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 だがそれでも有限実行。弟子くんは肉薄していたが、彼にあげた剣では傷つかないか。やはり弾き返されているね。しかし彼は装備の分だけは堅い、殴られたが耐えて見せている。ガッツだけはある弟子くんは何度か斬りつけていく、それは確かに詠唱する時間稼ぎに良いかと。

 ダメージは怪しいが私が強化した錬金の剣だもの、守るから、へし折れることも――。

「ふんがぁああああ!」

 ばきぃいイ!「ひぃいいイ!? あぁ……」欠けただって――、えっ……ちょっとぉ……うそでしょぉ!?


「くぅ!? 剣くらいなら、さぁどこを見ている……っでやぁあ!」

 そ、そうね。剣が欠けても弟子くんは戦う、元気、あぁぁァ……なんとか師匠に行きそうなヘイトを買おうと必死。

 そこへ掴みかかるゴーレムをかわした、でも次は受けてしまう。お弟子は押しつぶされそうでも、だが……。

「もあぁあぁァッ――私の可愛い子供に、よくもーーー!?」すさまじい剣閃、そして魔法の乱舞。

 突貫しちゃってますね師匠。

「あぁ師匠はホントに強いんだ……、すごいです、ひたすらに――」

 彼女のその強さは正に師匠と言えるだろう。1対1でも全く譲らない、精霊法を唱えながらも動けるそれは全距離、全方位を―――。


「ロックランス、ドッグ・ウィンディ、あぁああああ! スプラッシュ・クイーーン――!」

 エレメンタル・クリアリング。全ての属性において見事、そんなのいない、普通2人くらいは最低限必要で。それでも無属性で硬いだけのゴーレムには唇を噛むから、「そう……全く……、ムカつくな。ならばこっちはどうなの、これは――」

 手を変え品を変え、応を替え。師匠は精霊法を打ち込んでいく。その度にゴーレムの一部が吹き飛ぶ、この場で狙撃ができるのは大きなアドバンテージだ、全ての精霊を操れるし近接もするならそれは3人分とも言える。

 若くとも経験も十分、泥地でも走って来ようとしてくる岩人形相手に引かない。だがしかし唯一足を引っ張るのが……。


「はぁ……はぁ……、そう……もう少しだけ……、攻撃力も、そうして理力があったなら――」

「師匠、良いんです、はぁ……はぁ……、僕が囮になります、僕がなんとかするんだ!」

 切断しかできない剣ではだいぶ分が悪いが、それでも弟子がスキル技を発動。精霊律が乱舞するなかを突っ切る、羅列ロウソク・羅生撃、走って行く! 足を引っ張るならば自分で取り戻すと人律を込めて思いっきり――!


「これでも……うぅ、なんとかだ、微妙にって感じなんだよ。コイツ……どこまで――」

 少しだけ揺れ動いた、その程度。それでも価値があるはずだ、ボクは前衛で居続けなければならない。今は前衛しかできない、むしろソレで良い、それが良い。

「僕は行こう、まだまだ止まれないから――」

 うぅぅううオォオオ!

 臆することなく剣を振るう。この敵だと師匠も辛いのは明白になってくるんだ、何せボクの力はカノジョの力だぞ。

 何度叩かれても、そのコブシを受け止め、その様子を見ていて……。

「そう……、そうならね、お願いしたいかな? そこまでヤル気があるキミならば――」

 彼女はこの事態に自分の中でも選りすぐりを選び出すのだ。嬉しかった。師匠が動きを止めたから、ならば僕はもっともっと前にと。

 だがしかしその時ゴーレムが跳ねるのだ、想定以上で。それはだって師匠を凝視していて――。


「ぐごごご――!?」「そう、それなら行きましょうか……。 私の必殺、見せてあげるね……。火・風・水・土、全てにおいての必殺になる、それは壊応かいおう――」

 ふぅ……ふぅ……、フゥ―――――


 然士、然王。彼方に問おう。無から有限へ、空から地へ、その無劫の咎までも。増えて増えて増えて――。それは然界の必然たる破壊なる、その道しるべなり。その中に抱かれて生まれ、黙されて。

