ……はぁ……!? お弟子だから――」

「でもあの男なら……っ、僕は見てましたから、あのクソ男なら良いんですか師匠っ、せっかく強くなったのに何を……師匠!? これもアナタの為だ、僕は勝てます、絶対に今なら勝てるんだ!」


 その剣を見せてくる、ゾクリとした、初めての感覚。腕を抜けようとするが、押し付けてくるの。「そう……、ふぅ……ふぅ……、だけれどもね……、あの……。あの、君が望む本気は、無理かなって、今のお弟子くんじゃ――」

 その言葉に眉根を上げたんだ、その眼を正視する事は怖くて。自分でも何を言っているかは――「私は、前のままで良かったよ……悪いのだけれど、私、私は――」

 そのまま腕を弾くから。そのまま進んで行く、一刻を争った。


 扉を開け、すると突然開けた場所にでたのだ。何か戦士たちが塊になっている、並んでいるから近寄って。


 でも……、だけども、もしその時きちんと向き合えてたならば、あんな事には。


 オゥ、来たかよ……。その言葉にうなずくから、そして肩越しに見えたのはバケモノの群れで――。

「よし……、ではそろそろ揃ったろうな。恐らくは一大決戦となるだろう、兵は十分であるし……」

 苦笑いだ。目の前ではフラフラとしている何かの生き物達。そこにひと際バカでかい獣がいてアレは恐らくは合成獣だろう、キメラだ。ただ問題はそいつは1体なのか、まだ引き出せるのか。そうして大きなのが最強とは――。


「だが見る感じは総力戦と言った所かよ……、やっと陽の光に帰れるか」「あぁ……、さすがに道中から戦いまくって来たからな、はぁ……はぁ……でももし違うってんなら――」

―――――――。

 こちらは約80。相手はそれより多いだろうけど、恐らく小粒だと、そう思いたい。後ろがないから、もうないんだ――。


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