EPISODE Ⅴ ALL YOU NEED IS DEMIGOD
Ⅰ
「銃対の連中がメサイアセンターに突入を開始しました」
「入っている二人は?」
「昨日から連絡が取れていません」
「クソッ、銃対の連中、余計な事をしてくれる」
短く刈り込まれた銀髪を、魚家は煩わしそうに掻きむしった。そして、燃え残った煙草を、灰皿へとねじ込んだ。魚家は、紫煙と嘆息を同時に肺から押し出す。
助手席に座る阿部は、童顔という言葉すら生ぬるく感じるほどの若々しさを持った、魚家の後輩。三十歳という年齢は、彼の顔には到底刻まれていない。
七三分けに整えられた漆黒の髪は、彼の知的な雰囲気を際立たせていた。骨伝導メガネ型イヤホンが、彼の耳に吸い付くようにして装着されている。彼は、高解像度双眼鏡のレンズ越しに、メサイアセンターへと視線を固定した。
視線の先には、重武装した機動部隊の姿があった。ヘルメットや防弾ベストで身を固め、手には特殊小銃HK416で武装した銃対の隊員達の動向を注視する。
メサイアセンターの上空には、高度な自律制御システムによって運用される複数の多機能ドローン三機が徘徊していた。ドローンは、メサイアセンターの状況をリアルタイムで監視し、必要に応じて介入する準備を整えていた。
そして、メサイアセンターの周囲には、高度な装甲と防御システムを備えた多目的輸送車両が二台待機していた。これらの車両は、機動部隊の迅速な展開を支援し、必要に応じて強力な火力支援を提供する。
魚家は、部下の阿部と共に神解市北区王河町にある、救世魔神教会本部施設、通称メサイアセンターから約500mぐらい離れた場所に車を停めていた。車内には、灰皿から立ち上る消えかけの紫煙がゆらめき、どこか不穏に感じられた。
見渡す限りの田園風景の中に、巨大な白い宗教施設「メサイアセンター」がぽつんと存在した。二階建ての建物は数多くの窓を持ち、中央には塔屋と呼ぶにはあまりにも高い塔がそびえ立っていた。高地につくられたその構造物は、まるで異質な生命体が大地から生み出されたかのようだった。
公安が潜入捜査官二名を送り込み調査中だった救世魔神教会本部に、銃対が百万発を越える弾薬と違法製造されたマシンガンを、本部内に隠し持っている情報を理由に、公安の静止を無視して銃対が捜索に踏み切ったのだ。
「敷地から出ていけ、入ってくるな」
顔面部分に救世と漢字で縦にかかれた白い頭巾を被り、白い袈裟のような衣服を纏った信徒達が、ぞろぞろ銃対隊員達の方へ出てきた。
「警察だ、捜査令状がある」
先頭にいた隊員が銃を構えたままで言い返した。
「我々は何も違法な事はしていない、敷地に入ってくるな」
「捜査令状がある、施設内を調べさせてもらう」
白布を頭からかぶった信徒達は、銃を構え、鋭い視線を投げかける四十名ほどの銃対隊員達をじっと見つめていた。しばらくの間、両者の間には息をする音すらも大きく響いたかのように感じられた。
やがて、信徒達はゆっくりと踵を返し、メサイアセンターの中央入り口へと向かい始めた。彼らの背中には、生きた獲物を追う獣のような鋭い目が突き刺さっていた。
一方、銃対隊員達は、不気味な白い信徒達を一点の狂いもなく射程内に捉え、引き金を引く瞬間に備えていた。銃対隊員達の態度からは、恐怖よりもむしろ、冷徹な殺意が読み取れた。
「信徒達が施設内に戻って行きます、銃対がその後にぞろぞろ付いて行ってますね」
阿部が魚家に状況を報告する。
「やけに穏やかな展開だな、連中、捜査に協力的じゃないか」
先頭の信徒が施設の中央入り口付近に到達した時、
「止まれ、全員両手を上げて、跪いてからゆっくりそのまま腹這いになれ、振り向くな、その場にだ」
銃対の先頭の隊員の怒号が響いた。他の隊員達が、一斉に信徒達に銃口を向けて取り囲む。