 それは、始まれば力の流れが異質。これは精霊法の内でもほとんどが使えない業、そう……、私でも未だ指名しても応じてはくれない力だから。詠唱も特殊で4然全てを、その誰でも良いとご都合主義。

 でも全てに問いかけるしかない、だって本当にこの応は応じない。

 8応の内でも破壊だけに優れた応、最も直線的で破壊の一撃。


「なっ……なんだ、この力……、ゴーレムがこんなに」

 空間が鳴いている、見えない衝撃が走り魔物がうごめいた、「でもだけども行かせるかよ……っ、師匠を守る、僕の仕事なんだ、ゼッタイゼッタイ――!」

 絶対にぃいい!

 羅生撃、連続発動、思いっくそ全力で殴り倒した。だがそんなの構えないとばかりに暴れて怯えるゴーレム、止められないが……、だからその足へと思いっきりタックルし絡みつく弟子くん。蹴られて血が飛んだ。

 詠唱が長い、応じてくれる然を探さねばならない手間。

 それは然なき勝利の道、理なき人道の外。阻むはひとえにそれが魂ゆえか。

「さぁ……、でも用意は完了、お弟子くん頑張ったね。はぁ……はぁ……、放つ――。称賛を、そして喝さいをっ……。私が示した解法こそが勝利となる、くらって――」


 手に凝縮した終わり。


 放たれるは人の皮を被った非人道、自然の皮を被った崩壊。今、全ての恵みを捨てて放つは、勝利の法定!「壊応、ホエイテン・ザキエル・フォールダウン! シュゥゥぅぅぅぅぅぅ……………ト―――ッ」


 爆発的な終わり。正に終わり。


 端々から黄色い終わりが伸びて弾け、荒ぶり、その空間ごと焼き払う、薙ぎ払う。滅ぼし尽くす!

「あぁすごぃ、あんなに簡単に――」

 ドゴォォオオ!

 ゴーレムの胸の部分に思いっきり破壊の一撃が入った、貫通する一撃が入ってヒビが入り手も足も全てが――!

 血が流れだした「いえ、まさか本当にパワードアーマー……!?」

 何か、どうやら下に素体があるらしいの。まさか本当にオーガがいるのかもしれない、だが痛みすら吠えない異様。

 そして面倒だ……、こんな気持ち悪いパワードアーマーを着たオーガなどは。

 修復していくカラダ、いや外装なのか分からないが、もう血も肉をも取り込んで――。


「そう……、はぁ……はぁ……、なるほどかな……。これじゃ精霊法で止めるのは難しいんだ、だって壊しても下地が堅いから――」ぐぅうう!?

 それは生命が宿っているのね、無機質よりもずっとずっと面倒。属性の層ができているのと同じなのだから。マズイ……既にMPたる物を相当消費した、しかも脳筋なのは間違いなくて――。

「ヴオォおおお――!」「くっ――。オーガの暴れ方だなんてね、そうこんなのは――」

 凶戦士という言葉に納得、アスリート走りで追ってくるゴーレム、冗談じゃない。

 少し覚醒したのか更に狂暴になっているようで……弱ってる私にそのコブシはないだろうに、ぶっ飛ばされるよ。

 鼻血、いや歯かも。そして何よりゴーレムではなくオーガという事は、実はコイツは人法に似た力を使えると。お弟子くんソレは――。

 庇って突っ込むその君は――「なんだ……、この腕の炎は――」「危ないお弟子くんっ、その力――」

 鬼の波動が大地を揺さぶる。両の手が突き刺さればそこに振動が何度も何度もナンドも。

 繰り返されるのだ。それは破壊の地揺れで抹消するほどの「がはぁあああああああ!?」


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