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「さて、と。そう……、じゃあとりあえずは、マウントダンジョン生成、その内見をしまぁーーす――」

 元気に剣を掲げる。そう、1つの不動産としてカチコミします。内見だ、内検のお時間だ。そこが師匠に適した場所かを探る必要があるんだよ。

 2人で行く以上は師匠として抜かりは見せられない。だけどあんなの無理だよ、ただの美少女のまま全てを見通すなんて。そんなアニメみたいなのできる訳がない。

 だからソロ内見。人生2周目、ダンジョンも2周目が良いの――。


「ガーリンガ地方ハイツ、師匠、内検希望で~~す。ふんふん、そうですかぁ、なるほどなるほど~……。まぁ――そう、確かに地方レベルからはかなり難易度あがってるかな、って」

 左手をついて、それはジメっとした感覚。足元もしっとりと濡れている洞窟、そこを下ってゆく。沢があるのか、とぷ、とぷん……ころろ、ころろろ と水が湧いてて転がる音が聞こえ。


 そこは奥に行くほどに鍾乳洞のようなカオを覗かせる、茶色でヌラめく大地。感じ取りながらも歩いて行く。

 真っ暗という程でもないダンジョン、中でもそこそこ見えるね……。なので私は頭の後方から小さな光を照らした。懐中電灯風であり光をしぼって相手がこちらを見たとき直撃照射され、顔が見えにくいように、そして後ろに光の余波が行きにくいよう加工して。

 師匠力を用いて発明したFBIの手法だね!


「そう……、しっかりと宝箱システムは機能してる、か……。恐らくは人の出入りもあるのだろうね、生と死の出入りがね」

 水たまりを踏んで超える。


 宝箱システムとは――。


 その昔、歴史的に無二と呼ばれる程の大賢者様がおっしゃった。この世に宝箱がないのは不条理すぎるッ――、と。

 確かにそうだ、楽しみがないかな……。

 まぁダンジョン入って虐殺して、もしくはサレて還っていくのだけでは物足りない。きっと毎日に刺激を求めてたお爺ちゃんなんだろう。だからこそ世界に魔法をかけたと、その楽しいの魔法を命懸けで――。


「そう……、これって近くで死んだ人の持ち物とか……、普通の落とし物も、あとモンスターもその範疇に入るようで。まぁ……」悪くないかなって?

 開けてみるがやはり地元では出なかった物だ。そう言えば、ふと思い出す。その大賢者が最後に残した不可思議な言葉。

 モンスターを倒して2つ目の箱も開ける、次はモンスターの鱗と角だったの。でもそれはなんだったら落とした飴から全く関係のない遠い遠い異国の武器が入っていると。弟子くん喜ぶだろうなぁ……。よっし、開けさせよう。


「そう……、それで、良い感じ。敵だってそこそこ強いかなって……」

 せいっ、でやぁあ! 切り払い、そして薙ぎ払い。

 まぁ正直だけれど、この手応えだとお弟子くんレベル9ではかなり厳しいと言えるだろう。でもマッピングはほぼ正確だし恐れる場所はないし、きちんとあのギルマスは仕事してるし。

「はぁ…………、フゥ~~。でも多分ここまで位かな~、お弟子くんの限界は……。下層への門は少しまだ早いかなと、でも――」

 彼の波形をイメージしながら、しっかりと進行を考えるの。何回位を設定しようかな。

 そこは鍾乳洞ともあって少し冷たい感覚と夜。

 白く舞う息。綺麗な手先と髪の艶、見惚れる程の憂いの表情。

 あぁ……あと探すのは何より問題の、人間が隠れれそうな場所は必ず見つけておく事だね。

 そうだ罠は生まれる、人の手で。


「そう……、なるほどぉ……? ここかな……、ここだ。確かに奇襲を打つにはもってこい、それで対になってる所も監視で――」

 野盗は人間を狙う為にダンジョンを利用する。気をつけねばならない。村人でも強姦目的で潜んでる奴が普通にいるのだから、ダンジョンの救護要請なんてこんなヤツばっかり。


「ふぅ……ふぅ……。アレはやっぱり女なのに一人、か」

 大体予想はついた、でも正気かと――。

 その後ろには怪しい影がいて。

 それは狙っているのだ、密かにその体を狙っていた。特別なナイフをしっかりと握る。



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