「違法なのはお前達の方だ、令状をみせろ」
両手を上げたまま跪いた信徒が言った。
「黙れ、さっさと腹這いになれ」
銃対を指揮している隊員が、部下の六名の隊員に拘束した八名の信徒達のボディチェックを指示した。
ここに待機しろと命令し、他の隊員にハンドサインとアイコンタクトを送り、メサイアセンターの中央扉を開け、隊列を組んで素早く施設内へと突入した。
「銃対が中に入りました」
双眼鏡を観ながら阿部が言った。
「今日は早く帰れそうだな」
魚家が少し苦笑しながら煙草に火を点けてウインドウを開けて煙を吐いた。
「いつまで私達は這いつくばっていればいいんだ」
拘束され地面に腹這いになった信徒が言った。
「黙れ、捜査が終わるまでだ」
銃口を喋った信徒にむけて、銃対隊員が怒鳴る。不気味な静寂の中、時間がゆっくり流れていく。
「よし、行くぞ、銃対のバスの後ろに付ける」
魚家が吸いかけの煙草を灰皿にねじ込み、車のアクセルを踏んだ。
「お前達のような不信心な輩に、このような仕打ちを…」
信徒の言葉を遮るように、殺気だった銃対隊員が、腹這いになった体勢の信徒に銃口を向ける。「いいから黙ってろ」と、男は吐き捨てるように言った。時計の針が刻む一秒一秒が、重くのしかかる。無線機から聞こえてくるのは、静寂を破る雑音と、自分の高鳴る心臓の音だけだ。いつまでも報告がない。一体、中で何が起きているのか。
魚家達が、銃対の装甲バスの後方に車を停車させた。魚家と阿部は、装甲車の巨体を背に、ニ台目の装甲バスへと近づこうとした、その瞬間、「パン、パン、パン、パン」と、耳を打ち抜く乾いた破裂音。視界を埋め尽くす閃光。空気が鉛のように重くなった。視界を遮る銃弾の雨は、まるで地獄絵図が広がっているかのようだった。
「ドシャ………」
双眼鏡でメサイアセンターの方を見ようとした阿部の頭部が破裂して、その場に倒れた。首の傷口から、夥しい量の血液が流れ、地面が赤く染まって行く。
「あ、あ、阿部ぇぇぇぇぇぇーーー」
凄まじい銃撃音の中、魚家が絶叫した。
脳みそが飛び散り、血染めの地面に横たわる阿部。その光景は、魚家の脳裏に焼き付いた。耳を震わせる銃撃音。心臓が爆発寸前だ。恐怖と絶望が、魚家の精神を飲み込んでいく。必死で阿部の死体を引きづり、魚家は乗ってきた車を盾にする形で身を潜めた。
「クソッ、何だ、一体何が起きているんだ」
魚家は阿部の持っていた双眼鏡を探した。銃対のバスと自車の間に転がっている。だが、この状況で取りに行くと自分も狙撃されるだろう。震えた手で銃を握りしめたまま、音がしなくなるまで耐えろと、自分に言い聞かせる。
「カン、カン、カン」
甲高い金属音が空から聞こえた。銃対隊員が操作する三台のドローンモニターが、ブラックアウトしていく。銃対のドローン三機が撃墜されたようだ。
「だ、誰か、応答しろ、誰でもいい、一体どうなっている、状況を報告しろ」
魚家の乗って来た車両の前方に停車された、ニ台目の装甲バスのバックドアが開いた。ドローンを操作していた隊員達三名が、慌てて銃を持って降車し、バスを盾にするようにバスの裏側へと、すべり込んで来た。
「公安四課の魚家だ、状況は?」
視線が合った銃対隊員に魚家が聞いた。
「公安?状況は見ての通りだ、突入した隊員達と連絡がつかない、ドローンも落とされて状況が分からない」
銃対隊員達は焦り、取り乱していた。
「ドーン、ドーン、」
メサイアセンターに近い場所に停車してある先頭の装甲バスが重い衝撃音を響かせ狙撃されている。さらに、もの凄い重低音と共に揺れている。
「どっかの窓からキャリバー50で撃ってきている、戦争でも始める気か?」
「クソカルト共が」
「息ができない、肺をやられた」
