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 アックスビーク。名の通り斧のようなくちばし、横から見ると太い矢印のような口で突っついて来る鳥。その刃の大きさはなんと70センチで、しかもかなり硬いし鋭いし鳥自体も140センチもあるしの正に大きな斧で……。


「ぐけぇえええ! ごっ、ごっ、ごっ」「ちょっと……っ!?連打早いよ、首どうなってんのさ。しかもコイツ首がぐねって曲がる……っ、なんかニンゲンとは全然違うし、そのまま突っ込みまでは――」ぐぅう!?

 連打の後に思いっきり跳躍すれば、ドスン!と、思った以上にアックスな鳥さんビーク。振り切ってくるよ、鳥が土にめり込んでいる姿にドン引き。

 しかも持ち手と言うべきその首が座ってないから振り回す軌道が読みにくいのなんの。途中で首カっクンされたらもう最悪で。


「でも駄目だよ……、なんとか師匠に育ってもらわないと。彼女が必要だ――」

 強く握りしめて前へと踏み出す。これを倒すとレベルアップするだろうか、あの師匠が。こんな嬉しい事はないだろうって、「でい、でやぁあ! はぁ……はぁ……、グワングワン揺れるなぁ……頭、血走った目も気持ち悪いし――」

 僕の剣に合わせてコッコ、コッコと脳たりんみたいに突っついてひたすら前進でこちらを狙ってくる。それはデカい斧に獣の眼をつけてムチャクチャ突っついてくる捕食の鳥。

 それを受けて押し合いながら見合えば、すっごい気分になった。その眼の殺意、羽ばたいて来るし、力は全体重であり正に全振り。

 でも首が細いので折れないか――。どうだと強く弾いてやるが、全くだ。なんか弾いた頭のが加速つけて横から来た!

「ウ――。思いきりが良すぎるよ、コイツ……っ」なんとか避けてもヤツは羽ばたき、足が滑ったような即2撃目。回転するよう円撃となって横壁に突き刺さる。


 動くし飛ぶし、フラフラでもぶん回すし。それはでも思った以上に野性が利いててナチュラル、これでも生存戦略として勝って来てる動きだ。だけど彼女はコイツを……。


「コイツはそう――」後ろに下がり続けると、相手が見境なく前進してくるから。

 そこに下がりながら、力を込め、ソードの打ち上げで頭を揺らしてやる。何度も何度も同じ事をする、すると脳か首の限界が来たのか崩れるのだ。

「が、ゴっ――、ガぁアアア!?」「よし、悪くないな、さすがは師匠です――!」

 そのまま開いたアゴを見逃さず手で掴むのだ、そのまま刺し殺す!

 何度か刺して動かなくなったら、勝ってみせたと師匠に戻るから。


「そう……、そいつはやはりね、前進する動きに合わせることかな……? なかなかでも考えつくのが良いの、悪くないよお弟子くんは」

 ピースサイン。お手本を見ての勉強が役に立っている気がした。全く無理そうな動きでも似ている動きをするのだから。この師匠。そのまま進んでく。

 次のポケットフロッギーも。


「こいつはでも――この上層の2大大敵」

 ポケットフロッギーは袋だ。そのカエルが持つ袋からは酸が溢れていたりする、そこで溶かし殺すという。

 そいつは手のひらを袋に入れて酸を取り出すし、酸の手、掴まれば終わりで……。


「コイツ確か……、でもジャンプだよね。そうして考えるべきはその跳んだ時の動き」

 猫だましのような動きをしやすい、それで酸を飛び散らかすのだ、空中でもやってくる。ひるめばそのまま酸の手でカオを塗りつぶそうとし、避けたとしても手を広げて通せんぼして。

「げごぉ……ゲ……。こここ――」ひょっ、ひょっ、ひょっ、無表情な1メートル50ものカエルがコッチを狙ってきている。悪意のないツルっとした感じ。楽し気なダンスの傍らには強烈な酸の指。

「ちょっとぉ……、はぁ……はぁ……、ホント薄気味悪いよね……。師匠はこの2匹のダンスを普通に見てたっぽいけど、うぅぅ」


 だけどもコイツはでも、何より関節ががら空きだったんだ。

 反応速度は速いが、いかんせん腕と足の関節が自由じゃない。腕そのものを狙われた時、そして更に小細工を利かされた斬撃にうとかったから。


「まずは腕、いただいたよ、うぉおおおお!」「ぐびぃっ!? ぎぃいい!」

 しの字を書いて切り上げ、酸で掴もうとした動きを狙って腕を斬り取る。そのあとヒザを蹴り払って倒し、頭を突き刺す。開きにした。そのままエンド!

「ふん――? そう、良いね? 思った以上に良いんだね………」

「あぁ、うん、そうですねぇ、はぁ……はぁ……」えと、もう少し工夫しないといけないか――。

「そっかぁ……、もしかして弟子くん、結構暗いの得意なのかなぁ……?」

 2人してうなずく。しっかりと見て覚えてる。大丈夫、アナタは優秀です。でも僕レベルが好きなんですよ。

 師匠の頑張る姿を見てただけはあるなって、ただでも少し考えるべきか。喜んで欲しいし。

 そのまま何人かとすれ違いながらダンジョンをある程度クリアリングしていくんだ。そして更なる下層へ。


「ふぅ……ふぅ……、ふぅ……、ここが扉ですよね。ここからが最奥に通じてる――」

「まさか、そう……、ホントに突破して見せて、それで先に進めるなんてね……。すごいじゃないお弟子くん」

 うんうん、そうなんだ~。

 でも嬉しそうだ。僕も嬉しい。


 ここからは更に気合い入れてねって、うなずく、師匠が扉へ手をかけた。そうして師弟ともどもが緊張するから、そのまだ見ぬ門の向こうへと。


 一応封印といった物だそうで、こんな自然の洞窟でも扉がある理由、それは大体が怪しい。

「ビビって……、しまいますね」「そぅ……。まぁ、それでも大丈夫なの、何せ私がいるからね」

 息を飲みこむ喉2つ。重い扉を開いた……。

 ギギギギギ……開けながらもひたすらに周りを見渡す。真っ暗な中、それは本当に真っ暗だと。とりあえず弟子が真っ先に剣を構えて前にでるが、剣が闇に吸い込まれて消えそうで。


「そう……、行こうか」当然のように位置を変わろうとする師匠、だが弟子は譲らない。

「いや、勉強の為なんで」「ダメだよ……、ここは弟子くん、だって危ないものね!」

 我先へと急ごうとする2人、闇の中はもうすぐ。だがその時闇の腐海から牙が襲って――。

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