表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/79

68

「いや……、うぅぅ、そう。確かにココまでなんて、はぁ……はぁ……むしろ性質が悪いか……っ。何せレア能力を持っていると確定してる死体だから、でもコイツは一体何をもってビームなんか……っ」

 ぐぅうう!?

 ゾンビと言うなかれ。それは精霊法も人法も魔法も、あまつさえ特殊能力まで使って来るミミック。悪夢化したニンゲン。無毛、無髪。真っ黒な目と充血して血柱いっぱいの白目、恐怖ですくみそう。


「あぁ、狙ってくる……。僕にこんな事して……」

 その手を見て震える、震える「僕にそんな……、はぁ……はぁ……殺してやるぞ殺す―――」

 その時、彼が一歩、大胆に前に斬り込んだ。驚いたが今まで以上に鋭いのだ。

「そう……お弟子くん? それならば私も――」

 交戦に入った弟子は、その表情豊かなミミックゾンビに勇ましく剣を振っている。だがなんとなく様子が気になるから。即座に精霊律を携えてく私。かの者も一応は人間規格なのだから風の法が良いハズ。そのまま放射、結構やはり効いているの、だけれど――。


「そう……、なんだろう? コイツの能力は。何かが重くなるような――」うぐぅ!?

 自分の体が妙に重くて。その、見据えて来る生き物、唸り声をあげて牙を剥きだす人間には嫌な感じがするし。そうして超絶早く動いた気がした。


「ぬっ――」攻撃は長い爪だけだが妙に力が強くて鋭い。それを迎撃、ふわっと浮いた、突然ふわっと私「くぅう!? なんなの……、飛ばされて。重力を操ってるとでも――」

 だとすれば強烈過ぎる、重力なんてかなりの上級精霊法。

 だが当然とばかりに浮いたそこに襲い来る白の人体。突き上げをなんとかガード、しかし無重力だ、当たっただけで弾かれて天に激突。

 そこに追いかけてくるもう一撃が、なんとか私は受けきる。天井で擦られながら見合う、異様な黒目だけがギョロギョロとするのと私で、剣に阻まれた世界。

 睨みあっていて。


 もう片方の爪の用意、だがそこに弟子が一撃。

 避けるミミックは、「あぁなんだよ……、重力を操れる力があるなんて、どこにそんなものを、クソ……。早く消さないとなのにぃぃ」

 その手に刻まれた物を擦っている。気持ち悪いのだろうか、何度も何度も。その隙に猿のようにミミックが後ろから斬りかかって……!「素早い、そして……足が突然動かなくなるんだよ、なんでだ……っ」

 不可視に足を取られ、つんのめってしまう弟子、そこへ守る炎を一射!「そう……、そこまでなんだ――。精霊法も歪めるから……、全部全部に干渉できるのかしらね?」

 さすがは人体自体がレアと鑑定されたバケモノ。せっかくばら撒いた炎、だがしかし中空で押さえつけられて細い横線になるよう凝縮され、あっさりと棒高跳びで避けられるの。


 その上からも下からも押さえつけられる動きに、なんとなくだが……感覚がつかめる気がした。良く分からないが想像でソレが起こる可能性を感じた事があるから。


「そう……、分かった、じゃあこれならどう――」

 未だ襲われる弟子くんを、即座に大きな岩を召喚し投げつける私。それはだが反転重力で飛ばされ、明後日に飛んで。だが更に更に魔で即唱した力を持ってして床を思いっきり隆起させ――!

「そう……、来るべきは飛ばしだろうけども、でもこの速度の一発はキミじゃ――」「きひぃ――!?」驚く様子、するとビームが来た。

 放射するエネルギーで隆起が割られ、そのまま床が吹き飛ぶとまでは言わないが、カチ割るように飛んだ。だがその隙に一撃を。

「そう……読んでたから、さぁ、これはどう――」

 師匠が剣を投げつけてやる、すると驚き直ぐに飛びのいて。だが腕を引き裂きかなりの裂傷を受けるのだ、血が舞った……剣の動きが制限されない。白の肉体がバウンドする。

 痛みに奴の口のナカから光が漏れ、世界に拡散し。


「あぁまさか、そう……、やはり歯かな? あの歯ぎしりのようなのね」

 その言葉に弟子が眉根を上げるが、歯だ、恐らくはあの歯が特殊なのだと私は指差して、「多分だけれど、あの歯にかかっている重圧、それをかけれるんじゃないかなって……。相手や周囲に拡散、だから時折飛ばされてしまう――」

 ヤツは歯を必死にずっと歯ぎしりしてたのに、高速で近づいた瞬間に大口を開けた、その瞬間ふわっと浮いて、そうだ……、コイツ多分口のナカに対応しているんだ。

 なんと面倒くさい――。


「じゃあ師匠、あのビームってなんですか、あぁ多分まさか……あれ――」

 その目の前でミミックが叫ぶ気配。だが声が聞こえないのだ、そのエネルギーは全て――「うぃい!? そう……振動なのお弟子くん。強烈で激烈な声でね、あの歯に振動を与えてる……っ」

 なんとかカウンターしようとするが、傷でヨタヨタしていて発射口が見えにくい、非常に怖い。歯が特殊なだけで強い奴が世の中にはいる、なんとなくファンタジーで面白いかな。ただ地面に意味不明な力で押さえつけられ、やがて中空で噛み殺されそうでなければ だが。

 上からも下からも圧がかかる、それは確かに捕食で「これ……しかも、見えてない後ろにも影響してるんですね、周り全てが対象と思うべきで」

 逃げながらなんとかガントレットで打ち出しているが、全く無駄。


「そうだね……、そう。周囲の大体6メートルは、あぁうん……人を縦に4人分くらいかな? でも多分だけど、」効きが違う気がするなー。

 その言葉にうなずく。すぐに私達は後ろに飛び、そして師匠が飛び込むのだ。少々の負荷を気にせずに一閃して走り抜けた。

 その直後に絶妙に、同じ動きで更に弟子くんが突っ込んでいく!


「ぎぎぃ!? ぎぃぃ――」「そう……、モンスターだし、2対1でのアドバンテージも良いはず、悪いけどもね」

 やっぱり弟子の剣がかすった。確かに効いている、相手の効果範囲の外から一気に行けば、ほぼほぼ貫通できる気配。

 師匠が再度行く、だがそれを反転重力で吹き飛ばして無効化、だが弟子が更に斬り込んで。無重力化2連はやれそうにないから、更に更に重ねて剣を――!


「ぐぎゃああああ!? あぁ……あぁぁ……、死ね――」「なんだコレ……、こいつ歯に何をして……、更に何か師匠……っ!?」

 剣とかち合う間に何か地面から湧いて来ている、ドンドンと。多分奥歯なのだろう、チカラあるのは。必死に舐め回して来ている姿。

 その度に粘ついた感触……、そうしていつの間にか糸に絡まれていて――「そう……、本当のミミックという感じかしらね……? 少しばかりの唾液、捕食、これは嫌悪しか出ない……」

 うぐぅう!?

 遠隔捕食、足元から無限のように湧いて来るネバりに唇を噛む、更に糸引く感じで重くなったし滑りそうだし。

 でも中央のミミックを撃つには、この粘りを超え、更にこの全てにおいて自在の重力を超えていかねばならない。だけどその目線を読めば。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