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「いえっ……、あの、それよりもう良いです今すぐ解いてください! そんなのしてたらアナタの命が危ないんだっ、逃げて!」

「でも私は師匠だよ……、弟子の死を認める師匠がどこにいる――」「僕の命なんて……どうだって良いんですよ、そんなの構わないからぁ!?」

「そう……そんな訳ない、ないんだよ。私は師匠だもの!」

 でも傷が深い、かなり痛む。さすがにポーションをあおるが。


 その苦し気な姿に彼が思いっきり力を込めるから、それは駄目と誓っていたが、「はぁ……はぁ……、僕は……、僕なんて、うぅぅうらぁあああ!」

 すごい……――光。なんて力を。



「あぁ~……あぁ~……―――――ククク。無理しちゃってぇ……。あれが世界を救う希望、」ねぇ……。

 見えたな。森で大きな光。

 そしてなんとかほぼ仕留めた。波形はやはり動かなかったの。

 山賊が2人ほど残ったが良いだろう。かなりの良い展開に変わったから。

「ただ……」なぜだろうか。そう……、それより違和感があるの。殺されているのは男3人、村人ABCといった感じで、確かに……。


「クソ……っ、くそくそ!? まさか仲間かよこいつ等ぁ……。とりあえず俺を狙ってるようだしぃ――」

「ふぅ……、ふぅ……、クソ、待てぇぇ」

 でもどうやら手配書のだけが一人逃げる気らしい。さすがの逃げ足、それは風の精霊法まで駆使していやがるから、あの白髪頭は。

 疲れた弟子くんが追うか迷っている、私はなんとなくだが速度を上げた。精霊法を使い、同じとは思えないその風の力で飛び上がって。


「そう、逃がさないから――!」「あ……うぅう――!?」

 一気に追いついて斬撃、そのままその男を転がして。だが変わり身だけは早いその、「ヒィいい!? わ、悪かったよ、もうしねぇんだ、もうしねぇっ……! きちんと働くよぉ、俺は罪を償うからぁぁ――!?」

 剣が来る前に土下座だ。その間になんとか後を倒した弟子くんが合流してくるの。とりあえず傷の応急手当てをしてあげる。


 やはりかなりの打撲と傷だったね、無理にでもポーションだ。「師匠、ぶ、ぶへっ……、ふぅ……、ふぅ……、いや、でもだれど、お前は賞金首だろぅ、そうだな――」うぅゥ。

「お願いだ……、お願いだぁぁ……!? 違うんだ、俺は食ってく事もできなかったんだっ……。村もモンスター共に襲われて、おっとうもおっかぁも死んだ――死んだんだ!」

 たった8歳の時だったと。それで私を見て来る弟子くん、首を振る私。

 剣に力が入るが、ただ……。


「ほ、本当なんだ、本当だよぉ――っ! な、なんだったら指をさ……、指を切り落としてくれて構わねえよ。もう腕でもいいから……っ!」

 頼む……頼むぅゥ――。

 凍える様に震えている、その言葉にうろたえる。確かに腕を落とすとまで言っているのだ。試しにウデに剣をやるが逃げないし。「わ、分かりました……、じゃあしっかりと罪を償いますね、償うんですね?」

 うなずく。震える剣を戻した。でもしっかりと指はもらうという事となる。そしてその隣を歩いて行く私は。


「そう……、よく考えなさい、お弟子くん。もうこんなしょぼくれるまで盗賊してたんだよ、何も治る事なんてないんだってね」

「いや……あの、でも師匠、コイツは腕を……っ、きっと本気で――」

 師匠は剣を抜いている。その様子に嫌な予感。止めようとする弟子、ただ……「良いかな……? そう、お弟子くん? 一番弱い魔物って何か、知ってる……?」

「えと……えと。多分、それは殴り草っていうただの草じゃ」「いいえ、違うの、人間なんだよ」

 その言葉にひるむ。だが「そう……、でもそうなる。一番狩りやすくて確実に儲かってくれて、女や宝石や人質まで、美味い汁が吸えるんだから。なんなら億万長者を狙えるよね……?」

 それは何よりも人間だけなの……。


 ギルドでは自分にあった仕事を待つ必要がある。血まみれで素材を必死に持ちかえっても日給5000円も無い事が多い。

 強くなる事に焦燥を狩られる、命懸けで深い深いダンジョンへと乗り込まねばならない。コミュニケーションを要求されるし、我慢もしないとだ。どうしようもない人間は多いけれど上を向かなきゃ話にならない世界。

 だけれど弱い奴だけを狙い続けて、自分さえ良ければ活路はある。確実に人間が最弱だもの。同族だ、人類の敵が目の前にいようと、その同族は弱くて……。


「そう……ヤツは最も分かりやすくね、かつ儲けが良い場所を選んだ。それ以外ならこの暗黒時代、なんだって職はあるよねって」

 スパン!そのナイフを腕ごと切り落とす「がぁ……あぁぁ……。助け……、助けて」「ダメだよ、ダメだ――」

 この男の上に乗り、剣を突き立てる。こんなお荷物わざわざ持って行けない。何より大事なのは、この世界は横領がまかり通っている事。

 もう国が遠く変わってしまった、誰も悲しみを受け告げてない。国交があるかも分からないから。だからそれを見越して点々と場所を変えるんだ、こいつ等はね。


 そう……それで私は見た目ほど軽い年齢じゃないから、「終わりだ――。あの手配書には首と書かれていたの、それ以外は必要ないよ、馬車代とリスクの無駄は――」

 ざすン「あぁウゥ、あんたらァ……、酷いんだ。  あんたらヒドイんだよ、この人でなしがぁあああ!」あっ……あぁぁ――。俺は本当に、

 こんなひどい――ヒドイんだぁあ。

 叫ぶ断末魔が響く。その剣の錆を払う私に、ビクリと跳ねた少年が沈痛な面持ちで……。

「あぁ……、いや、師匠、僕はでも」その涙の少年は、きちんと13歳だったから。「ごめんなさい……、僕がこんな事したばっかりに」


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