◇8◇安定と停滞と
変化は、めんどくさくて嫌いです。
ものごとのはじまりは。
淡い期待と。
それを上まわる、不安に満ちているものです。
不安。
現在の安定を、おびやかし、ゆるがすどころか。
くつがえし、破壊することさえ、しかねない。
そんな大きな変化。
私たちは。そこに、不安をおぼえるのではないかと考えます。
ですが。
安定は。
ひとつまちがえれば「停滞」となり。
不可避な変化に、乗り遅れてしまうことを招き。
結果。
深刻なダメージを負うことと、なるでしょう。
変化がおわれば、そこにはまた新しい安定がうまれ。
停滞を避けるのなら。やがて、また不安とともに、次の変化をむかえる。
なまぬるい停滞のうえで、あぐらをかいて。
変化からとり残されるのを、よしとせずに。
不安とたたかいつづける。
そんな姿勢は、美しいものだと私は思います。
不安に、おびえ。
おそるおそる、だとしても。
くりかえします。
停滞を選び。
不可避な変化に、乗り遅れれば。
深刻なダメージを、負うことになるでしょう。
まさに「手痛い」ダメージ——「停滞」だけに。
足踏みでも、歩んでる気分。
あれ? どこへも着かないや。