先頭の装甲バスのバックドアが開いた。銃対隊員達が、悪態を吐きながら出て来ようとしたが、メサイアセンター側からの銃撃が苛烈でバックドアから出られない。
「俺が、囮になる、俺が出たら走れ」
負傷した隊員を支えて外に運び出すため、
バックドアから一名の隊員が飛び出して、銃撃の注意を逸らすため囮になった。中にいる隊員達を援護するため、メサイアセンターへ向けて銃を乱射しながら装甲バスから離れていった。
「ドシャ」
囮になった隊員が、キャリバー50の餌食にされた。阿部と同様に頭部をまるごと吹っ飛ばされ、真っ赤な鮮血が地面にぶちまけられた。囮になった隊員が命懸けで作ったその隙に、バックドアから他の隊員達が魚家達の所へ雪崩れ混んで来た。銃対の隊員の一人が緊急信号弾を頭上に撃った。
「もっと高い保険に入っておくべきだった」
魚家は、苦笑しながらスマホのディスプレイを血で汚れた指でなぞり、阿部の遺体を一瞥し呟いた。メサイアセンターの中央入り口で信徒達を拘束していた銃対の隊員達の姿が見えない。拘束され地面に腹這いになっていた信徒達の姿もなかった。
中央入り口の扉が僅かに開いた状態で、通信もなく約四十名の銃対隊員達は消失した。
ここまで四十五分間、銃撃は止んでいない。
Ⅱ
「撤退命令だ。一旦後退し、戦線を立て直す。」
無線で本部に状況を報告し、生き残った隊員内で一番肩書きが上の銃対隊員が、生き残った他の銃対隊員達に指示を出し始めた。隊長代理の嗄れ声は、轟くキャリバー50の銃声に掻き消されそうになる。生き残った銃対隊員達は、泥にまみれた顔で、彼の言葉に聞き入っていた。
「全員、匍匐前進でこの場所から離れ、増援部隊と合流する。」
隊長代理は、視線を前方に向けたまま、命令を続けた。地面を這い回る兵士たちのすぐそばを、弾丸が掠めていく。耳をつんざく銃声は、まるで彼らの鼓動を嘲笑うかのようだった。
「神よ、我々をこの地獄から救い出してください。」
誰かの呟きが、静まり返った戦場に響いた。銃対隊員達は、ただただ、この無意味な殺戮から逃れたいと願っていた。
飛び交う銃弾が、銃対隊員達の顔から僅か20cmぐらいを何度も掠めた。
「確かにこのままじゃ、死ぬだけだな」
弱音を吐いた魚家が、地面に這いつくばり、匍匐前進で銃対隊員達に必死に付いて行こうとしたその瞬間、
「ガシャン」
魚家達が、乗って来た車両のルーフ上に、黒翼を羽ばたかせた、痩せ型で背の高い信徒が立っていた。右手からニ名の男性の生首を魚家と銃対隊員の間に投げ捨てた。生首は、両目をえぐられて黒い空洞から蛆虫が湧いている。
その生首が、公安の潜入捜査官の田中と山本だと魚家だけは気づいた。匍匐前進の体勢から銃対隊員達が一斉に身体を反転させ、黒翼の信徒に向かって銃口を向けて発砲した。
魚家も握った銃の弾がなくなるまで引き金を弾いた。信徒は黒翼に身を包み、全ての銃弾を翼で弾き防いでいる。魚家は、突然訪れた絶望と、死天使との出会い。初めて抗えない死を意識した。
「愚かな警察の犬共よ…….私が、救済を、お前達のその穢れた魂を救ってやろう」
黒翼を羽ばたかせた信徒が、マシンガンの銃口を地面に這いつくばる銃対隊員達に向けた。銃身を撫でるように動かし、乱射する。
「クソッたれ」
銃対隊員達が次々に被弾し血飛沫を上げて絶命していく。魚家は、阿部の頭部のない死体を手繰り寄せて盾にした。阿部の冷たく重い死体が、上下に弾んだ。阿部の骸から流れた赤い血が、生温かった。
その近くにいた三名の隊員は、咄嗟に転がり被弾したが、致命傷は何とか避けたようだ。それ以外の銃対隊員は被弾し即死した。絶命した隊員の空虚な目が、蒼く濁った空を見つめている。
「ガシャ」弾切れした違法マシンガンを、愛おしく見ながら、黒翼の信徒がマガジンを交換する。
「公安の鼠が全部吐いたぞ、このマシンガンを捜査しに、警察がくるかも知れないと」
