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「いえ……、良いんです師匠、僕はコイツくらい倒して見せるんだっ!」

 すると自信の顔で、あの光の一撃だ、何気に彼は頻度を上げていた、もう精度も――「あぁ、なんだ……? この男の動きは――」「ふひっひぃ~、やっぱ動きは素人に近いなぁ?」

 光が刺さる前、腹に突き刺さったような感触が。その攻撃の仕方は初めて見せるのか、さすがにアサシンと呼ばれるだけはあるんだ。見えないカメレオンのようなムチがあって、それが光のない横から同色化して襲ってくるんだ、更に顔面を蹴り飛ばされた。そこに直接の爆撃で頭を吹っ飛ばされて僕は――。


「いや、なんだ。おかしいぞ――」その奇妙な連撃を、でも全く無視してしまうから「それ……、ねぇ?精霊律だね……? じゃあ僕には効かないかなって、ふフフ」

「な、なんだよコイツ、どうした、がはァ――!?」

 どう処理したのか分からない。ただどうやらあの光の力が関係あるらしいとは。腹部に鈍痛、そのまま一撃で、腕にもかなりの斬撃を!


「あぐぅぅ!? あ、あ、分かったって……、分かった……っ。いやもうゼッタイしないって、やめようぜ!」

 押され返してる。ただ問題は、本当に押されてるかどうかは全く見分けがつかない事。悪行が過ぎた、誰もが薄ら笑っている。


 バカな――、あのラドライナーがですか。


 だが弟子のその一撃に青筋を立て動揺して。問題はビリケンで、明らかに想定外の頑丈で――。


「貫く――のか。おっ……、オィ、もう止めてくれよ、お前ら止めろ……っ。あぁぁ死んじまうだろォ、こいつマジ過ぎんだってぇエ!?」

 だがラドライナーが焦って振り向けば。その仲間たちの異様なほど白々しい顔に、一つ、腹に恐怖という寒気が広がり。

 その手が震えていた。


「はぁ……はぁ……、悪いな。もう僕は強くなれるんだよ……、悪を倒す為なら強くなれるんだよ、見誤ったみたいだ――」

 どんどんとそのスキルが力を放つ、高揚するのだ、弟子は既に感じていたから「さぁ僕の前での愚行を詫びろ。何せ私はその権利を有するのだから――ッ」

 無用なる程に光り輝く力。全開の彼の力は信じられないほどまで到達していた。

 特殊なナイフを斬撃でへし折る、吹き飛ばした。そして弟子が空に発した極大なる光が弾丸になってラドライナ―と彼自身へと降りそそぐ、貫通させる。血を吐く。そして弟子くんだけは強い、師匠たる私でも恐れるオーラをまといて……。


「さぁ断罪だ、ラドライナーよ、喰らえよ……っ。もう手加減しないで良いんだ、僕が彼女を守り通すんだ、光ヨっ―――――!」

 突っ込んでいく、仕留めたろうね。

 その強くなっていく少年に恐ろしさと、そうして師匠としての責務としての祝福。それを思うけれど。


「ガハァアア!?」最後は血を噴き出して激突。そして……? そう……、その煙の中から黒の陰影が飛んで更に剣が――。


「あぁ……――、殺して……。何故そこまで」お弟子くん―――?

「え? はぁ……、はぁ……、僕はただ、魔を使って人心を惑わす、大いなる愚か者を処しただけですよ?」

 その足の下では未だ息を求めて……。生を必死にかき集めようとする男を見やる。突き刺す。えぐる。「あぁ……、いや。そうだけども、殺す程の事だろうか、それは……でも」

「だけど性格悪いでしょう、コイツ。しょうがないんです」「いやまぁ、アイツが悪いわな。自業自得だよ」「ラドライナーなら仕方ないです――。それ以上でも以下でもない」

 仲間達すらも見限るのか――。


「師匠……、僕は悪は見逃さないんだ、だって僕は正義の為に強くなってるんですから。さぁ、正義へ喝采を」ふふ……。

 ふふフ。

 血をはらう、笑う弟子。空気が軽くなる、その場の全員が納得して解き放たれた顔で。

 その時ふと私は彼の能力が上がった事に気づいていて。

 いつからかな……。


 誰もがその強きものへと称賛を送る中、その死体になった者を見やる私は。なんとなくだけれど、この状況ではなければ死んでいなかったのではないかと、そう思えて不憫に思った。




「アラマスタ……、アラマスタぁぁ……」その浮遊するような言葉に唇を噛む。

 しつこく上からツバを吐いてくるような、少し圧が上がった気もするとも。

「100発100中……。いやだが、もうだいぶ減ったからなぁ」「あぁだからこそコイツの真価だよ、かなりの実力者だぜぇ……、今度の相手はなぁ」

 中核に値する男。だが結構な実力者とは言え、さすがにこれは厳し……「ぎゃっ――」

 どさり―――。重い鎧と共に肉体が転がる。あっさりと死んだ。

 そしてそれを撃ち放った化け物が部屋の中で待ち構えており……。


「そう……、本気かな……、はぁ……はぁ……、レベル25だ、アレがどんな化け物で――」

 目の前にいたのはデーモン。突然現れていた、ただそれを迎撃するのも――。

「うぉおおおおおお!」

「グぬぅ……、おぉぉォ……このチカラやはり――」

 お弟子くんが見事に剣で切り裂く。その姿は正に勇気を持った戦士だ、速攻でそのデーモン相手に突っ込んでいくの。

「良い、私も行くから!」2人でなんとか左右から攻め込む。デーモンなんて上位種で、それでも今の弟子くんには丁度なのかもしれないと私も。

 だってその魔族とまではっきり言えるまでに至った化け物が雷撃を放つが。


「そう……、あの子はすさまじい強さで」

 全身全霊で、死ぬ気でかかった私と同じ位かもしれない。今は。笑っている、その弟子は笑っていた。

「ふぅ~~、なんとか倒せた~。良かったぁ~~」

 軽い声を上げて、その剣を華麗に回転させて収納する。もはや大人たちがゴマをする程、13才とは思えない力で。

 傷はあるが、そのすがすがしい顔の弟子は。その後も戦い続いて彼の力は覚醒を続け、もはや疑いようのない物になってくから。

「そう……、でも気をつけるべきだから、お弟子くん? 君はまだまだひよっこなんだよ、だってキミはまだ――」

 まだそう……、あれ、レベルが変わってないの……?

 ふとおかしい事に気づく。レベルはまだしも、彼は何一つステータスが変わってない事をやっと。


「うんそう、でももう大丈夫です、師匠は大丈夫なんですよ。そんな助言は必要のないんだよ、この力があればもう良いんだって――」

「えと、それは……、そう。私は必要がないって事、弟子はヤメると言うの?」

「いいえ? 僕とは一緒って事ですよ。アナタはもう……ただの一人の女性だもの――」

 その言葉に、自分でも分からない内に顔が歪む。


 そしてふと、聞こえたのは、私の名前。


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