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「あぁ、はい。5日間もありがとうございました」「いやでも、どうだろうな~、本当は3日って言っててこれだろう? もしかしたら師匠もヤメちまうんじゃね? そーんなヤツいっぱい知ってるわ俺~」

 なぁ?

 へへへ――。

 その言葉に静かなリーダーと、あまり興味のない精霊法師。手を振って気にしなくて良いと。

 まぁこのまま抜けれてありがたいとも思えるが、少し納得がいかない事も。

 そうして何よりも久しぶりにヒトを思い知った気もするしって。


「じゃあさぁ~、別れの挨拶って感じでちょっくらさぁ、あのハードモードの方行かねえか?」

「え、いや……あの、無理して貰わなくて良いですよ、僕」

「あぁ、いやいや、ハードっつても安全なんだよな~。仲間内でも余裕よ、余裕、ナァ?」


 だが何か妙な感触だったんだ。弟子は何度か土を触って視脳の学で確かめるが、それ以上に嫌な気配がする。一応歩いては行くけど。

 そこはまぁキツイ登りの先に更に魔物がいる仕様で、確かに意地悪だったが。そこにいたモンスターを倒し宝箱を開けたら――。


「あぁ……、アレ。あれはなんでしょう、人がいるんじゃ――」

 僕が指差す先、一段下層の川がへだてる更に向こう、冒険者の一団がいる。かなりの数がいるけどもその大半が動けてないんじゃって。

 目を凝らす、8人でたった4人しか、いや……今3人になったんだ、でも動いていない……。モンスター達と戦っていても……。


「おぃマジかよ……っ。あれ崩落かよ、なんか地形変わってね……」「マズイな。恐らく川の堰き止めを砕いてる、橋も退路も塞がれたのか。助けに行くのだって厳しいぞ……」

 下を見やる男達は。今すぐそこから飛び降りて行けなくもないが。ただ問題は、下りた後にどうやって帰るかで。初心者用だけあってこの地区なら安全、だが一度行けば間違いなく中級の中へと……。

「いえ、止めましょう、ここは僕らじゃ恐らく勝てないんだ……」

「だがこのままだと8人も死ぬぞ……っ、見捨てる訳にはいかないだろう! 俺達はこの街のギルドの繋がりがある!」「あぁ……そうだなカイル、いや―――――。ただでもマズいってのは……。落ちたら帰るのにかなりかかるぞ、俺らまだ初心者なんだぞっ……」


「そ、そうだよねぇ、逃げた方が良いよぉ、逃げようよカイルぅ!?」

 だが真っ先に剣を抜くは弟子であったんだ、「いえ、だからこそですよ、助けますよ!」それに意味が分からないと……、だが弟子がもう進もうとするのだ、躊躇もなく。

「でもその前に。命を救えるのは命だけだと……、はぁ……はぁ……、助けるっていうのは命と命を引き換えるんなんだと、そうして僕らはその為の冒険者なんだ、それを分かって下さいね」

 真剣な言葉に眉根を上げる。13歳、雰囲気が変わった、すると向き直るのだ、その男へと。


「だから良い加減アナタは働いて下さい……っ。口先だけじゃ駄目だ、間合いなんてどうでも良いよっ、飛び込まなきゃ勝ちは拾えないんだ! アナタは剣の道を語って良いレベルにない――ッ」

 ソレが後ろにいられるのが怖かったんだ、ずっとずっとソレが引っかかっていたんだ。剣の話なんてどうでも良い、それがパーティーにおいてなら尚更。大物だけを狙われても困るし削るための前座なんて不必要だよ。

 中核というよりももうソレを守らねばならないのでどうしても行動範囲が狭くなって、不利な状況になってた原因。

 そうして、「精霊法師のアナタはしっかりと見てよ……っ、窮地に陥りやすい働き者を見ないと駄目だ! 好意なんてどうでも良い、ここは戦場なんだぞっ……1番後ろは1番広く見ててもらわないと困る――!」


 そのパズルがはまってないパーティーに僕は言葉を残し、そのまま飛び込んでいくから。先に行ってます。そう言い激烈に渋顔でポーションを含むと、息を飲んで飛び降り奥へと行く。


 白い霧を吐く――目がキマッた。


 僕は泥水が遮り腰まで来てしまうのを渡っていく。だがやはり如何ともしがたいかなって。その剣の道うんぬんで動かないリーダーと、それしか見てないKY精霊法師、そして生半可な前衛を見て。


「アナタ達、大丈夫ですか――!?」「お前……っ!? だが気をつけろ、キツイぞ――」

 その助けの言葉にも曇った顔がほとんど晴れないんだ、このメンバーでは助けにならないと踏んでいる。帰れという言葉が出かかっていて。

 だがいつの間にか早いシグナが来ていた。目の前には大型モンスターを中核とした一団、小型が複数で総計9体も。


「はぁ……はぁ……、中央のコイツはな、これはだいぶ強いぞ、なんで3層のがいる……、まず勝てねぇんよナ――」「どうする……、どうしよう。それじゃどうするべきか、師匠なら……、やはり生き残るには……っ」

 戦いに割って入り、僕はその倒れたオッサン達を見やるが、血が激しい。足が折れてる、失神した者も複数で。

 そうして目の前の敵だけじゃないんだ、ゆっくりとだが川の向こうから敵が増えてきているし。

 歩行種はまだ渡れないけどそれでも飛行可能な大コウモリやカビ声モルフォなどがひよひよと――。


「あぁおぃ、もう抜けれるだけを優先するしかねえかもだぜ。くそ……っ、実際もう駄目じゃねえのか――。もう逃げた方が良いかもしれねえなっ……!」

「でもパニックにならないでっ……、じゃあまずは僕が囮になりますよ、僕は実は……、ボク―――」

 素早く攻撃してなんとか囲まれないようにするしかない、それしかできない。僕の剣は相も変わらず通らないし。

 迷いながらも全力で一閃。ただその一層でもいた鉱物ナメクジが止められないんだ、これではやはり轢き殺されそうだし。それでもなんとか全員を僕は……。


「あの……、退却はまだで、粘りましょう。僕は一度死んでも大丈夫なスキルがついています、だから今やれるだけはヤルべきだ――」

「あぁ……――。お、おぅ、そうか……すまねぇな。そんなにまでしてもらって――」「マジかよお前――!?」


 レアスキル開示、しかも命に係わるものは絶対に他言無用。誰でも分かる話。


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