黒翼を羽ばたかせ、信徒が違法マシンガンの銃口を魚家達に向けながら言った。
魚家と銃対隊員はその威圧感、圧倒的な戦力差に動けず、仰向けになったままじっとしていた。魚家は、腰に隠した銃をいつでも抜ける様に左手を腰近くまで下げたまま、信徒の方を睨みつけていた。
そして、黒翼の信徒が違法マシンガンのトリガーに指をかけたその瞬間、
「外道、滅殺」
という声が響いたかと思うと、黒翼の信徒の体が真っ二つに割れた。まるで熟れた果実が二つに裂けるように。噴き出す黒血は、群青色の空に映えて、不気味な美しさを帯びていた。ドロドロした墨汁のような黒血が、車両の上から、魚家と銃対隊員達に向けて、ドス黒いシャワーになって降り注いだ。
「魚家殿、お怪我は」
「わ、私は、大丈夫だ。ここから撤退だ、た、助かったよ、ハヤブサ君、ありがとう」
魚家が黒血で汚れた顔を拭いながら、仰向けの体勢からハヤブサに礼を言った。銃隊隊員達も、魚家も、斬られた黒翼の信徒すらも、ハヤブサが近づいてくる気配に気付くことすらできなかった。
起き上がった魚家は、真っ二つになった信徒、潜入捜査官だった田中と山本の生首。そして、阿部の遺体写真を素早くスマホに収めた。地面に転がる黒血で濡れた違法マシンガン、おそらく改造されたAK-47を拾い上げた。
魚家は、銃対が先走ってこんな事態を招いてしまった事に憤りを感じたが、目の前にいる銃対隊員達が自ら起こした訳ではないのは分かっていた。緊張の糸が切れたように安堵する銃対隊員達に、違法改造されたAK-47を手渡した。
「ハヤブサ君、私達を安全な所まで案内してもらえないか?」
「承知」
ハヤブサは、敵の注意を逸らすための囮となり、魚家達は這いずるようにしてメサイアセンターから離脱した。もしハヤブサがいなければ、魚家達は間違いなく、死骸と化していただろう。
ようやく増援部隊と合流し、装甲車両に乗り込んだとき、魚家の顔には絶望の色が濃く映っていた。阿部、田中、山本。彼らの無残な最期が脳裏をよぎる。この経験は、我々の精神に深い傷跡を残し、PTSD 《心的外傷後ストレス障害》になり苦しむ者もいるだろう。
装甲車両の中で、魚家は泥にまみれた両手をじっと見つめ、ハヤブサに語りかけた。
「地獄だったな……」
魚家の言葉にハヤブサは沈黙したまま、ただ、深く頷くだけだった。この問いは、魚家の心に深く突き刺さった。
Ⅲ
「もしもし、こちらは交渉を任された公安の浜口だ、これから私が全交渉の窓口になる、君が教祖の品内浄か?」
公安四課、対変異体課部長、浜口はデスクの上にあった物を全て、その右腕で床に薙ぎ払うと、救世魔神教会の教祖である品内浄へ電話をかけていた。
「そうだ、私が品内浄だ、警察は何故いきなり我々の敷地に武装して入って来た?」
「それは違法マシンガンの捜索で銃対が捜査令状を取り、行った事だ」
「まあいい、気になってるのはこいつらの事だろう?」
電話越しに何名かの呻き声が聞こえる。
「突入した銃対隊員は生きてるのかね?」
「勿論、生かしてある、何人かは勝手に死を選んだがな」
「具体的に何名生存しているか教えてくれないか?」
浜口の眉間の皺がより深くなった。
「おい、お前、名前はなんだ?」
電話の向こうで品内が誰かに呼びかけた。
「高田だ」
高田、突入した銃対の隊長だ。
「何人生きている、公安が教えて欲しいらしいぞ」
「よ、四名だ」
「だ、そうだ」
突入した銃対隊員の生き残りは高田を含め、四十名中、四名、三十六名はすでに殺害されている事になる。高田は顔面蒼白で両手を後ろ手に拘束され跪いている。高田の声を聞いた浜口の額に、汗が滲んだ。
「その四名を解放してくれるのか?」
「こちらの要求はシンプルだ、我々に干渉するな、その一点だけだ」
「こんな銃撃戦をして警察が黙っていられる訳にはいかないだろう」
