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撮影現場と時間が被ったドラマと特撮【1000文字未満】

作者: 平之和移


朝九時。子供達がテレビの前に集う。一部の大人も気になって画面を覗く。今時テレビで見るものは限られているが、今から見るのはその限られているものだ。


特撮ヒーローものが始まった。最近の内容は味方の内輪もめばかりだ。戦闘があるので子供は飽きない。大人もSNSで話せるシーンを探している。


ダムの上で主人公と味方が戦っている。その脇で視聴者の知らない女性が黄昏ている。さらにその隣で、カメラマンが彼女を撮っていた。ヒーロー達は見ないふりをして戦っている。


「麗奈!」


スーツ姿の男が走っている。麗奈と呼ばれた女性が気難しい顔で、だが振り返らない。ヒーローは蹴りあっている。


麗奈は「今更、何よ」と震えた声で女に答える。男は唇を強く閉め、悔恨に包まれている。ヒーローが必殺技を放ち爆発が起きている。テレビの映像はヒーローを捉えていて、後ろの痴話喧嘩はよそもよそ。


主人公ヒーローは味方に吹き飛ばされていた。変身が解け、ボロボロの姿。主人公を蹴った味方ヒーローは彼を蔑み、「お前にゴールドラインは渡さない」などと言い、とどめを刺すためにベルトのボタンを押した。しかしその声は聞こえなかった。男と女が気持ちを大声でぶつけあっているのだ。


必殺技が放たれるその時、背後からの攻撃に倒れた。なんと、悪の秘密結社の怪人だ。「ゴールドラインは我々が貰う。削りあってくれて助かったよ」


主人公ヒーローは何とか立ち上がる。味方ヒーローは苛立ちを怪人にぶつけて、反撃で吹き飛ばされる。だが主人公、変身。崩れた体で怪人と戦う。男と女は和解した。


戦闘のうしろで、女は男に手を取られ、ダムから帰路へ行く。怪人の横を通り過ぎ、幸せへ。


突然、黒幕が時間を止めて現れた。男と女とそれを撮るスタッフ達以外の時間が止まる。黒幕は怪人を倒した。「ゴールドラインは、最早どこにもないのだよ」気になることを言い残し、消えた。主人公達は、唐突なことに驚きを隠せなかった。


この話はネットで話題になった。今でも最強議論ではこの男女が挙げられている。

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