001 激しい痛み
「自信はある」
風一つない、
「勝算もある」
そこは地獄の三丁目。
「しかし、金が無い!」
――数時間前
「えーでは、この間のテストを返す。名前を呼ぶから、順番に取り来てくれ」
ぜひ考えてほしい
「田中」
もしこの世界が、
「佐藤」
夢だったら
「牧村」
「はい!」
人は、悪い事をするだろうか?
「牧村、今回は頑張ったなぁー」
「ありがとうございます!」
「次も頑張れよ」
「はい!」
「何だ?」
「それより何度も言いますが、俺は、牧村、じゃなくて、牧本です!」
「それは失礼した。牧村」
「だ・か・ら」
勿論俺はする
「次、久」
……はずだった。
「なぁ、牧本」
「何だ久」
「お前、どうやって、今回の試験乗り越えたんだ?」
「ふふふ、知りたい?」
「知りたいに決まってるだろ。万年最下位のお前が赤点じゃないなんて、間違いなく何かある、と思うのが親友の俺の役目だろ。やっぱ噂は本当だったのか」
「噂?」
「隣のクラスの天才美少女」
「「まどか」」
「それが」
「と体が入れ替わっているっていうのは……」
「ば、ば、ば、ばれt……」
「じゃあ、当然、今日の下着の色もチェック済みってことか」
「何色だと思う?」
「「白」」
「やっぱしろかぁー」
「な訳あるか!」
「じゃあ、どうして」
「実は、まどかに出る所教えてもらってるんだぁ~」
「それはどこで」
「勿論まどかの家」
「なぁ……」
「な、なんだよ。その冷めたコーンスープの様な目は……」
「ならなんでこの久さまを呼ばない!」
「先生、久君がうるさいです」
「久静かにしろー」
「それは、アァ、レェ」
「どうした牧村?」
「腹が痛い、はらがぁいたいぃ」
――ガァタン!!
「大丈夫かぁー牧村ぁー」
(だから先生、俺の名前は、牧本で……)
――ぴーぼーぴーぼー
やっぱタイムリープしている。