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最終話:私はこうしてケアマネ試験に受かった!

試験会場の朝は、妙に静かだった。


目の前には、ずらりと並ぶ受験者。

鉛筆の音。緊張で乾いた空気。

そのすべてが、数か月の努力の「結果」を問うてくるようだった。


カナは、深呼吸をひとつして心を落ち着けた。


(私は、現場で学んできた。制度も、数字も、言葉も――

全部“誰かの生活”につながっていることを、先生が教えてくれた)


胸のポケットには、小さなメモが入っていた。


「制度は仕組み。でも、支えるのは人」

――柴田先生より


問題用紙が配られる。

見慣れた言葉、苦手だった単語、何度も繰り返した過去問と、同じような構成。


けれど、今日のカナは違っていた。


ただ“正しい答え”を選ぶんじゃない。

「この人なら、どんな支援を望んでいるか」

「どの制度が、この人を助けるか」


“現場での気づき”が、制度とつながっていく感覚。


ペンが進む。

頭も、心も、ブレていなかった。


試験から帰った夜、カナは静かにノートを開いた。


「私はこうして、ケアマネ試験に向き合った」

焦った。悩んだ。たくさん間違えた。

でも、誰かの人生と向き合う覚悟だけは、捨てなかった。


数週間後――


ポストに届いた合否通知。


震える手で封を開けたその瞬間、

「合格」という二文字が、静かにカナの胸に降りてきた。


柴田先生の家に報告へ行くと、静かな庭に先生が腰掛けていた。


「……受かったで」


「そうか。おめでとう」


先生はそれだけ言って、静かに目を細めた。


「ワシが見込んだ通りや」


そして、いつものように、ちょっと照れたような笑顔で言った。


「ここからが本番やな、“ケアマネさん”」

支援者として、歩き続けるために

物語はここで一区切りですが、カナのケアマネ人生は、ここからが本番です。


“受かるための勉強”も大切ですが、

“支えるための勉強”は、これからもずっと続きます。


制度を知ることは、支援の力になります。

でも、それを使って誰かの暮らしを支えるのは、「あなた自身」です。


この物語を通して、学びと励ましを少しでも届けられていたなら――

作者として、それほど嬉しいことはありません。


【最終回の学びポイント】

ケアマネ試験は、「知識」だけでなく「思考力」や「判断力」も問われる国家に準じた試験


過去問演習、法改正の確認、苦手分野の洗い出しが合格のカギ


本番では“利用者視点”で問題文を読むことが大切


合格は“ゴール”ではなく“スタート”。学びは、現場の中で続いていく

これまで読んでくださった皆さまへ、心より感謝します。

今後も、「支援者の背中をそっと押せる物語」を書き続けていきます。


――それでは、またどこかのページでお会いしましょう。

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