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「あぁ~……、うん……。でも良い剣持ってんじゃんねぇ? じゃあ君さぁ~? その剣くれたら仲間にしてあげるよ?」「い、いや……、この剣はでも、大事なものなんで」

「あぁ? でも君が持ってても意味ないっしょ~、こんなのさぁ……。チームプレイできるかどうかだよな?」

「そうそう、まぁ借りるだけで良いよ、パーティーの為になる方が使った方がさ――」勝手に剣を抜こうとする。振り払う。

 それは次々と駄目で……しょぼくれて。


 まぁでも、装備は見ていて楽しいかなって。


「あぁ……、本格的に装備が選べるのって初めてだ……。この街すごいな~、やっぱり」

 少し悔しそうに。

 数が多いし色んな種類がある。例えば炎のようなツルギとか既に浮いてる足具に、一か所だけが透けてるようなヨロイもあって。

 それに比べて申し訳ないけど師匠のは地味だなと思うんだよ、ただの丸っこい感じで、しかし問題は……。


「やっぱり装備がこれじゃない……、ごめんなさい」

 派手に見えても感触がしっくりこないんだ、剣はまぁ当然代えないとしてもヘルメットとか鎧とかまでも。

 きっと色々聞けたろうにな、師匠がいればな……って。もうちょっと低温でじっくり師匠ならなぁ……。


 だからそれでもう一度だ、僕はなんとか人を見つけ。


「おぃ、さっさと行けよ坊主ぅ」

「はぁ……、はぁ……、はい」「だからよぉ走れって、オィお前おせぇって――」

 3人パーティーにお邪魔しての、4人で下っていく魔鉱山の中。それは比較的渇いた感触で、きめ細かい砂に思えるような足場が広がっていて。その下の岩のゴツさが緩和される。

 ちょっと滑りやすいかな。

 現役の鉱山らしく色々ナワとかはしごなんて物が維持されている光景。しかもすさまじく色々あるらしいと、結構な迷宮だという。


「大河に火事に風穴に……、そんなのあるんですか。それになんだろう、すっごい変な感触なんですね、こいつ等も――」

 その低級とされる魔物を切り払うが、上手く行かない。ただの大きい蛇なのに強い。

 僕を含めて前衛3に後衛が1で。だが向こうでは楽勝で斬り飛ばし……「ふへへ。おーーい、いつまでやってんだぁ? お前そんなのもできないのかよ~、使えねぇなぁ」

「あぁ、はい。今すぐに……っ」

「まだですか、まだですか~~? 待ってんですよ~~~?」

 はぁ……。

 ナァ? アイツ使えねえよなぁ?


 笑ってアッチは一人で処理してる姿、頭をかく。確かにまだ初級の入り口なのに、でもこの地方はやはり初見で全く動きが分からないんだ。あっさりと斬って殺しているを見るが、分からないのだ。

 僕も切り払うけど全然道中と違うなとしか、かなり良い剣を持っているだけに笑われるし。ただ……。


「でもそうだ……、きっと確かにそうなんだ。師匠がいるだけでなんとかできてたから、ボクは――」

 どうしても心細い感触。唇を噛む。4人パーティーにおいて一番先へと斬り込んでいく責任も、そしてその恐怖が、「でも負けない。強くなる強くなる、強くなる――」

 剣を必死に振るうんだ、今はただただその為に。


「はぁ……はぁ……、えと、今日はお役に立てず、申し訳ありませんでした。でもありがとうございましたっ!」

「まぁ、気にしないで良いさ、良い――」「いやいや~、甘い甘い。カイル甘いよ~、もうちょっと頑張ってもらわねえとだわ。マジで使えねぇ。その面白い動きだけは見ものだけどなっ……ひひひ」

「も~~、ちょっと言いすぎだよぉ? 年齢相応だよ可愛そうだもん!」

「まぁでも見てたろぉ? こんな一級の剣を持っててさぁ、なんで勝てねぇよ、あの動きはねぇわ……ウヒヒ。なっさけねぇ」

「もうやめとけよ――」「でもま……、確かに無料って感じだよなぁ。本当に全て無料だわ、じゃあまた明日な――」

 3人3様に言われ、とりあえず別れた。


 ボロボロだ。あぁ……でも、師匠が喜ぶかな。少しは斬れたんだ、傷の方が遥かに多いけどね。こんなレベル違いでもなんとかなったなと。ポーションも2つも飲んじゃったし……。

 今もお腹が、えぷ……っ。  げぼぉ……っ。


 ヘロヘロになってドアを開けると、惨状、だが正に惨状が並ぶから。

 まずはお気に入りと言ってた剣をそこらにどっ散らかし大事と言った本もくっっきり折り目がついて開きっぱで。足の踏み場はあるんだ……絶対的に守り通すは錬金回廊だね、出口に入り口? 何それ。

 まぁまぁ積まれる物の山。食べ残し。

 それで湧き出てくる水からも守る姿も、大量の水を自らの人体で防いでいる様子も。

 師匠と水がせめぎ合うよ、せめぎ合いだ。ねぇいつからですかソレ――。

「あぁもうナンか溺れてません……!? 師匠、大丈夫ですか、師匠!?」「ねぇ……お弟子くん。あのねぇ……、もしね、私が錬金の才能無かったらね、ぐす……うぅ。旅はヤメて良いかな、錬金だけしてて良いかなぁ」

「駄目です。外出ましょうよ、むしろ現実見ましょう」違うお仕事も考えましょうか。


 本を物を崩し近寄る、でもそのマジレスにそれはもう見た事ない程に嫌そうな顔で涙ぐみ、「じゃあね、じゃあね……、んぅぅ……。そんな意地悪言うならね、食事を用意してください、寒いので服を下さい。あとカラダ洗ってって言ったらね……洗ってくれるかな……?」もうシンドくなってしまったの――。

「いや………、あの――。  なんかもうちょっと色っぽい感じで頼みますよ……。あぁ……、唇カサカサじゃないですか、前髪が汗で張り付いてて、なんで肉がこんな……。これほど変質を――」

 あんなに綺麗だった肌が、魅惑の太ももが妙にブツブツしてて、あと何よりお師匠様が、ウ―――。臭い――。

 これ一日なんだ……、

 この臭いは一日目で発芽するんだ……? 僕ももしかしたら、もうだって僕はポーションを飲んだからね。発芽してしまうのかな――。


 震える。


 旅の間からは想像もつかない程のだらけっぷり。床に放り出してしまったムッチリした体は嬉しいし、是非とも飛びつきたいが、このイメージ落差に困惑しきりの少年。

 まだ13歳。理想の15歳の美しい師匠はでも。

 実際たる真の年齢は50才であるから、それに引っ張られ始めた姿は見るも無残か。

 え?40台?干物は黙ってろよ――。


 ひとしきりその、一人恋人も作らず、無数のケモノから奪い取った臓物やら骨を煮込んでただただマウントを願い散らかしたとかいう、もうカビてるアラフォー師匠のカビを落とす可愛い少年。

 それでなんとか宿屋に送ったんだ、非常にサン値が下がった。


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