魚家が提出した、田中、山本、阿部の無惨な死骸写真が浜口の脳裏にフラッシュバックした。
「そちらが武装して突入してこなければ誰も死なずに済んだ」
「そんな事がまかり通るわけがない」
「そうだな、浜口さんと言ったか、今から予言しよう、ん〜もうすぐお前の部下が書類か伝言をお前に持って来る、必ずだ、そしてそのメッセージを受け取ると警察はこれ以上我々に干渉しなくなる、だ」
ふざけた事を抜かしやがってと内心、腑が煮えくりかえる思いを浜口が抑えていると、
「部長」と、部下が一枚の書類を浜口に渡した。外務省から捜査中止の要請、これから救世魔神教会へ干渉せずに何も起きなかった事にしろというものだ。
「く、バ、バカな………」
「予言は当たったようだな、この四人は解放してやる、そうだな一週間後でどうだ?それまでこいつらが生きてたらの話しだが」
「ふざけるな、このクソ野郎」
高田の叫ぶ声が電話越しに聞こえる。
「残念だ」
四人跪いた銃対隊員の、高田から一番離れた位置いた隊員を品内が指差した。
「ドシャ」
鈍い音が電話越しに聞こえる。
「何だ?何が起こってるんだ?」
「いやあ大事な会話を遮るマナー違反があったのでね」
高田は歯で下唇を噛んだ、唇から血を流しながら自分のミスで頭部をミンチにされた部下を見ていた。
「君達の目的は一体何だ?」
「救済だ」
「具体的に教えてくれないか?」
「私は神に選ばれた、信者達の魂を救済し導かなければならない」
「それに弾薬や改造銃が必要なのか?」
「それは我々を不当に滅ぼさんと違法に武装して突入してくる輩や、変異体と呼ばれる哀れな者共の魂を救済するためだ」
一週間後に人質になった三名の隊員が帰ってくるかは分からない、帰って来ようが外務省から捜査中止命令が出た時点で、交渉もクソもない。狂っている、ただそれだけを浜口は理解した。
しかし、どうやって品内は外務省を使って捜査中止の圧力を掛けてきたのかが分からなかった。
「もういいだろう、公安の浜口さん、全て忘れてくれたまえ、一週間後に四人、いや三人になってしまったな、三人は解放する」
電話越しでも品内がニヤついているのが、浜口には感じるとれた。
「待ってくれ、最後に一つだけ聞いていいか」
「ああ、一つだけだぞ」
「君は神を信じているかね?」
沈黙───────
「私が神そのものだ」
そこで電話は切れてしまった。浜口は目を瞑ったまま固まっていた。
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See you in the next hell…
Huh
解説 H&K HK416(Heckler-und-koch HK416)(HKM4)は、独ヘッケラー&コッホ社(H&K社)が開発したカービンタイプのアサルトライフルである。
解説 キャリバー50とは、
正式名称ブローニングM2重機関銃の通称である。高い信頼性、ストッピングパワーを持つことで知られる。口径が0.50インチであることから別名“キャリバー50” (Caliber .50) や“フィフティーキャル” (.50 Cal) と呼ばれる。とにかく狙われたらヤバイ奴である。
解説 AK-47自動小銃、通称、カラシニコフは世界中で最も知られたアサルトライフルの一つであろう。
解説 PTSD(PostTraumaticStressDisorder)とは、ひどく衝撃的な出来事を体験した後、1か月以上の時間が過ぎても、その時の体験や記憶を無意識に思い出したり、夢に見たりすることなどが続き、日常生活に支障が出ること、日本語では“心的外傷後ストレス障害”という。
今回のED曲は、FEAR FACTORYのREPLICA です。
是非読み終えたら聴いてみて下さい。