56
それを足掛かりにそのまま剣を持って戦いにでるけれど、遠目で見てたその最強たる岩スケルトンがかなり強かった。
体長約2メートル、体のあちこちに色々なホネを吸収しまくっている巨体。
第3層で中級でも上位の実力があると、炎をぶっ放して……。
「うぁぁ!? う……、こいつらって本当に、自然体で無茶しますよね……っ。さすがは魔石を取り込んだ化け物で――」
そいつはゴーレムと違い本当にカルシウムなんだ、骨がいつの間にか人を殺すようになっていたって。体のアチコチから寄生して寄り集まった骨が次々と襲って来る、魔石がある所からは精霊法まで飛んでくるし。腕がいっぱいでもうなんか――。
「ちぃい!? 人手が足りねえわ、いくらなんでもよぉ。オィお前らぁあ、早く来いよーーっ!」
そのシグナの言葉に戸惑っている。だが実際、今一番死にやすいのは彼らだ、もう見限ると言ってあるし、囲まれた時にあの2人が機能するとは全く思えないよ。
「あぁ……、クソ、それでなんで僕のビリ剣も効かないんだ、だからなんで――!?」
その大きな一刀にぶっ飛ばされるけど、なんでか相手の方が欠けていて。刃渡り1メートル50を片手でぶん回す岩スケルトンが。
その間にもオッサン達が小さいのと戦っているが、なかなか起死回生を見込めない。シグナがなんとか早いので助かるけど――。
「はぁ……はぁ……、じゃあよぉ、もう向こう岸だけでも処理して行こうぜ、こっちも川を使おうか、それならなんとかなるだろぜ――」「いえ、駄目ですよ、むしろ前に行きましょう! ここで退路に行けば誰かが欠けてしまう、全員で突破すべきに見えますから――」
「オマエ、それで前行っても時間稼ぎにしかならねえじゃねえかよ、馬鹿か、引き返すぞ、一か八かしかねえヨ――ッ」
「そうだ……、一か八かで前だぜ、若いの。今はソレで良い!」うらぁあああア!「そうです、無理を通しますよ、冷静になるべきだ。だってアナタ達にそんな泥にまみれたような、もう削れるような戦いが……そんなのできるわけがないでしょ――?」
――。
―――――――。
「オゥ、そうか。まぁな――。よく見てんじゃねえかよ、ガキが」
ぺっ……。
そう言うと一人、前に出る弟子。震えている……。シグナもだ。
そうして傷ついた人も、その足が折れても剣を取っているんだ。なんとかココで前を掃除しなければ必ず死人が出るという経験則。
吐き捨て、全く効かない剣を捨て、更なるスピードアップの為のナイフとするシグナは「でもテメェ、そこまで戦いたいんかよ、何を目指してんだ……っ」
「はぁ……はぁ……、むしろココで強くなるって……、そう思ってます。勝てるのに逃げてたんじゃいつまで経っても強くなれないから――」
うなずく。そのままひたすらに前進、中級でもイケるという判断は間違ってはいなかった、少しずつでも建て直せば勝てるのだ。一人囮になるなら、二人でやると。そうしてカイルが駆け付ける、泥川の前に魔物が溢れ切る前に来れた。
川を渡ろうとする魔物をなぎ倒して、必死に渡って必死に剣を振って、なんとか参戦、まぁその動きは、弟子よりかは少し上と言った形かと。
「なんとか崩せるか……っ、もう全員で全方位だぞ――」
前衛3人が揃い、そしてオッサン2人、死にそうな顔の1人、死人も1。負傷者を囲んでの闘舞を踊る、誰も手を抜けない。抜かれたら終わりの戦いを。
「なんとか僕が持つ間に、はぁ……はぁ……、周りのザコをお願いします!」
「あぁ分かってんぜ、おぃ聞いたか、しっかりしろぉ!」
「そうだ、かなりお前回復したろうが、ポーション集中したろう!」
おぼぉォ……―っ、そんな事言われても、あれ誰が作ったんだ、鼻が潰れる――目も、うぷ――。
「さぁやばいぞ……、もう渡り始めてるんだ。奴らそのまま川を来てるんだ――」
いよいよ前を安定させないとまずい、渡りきって挟み撃ちを受けたらもう終わりだ。耐えきれない「あぁ……もう、ちょっとぉ、もう一回だけだからネェ――!?」
上から精霊法師が炎をぶっぱ! かなり強烈だが、浮遊種がナナイの方へと向かってしまう。逃げるしかない、ギリギリだろう。
最後にもう一発を! その川の中で体勢の崩れた場所に素早くシグナが斬りかかる。だがそうなると素早さ不足か、残った弟子に専属ターゲットしてくる岩スケルトンが問題で――。
「アッ……、うぅぅ!? 若いの、ヤツの突進は任せろ、盾はある! ただ――、なんとかダメージ出さねえともう無理だぜぇ……?」
ぶっ飛んでいくシールドタンク、その隙に弟子も一撃するがカッタイ、「じゃあ俺が行こう――、ここで100点を出すぞ、でやぁああ!」
だがあのカイルにも硬い感触、それは絶対に1人では無理だと悟る、やはりタイミングがずれると駄目だ、「じゃあ2人でっ……。僕も行きます、僕もなんとかァ――」
全力で羅生撃を用い炎を駆って、二人がかりで必死に戦う。その攻撃力ならシーソーできる程度ではあったが、ただ、そいつはかなりの手数なのだ。遠近ともに非常に強く面倒臭い!
「あぁぁ……、こんな死ぬほど攻撃してくる奴は初めてです、なんだ……っ、なんだよ、攻撃の波、うぶ、うぅぅ!?」「これでは必ず1殺取られるのではないのか……、はぁ……はぁ……、ダメージ無視とは――」
穴という穴から精霊法、しかも痛みの概念が全くないのでひるまない。もう無茶苦茶だ、死者は所詮死者なんだよ、寝てて――。
「おぃお前……小さいのっ、いくら何でもこれ以上は危ねぇえ!?」
剣が来る剣が来るケンが来る、そうは言ったってですよ、ぐぅ……うぅぅ。
持たなきゃ全員が死ぬんだと。僕がこれを斬れれば良いけれど、駄目なんだ。
そうして地獄のホネ回転、炎と土のヤイバが現れて殺人コマは切り裂いて。なんとか逃げたいよ、逃げたいけど――「ウォオオオオオオ、体の学・大地激震!」
そのまま地面を崩して、僕は奴を閉じ込め――あが……、あぁぁ!? 師匠、ごめんなさい。
ぶっ飛んで膝を折る。この傷はだが確かに半分は消えたんだ、恐らく彼女には今壮絶なる奇襲があったはずであると――。
「ぐぅう!? でもなんとかだ……、とにかく減らしてぇェ――」
申し訳ない気持ちでいっぱいだが、足を震わせ、チャンスを拾うべく戦う。そのポーションを一気飲みしたんだ。
「よし……、でもじわじわと来てるからよぉ……はぁ……はぁ……良い感じだ、イケる――!」
汗だくシグナ。でもなんとか前は消していってる。このままならイケる。逃げ切れる。そう思っていたが……。
剣がふいに突き刺さり。




