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「あぁ……――、いや。あの師匠」

 いや、あの水とのせめぎ合いを見るのか……、あぁホント辛いなぁぁ……「あの師匠、それでボクですね、なんとか形になってきましたよ、あの洞窟ダンジョンの戦いもなんとか一匹倒したんです!」「そっかぁ……、そうなんだね……。お弟子くんはすごいなぁ……」

 本を必死にめくっている。昨日なんかは水の出口を指でふさぎながらも口から水噴いてたし。この中年師匠は……。

 僕は気づいてますよ、えぇ。中年ですねアナタ。出て行く彼を見送る。


「そう……、まぁ元来あの子は相当な怖がりなんだから、大丈夫だろうね」

 ただし……惑わされなければ。

「ふぅ……、ふぅ……、なんとかコレで良いですね――」「よし、よくやった。あとは任された!」

 今回も一撃、倒しきったよ。魔物を倒す回数はだいぶと増え始めているが、やはり横から後ろからと、その変則的な攻撃に戸惑う事が多い僕は。

 それでもゼッタイ守らねばならないという義務、それが初めて過ぎて。

 ただ見えつつあるんだ。

 わぁ~~、たっから箱~~。ねぇね、なんだろうね、可愛いアクセサリーとか入ってないかなぁ~☆ おぃソレでも死人のなんだぜ?

 ネェちょっと、シグナ燃やすよ――!?


「精霊法師、か……」彼女のおかげで難しい位置の宝箱もいけるみたい、それはかなり良い物だった。属性付きの剣で。

「おっほぉ!? じゃあじゃあこれは俺がいただくぜ、良いよな~?」「ちょっと……、カイルに渡してよっ……。アンタほとんど敵倒してないじゃない、もう~~」

「いや……っっ、なんだよ俺だってまともな剣さえあればって――。だ、だいたい俺が戦わないと持たないだろう、強くなりてぇんだよっ……」

「でもでも実際の所さぁ~? 現状カイル以上の作戦ないじゃない、現実見てよぉ。こんなのシグナを待ってても仕方ないよぉ……、ねぇ? カイルの剣ってアンタより全然少ないんだよ~?」

 あぁ……うん。恐らくこれだ、この人達に足りないのは。


 その様子を見ながら気になっていたけど、明らかになってないと思う。僕が評価とか悪いけれども自分の長所と短所とやりたい事が、その全てが混雑しまくっているのを感じ始めていたんだ。

 あの師匠は見てるだけで勉強になった、けど今は何もつかめないよ、正に生きてるだけで師匠は師匠なのだと、そう痛感する。


 ただその剣士さんもそうで……。「そっか――。理想だけを追うって、こんなに勉強になるんだな」

 うん。

 頭をかく、じゃあどうすれば良いのか。


 レベルよりもむしろストレスが溜まってる現状。同年代のパーティーに憧れた事もあったがかなり難しい気がしてきたし。結局向こうでは剣を奪われ、そうしてナナイという精霊法師がぷりぷり怒って帰ってくるんだ。


「ねぇ……っ、弟子くんはよくあんなのの横で耐えれるねぇ、アイツ嫌いなんだよねぇ私っ。もうなんかもう調子良い事ばっかじゃんって」

「いえ、まぁ――。ただなんだかでも向上心だけはありそうな気がしますよ、一番戦ってるのは戦ってますし……」「でもどーー見ても才能ないっしょォ――?」

「いやぁ――。あぁ………」

 僕はその大声に気を使うが、「ただでも、確かに剣は渡した方が良かったですね、それに言わないんでしょうか、カイルさんはあのシグナさんへは?」

 その寡黙な剣士を見やるんだ、「2人とも中層行きたいみたいですし……、なんか、だからこそもう少しだけ我慢してみてはとは思いますね。だって今一番中級に近いって聞いてますもん、えぇっ」

「えぇ~? でも私はぁ~……、そこまではしなくても良いかなって……。戦うっていうのも怖いしね、なんか迷ってるんだよねぇ~」

 まぁ実際危ないだろうなと。あと仕方なく付き合ってるというのは分かる彼女は、優秀な分それは、「ねぇ、君はでもね、なんでそんな必死で一人で戦ってるの?」


「僕ですか、僕は……、ボク。師匠さえ幸せならそれで良いんですよ、ただそう思って戦ってるから。それ以外はないんです」

「あぁ、やっぱアレ本気なんだ、一緒だぁ……っ。私も分かるよ、分かったからぁ~、フフフ。だって恋してるって感じぃ……、そういうのが分かればさぁ? もう少し良いんだけどって――」

「あぁ……、はは。そうですね。恋とは……、うん、でも僕のは恋っていう程はでも……」「あははは、キミはすっごい分かりやすいな~~、か~わい~~」


 その言葉に複雑な表情を浮かべる、すると少しだけお姉さんなナナイが笑い、「良いじゃない、その気持ち大切にしようよ! 君とはやっぱり息合うかも~って。だからもっともっと助けてあげるね、もうシグナは成長しないもん、アイツよりかはキミ全然強いしぃ、ふふふっ……」

 その笑顔の彼女は、その精霊法はかなり強い方だと思う。師匠のようにはいかないがアレは確実に強いのだ、手を握られて赤い顔をし、僕は。

 やっと少し向上するのだろうか――。


「じゃあじゃあ、もっと頑張って倒せるようになろ、師匠さんをあっと言わせようよ!」

 うなずく。その時スキル獲得、力+1、力+1。

 そのまま帰る準備をしていく。そうしてこれでも一緒に飲みに行くのだから、この3人は一緒で。

 僕は……。


「そう……、そうなんだ、やーーっと成果出そうだねぇ……っ、うひ、ウヒヒ。よしよし来い来い……、コレで良いかなぁ。良いっしょ、もう良いと言ってぇ~~っ」

 ヨダレを垂らすよ。だってあの巫女は言っていた、つぎ足しつぎ足しで作ったと。やはりそうだったと、この師匠は分かったよ、だって師匠だものネ! あと何より巫女は妙に近かったなって……「そうなの……、そう、でもなんとか私もアレを超えないといけない、私は師匠なんだから――サァ」


 さぁ、ボンっと錬金釜だ。そのまま倒れてしまった、それだけで満足した。趣味があるって幸せ……。

 ゆっくりと目を閉じるのだ。精神年齢50歳、半分白目でそのシワの刻まれた双眸を閉じる――。

 時間が経つから。

 ただその時。

「ハ―――――。    はぁ……はぁ……!? 今、何かがいた――!?」辺りを探す、明らかに何かがいた気配。触られた……? 

 汗が噴き出す、すぐさま視脳の学を振り絞って探すが、いない。

 だが妙な動悸がする、外で物音がするの、弟子くんの声と……、あとまだ若い少年と少女の声が聞こえた。

 まだ少し遠いが……帰ってきたのかな。


 ふぅ……ふぅ……。


 必死に汗を拭って取り繕い、出迎える私は。その後のやりとりで水回りを聞かれたが濁しておいたの。べっちゃり張り付いた髪で、雨降ってたし大丈夫。

 それで人影もそれとなく聞いてみたけれどもね……、見てないと。そのまま眠るしかなく。巫女の剣を抱いて……。

「おぅ、お前最後だろう、や~っとその師匠ってのと旅立つって」


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