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「そう――。じゃあね、ここのはどんな巫女さんだったのかしら。手掛かりというかね、旅人だもの、その印象とかを……」

 そ、そりゃもう……素晴らしい人だったさっ――。口をついて出た言葉は。「それはそれは美しい巫女様で、誰も寄せ付けない、そこらの馬の骨では全くもって比較にすらならないっ、絶世の美少女だったんだぞっ!」

 む――「でもこのお師匠様も負けてませんよ、僕のお師匠様は誰にも何も負けていませんっ。何せこのお姿が見えないんですかぁっ!」

 にらみ合う男達。いや、本人の前でやめてくれないかな。


「だが彼女は非常に非常に素晴らしいんだっ……。笑顔が可愛くて、しかも何せ巫女だぞ?巫女だ!」

「だったら師匠ですよ、こっちは師匠ですから!?」ぬぅ「こっちは神秘的だったぁ~……。ある時なんぞは絵を書いてもらいに頼んだら、なんとっ……、やはり今まで見たなかで一番だと、そう絶賛されたほどのなぁ!」

「でもだけども僕のお師匠様もキュートですからっ……。笑顔以上にむっすりした顔が可愛いんですっ、笑顔なんてなくても十分です、はい、ほら可愛いッ!」

 分かりなさいよォ――!

 むっすりしてる、私? だが譲らない、譲れない2人。ヤメてくれ、やめないか――。


 何をぉ……? むぅうぅ―――。ぬぅううう――。


「ぬぅう、何をーーっ。じゃあ僕の師匠はですねぇっ。オッパイばっかり見られますけど、実際は指に力を入れてるんです、ねいるって言うんです。ねぇこんなお洒落な方がどこにいますぅ――ッッ!?」

 ちょっと………何かな? 村の総出で私をチラ見するのはやめたまえよ、なんかムカつくだろう、でもムカつくって言ったらなんか変だろう。

 指を見せるだろ、ほらってその目……、いや、どんな顔をして見せるっていうのかな?


「じゃあじゃあコッチはどうだっ。巫女様は一週間に一度だけ特別な入浴をなさる。だが彼女はオイタして覗いた者でも優しく容赦なされるんだぞ……」「そうだよ……だからあの山のてっぺんでは週一だ、熱い戦いが待っとるんじゃぞ、戦績は案外ヨイ――ッッ!」

「ぐぅぅぅぅぅ――」それは熱い――。

 あぁ、暇な田舎じゃもう楽し過ぎるだろう、クソぉ……。

 がっくりとうなだれる弟子くん、窮地に追い込まれたの、ねぇホントに?「いや、だ、だけども、僕はもう既に……。そうだ……――師匠とのチュウがあるから」

 ないよ、ないない、口を抑えに私、「僕はもう本気の本気の、そんなちぅの権利、しっかり貰っていますからぁああ――!」

 もらってないよ、もらってない。永遠の平行線だよお弟子くん――! あぁ……、いや? なんなのその顔、明らかに年増に見えてるよねぇ?


 たった2歳差ですよ? チュウはね……しても問題ない、っていうかしませんけれど――っ。


「良いですか、師匠は当然普段は上からですよ、上からですッ――でもチュウですからね、目をつむればきっとぉ……」あぁぁ何かな……? 広がってくね、その会心の一撃の顔は。私にうなずくな、そっちのチェンジ野郎は甘々派か……。


 うん――。


 ウン――――――――。


 そうしてまだまだ白熱する戦いの末に、ここは漢同士だ、トントンという形に落ち着いたの。弟子は複数相手に見事戦ってみせて自慢げに帰ってくるが、まぁ普通に顔から火が出そうだった。ヤってやりましたよ じゃないよお弟子くん――。


「そ、それで……? ふぬぅぅ………――。そう……その巫女様が何故いないのかな? 水を欲してたけれどもね……」

「それがじゃ……。巫女様は貴重でお美しいので、色々な所へと参るんじゃ。方々の村へと奉仕をなさるのです」「ただなぁ……、美しくて可愛いのに、今回は出ても帰って来ないんだ、来ないんですよぉ……。向こうの村から遣いのもんが来て行方知れずだと――」

 それが理由らしい、まぁパニックだろうな、パニックだよ、貴重な人材だ。全員で探し回ったはず。その村の面々はもう足は土だらけで葉っぱがへばりつく、その疲れ果ててる様子で分かるから。


「そう……、じゃあどうだろうね……? 私達が調べて見せようか」「いや何を――。よそ者になんぞ詮索させるかよ、ココは現地の僧院が守ってるんだぞ!」

「いや……、まぁじゃあ、外をだね……。村の中には立ち入らない、それで見つかればお金とサービスをもらうの、それでどうだろう?」

「あぁなぁ……、突然来て、お前らだろ……」

 誰かが突然言い出した、「大体いきなりってのが気に入らねぇ。ここは今も現地僧院の下にあんだよ、おかしいだろうがよォ!」

 その言葉に誰しもがうなずく。大体僧院は金に汚く領土意識が強いのが多い。それに……。


「魔を使っただろう、アイツは魔だ、魔を持っているんだ」「間違いねぇ。ヤベェんだ、あれ見ただろお前らぁ――!?」

 飲んでたくせに。すると包囲網が狭まる気配、弟子くんを連れる私「そう……、だけれども、このまま行けばじり貧でしょう、探し出したいのでしょうに? かなり切迫してる感じ……、何か他に異変とかはなかったのかな」

「いや……大してだよなぁ、だからだよ」「護衛はきちんと6人もいたんだよ……そんな簡単に負けるはずがねぇよ、だってあの巫女さまだぞ……? 明らかにおかしいんだ、何かが仕組んでなきゃ……っ」

「そうだよそうだ……っ。ついてった僧院の奴らが裏切るとか、巫女さまを襲うなんて思えないし。大体巫女様が帰れねぇはずがねぇんだ――」

 その言葉に沈痛な、もう聞きたくないという顔も。


 巫女の数は少ない。だからかなりのエリートがついていったはずで。貴重な人間だし実質的にこの村よりも比重はかなり上であり、実力も上。守り切れなかったとなれば一発で首が飛ぶ存在だ、せめて敗走して帰っても口も利けない重体が必須になる。


 すると気づくのだ、その赤い……「お、おい。それより、それ……、なんだ? お前が持ってるその袋は」「あぁそう……――。いえね……、盗賊を倒したから。私達は一昨日ごろだけれど、山の中で盗賊に出会ったの。それで襲われてた者達を助けて……これを拾った」

 その首も投げてやる。実際悪そうな人相だし。「うぉおおお!? な、生首!? ど、どういう」「そう……賞金首だね。8人ほど野盗がいたから倒しておいたの」


「う、ウソだぁ……っ。8人もに勝てる訳ねぇよ、こんな程度で勝てる訳がねえんだよ!」

 全員がうなずく。まぁ……、ハードパンチャーだとは絶対に思わないだろうね、「オィ……、大体俺は知ってんだぜ……、コイツ隣村のサンチェじゃねぇかよぉ!?」

 そこに予想外の言葉。その言葉にすぐに何人かが走って行った、恐らくは……「あぁあぁ知ってんぜ……、知ってる。これは間違いねえよ、サンチェだよ、なぁ!?」


 その言葉に一気に風向きが悪くなるな、まさかこんな事になるとは……。

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