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推理の当たらない探偵

作者: 星P

あまり個人名出しても良くないと思うんですがムロ◯ヨシさんを探偵役にするとわかりやすいと思います


「霧男探偵犯人が分かったって本当ですか」

「はい、この名探偵黒田霧男にかかればどんな謎もすぐに解決できますよ」

「それで、犯人は誰ですか!」

「彰くんそんなに焦っていけませんよ」

「ごめんごめん、それで犯人は誰なんですか探偵さん」

「犯人は櫻井姫子さんあなたです!」



  ◇◇◇


いきなりクライマックスでなおかつ初手で犯人がわかってしまうという探偵ものの小説としてあるまじき始まり方だがそこは置いといてとりあえず本作の主人公の説明をしていこうと思う


冒頭で推理小説を見ていたら何回聞いたかわからないセリフを堂々と言い、自身を名探偵などと自称する現実にいたら痛くて見てられないようなこの男こそ本作の主人公、黒田霧男である

しかし、自称していた名探偵というのも()()()()()()()()()()()()()

事実この男が担当した129件の事件(ペット探しなど犯人がいないものは除く)のうち127件では見事に()()()的中させている

そう黒田霧男という男は名実ともに名探偵なのであるただある一つの欠点を除いて


そう、()()()()()()()()という欠点を除いて


ならなぜこれほどまでに犯人を当てれるというのか、それは霧男という男のもつ能力のおかげだ

霧男には犯人を見ると()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

推理もひったくれもない能力だが持っているのだから使わない訳にはいかない

それで探偵という夢はあるが収入の安定しない職業についているのだ


主人公の説明が長くなってしまったが場面は今回の事件に移る

依頼人の名前は山田彰(やまだ あきら)、優しそうな顔をした一人暮らしの大学生である

先日、帰り道に階段から落とされ腕を怪我している、利き腕を怪我していて生活がしにくいということで同級生で彼女の櫻井姫子(さくらい ひめこ)に手伝ってもらっている


「事情はわかりました、今回の依頼はその突き落とした犯人を突き止めてほしいということですね」

「はい、できますか霧男探偵」

「もちろんです、なんたって僕は名探偵なんですから」


自身に満ちた顔で笑みを浮かべる僕だが実際は動機が分からず冷や汗を流している

(やばいやばい、なんで僕はあんなに自信満々に答えてなおかつ名探偵なんて行っちゃたんだろう)

しかし凝視したところで仲良さそうで動機も見当たらないそれどころかこの人大丈夫かな?という目で見つめ返されるだけだ、ではなぜ櫻井姫子は彼氏を突き落とした?

『プルルル、プルルル...』

そう思っていると山田彰さんの方に電話がかかってきた


「すみません薫から電話がかかってきたので一旦席を外しますね」


そう言って山田彰さんが席を離れたとき一瞬彼女のほうが悲しそうな表情を浮かべた

(これだ!)


「犯人がわかりました、彼が戻ってきたらすべてお話しましょう」




という流れで冒頭に戻る


「犯人は櫻井姫子さんあなたです」

「「え?」」

「なんで、姫子が犯人なんだそんなはずないだろ!もし犯人で俺を怪我さて困らせたかったのなら俺をこうやって手伝う必要もないだろ!!」

「そうよ!まず動機がないじゃない!」

「動機ならありますよ、焦りです」

「焦り?」

「そう焦りです、あなたはさっき薫さんという女性と電話をしてましたよね、見たところあなたは顔もよく優しそうな人だ、この様子だとモテるでしょう、そのことに焦って不満をいだいた姫子さんはあなたを突き落とし怪我をさせ生活に困ったあなたを助け自分のほうがいい女だと思わせようとしたんじゃありませんか?」

「....違います!そもそも薫は男です」

「え?男?」

「はい、前に姫子も一緒に飲みに行きましたよ、しかも俺は大学では男子としかつるんでないので女子と話すことなんて姫子以外殆どありません」

(え?薫さんが男だったらこの推理最初っから間違っているじゃん、やばい超恥ずかしい)


そんなこと思っていると怒りに満ちた様子で姫子が口を開いた

「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あなたは何もわかっていない!何っっにも!彰くんそんな事する人間じゃない、彰くんは笑みが優しくて、かっこよくて、私の体調が悪かったらすぐに気づいて薬を出してくれたり、机に散らばっていた他の人の消しカスを集めて捨てたり、ショッピングモールに行ったときも私が着替えている間に店で乱雑にかけられてる服をきれいに書け直したり、イートインスペースで前の人が出しっぱにしている椅子を入れ直したり、高校時代は黒板の文字を率先して消してくれたり、放課後に誰もいない教室で机をきれいに整えたり、するような優しい人で、作るご飯も美味しくて、偶に味付けが薄くなってしまったときに薄いねって言いながら私のご飯から先に味を整えてくれたり、絵が下手で曇った窓に指を走らせて二人で絵を書いたら姫子は絵がうまいねって褒めてくれるところとか、そんな完璧な彼に不満を抱くはずないじゃない」


(やばい、変なところに火をつけちゃったこれずっと聞き続けるしかないのかな)

(てか僕、【!】マークだけで一行使っている人初めてみたんだけど)

なんて益対のない事を考えている間にも彼女は話し続けるきれいな長い髪が乱れているが気にしないらしい


「だからこそ、そんな完璧な彼だからこそ私をもっと頼ってほしいの怪我をしたら私を頼らないといけなくなるだから私が突き落としたのよ、そうすればもっと私に甘えてくれるから、だから探偵、二度と私の彰くんに変な憶測を建てないで」

「あ、っはぃ」

僕は姫子さんの迫力に圧倒され小さな声でそう言うのが限界だった

一方彼氏の彰さんは


「.....ッ、そんな....」

(そうだそうだ!、こんな人には一回怒った方がいいって)


「....そんな辛い思いをさせてごめん、これからはもっと頼ってもっと甘えるようにするよ」

(そっちかーーい)

(あっ、これだめなタイプの人たちだ、なんかもう僕疲れたや早々に帰ろう)


お金を受け取った僕は二人が醸し出す甘い空間から逃げるように(いや実際逃げているんだけど)事務所に戻っていった、そんな帰り道にいつものように風にかき消されるような声で呟く


「今日も、推理当たらなかったなぁ」

催促になるなるんですがもしよかったらリアクションだけでもお願いしたいです!

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