◇63◇繰り返す、これは訓練でしかない!
消化器、使ったことないです。
消防訓練ってしてますか?
いざ、火事となったとき。慌てないために。
いや、慌てはするんですけどね。
それでも、きちんと対処できるように、訓練しておくのはいいことだと思います。
避難もそうですけど。
ちゃんと、消化器を使えますか?
逆巻く炎を消すために、消化器片手に立ち向かうなんて。いきなりできるものじゃあ、ありません。
やっぱり、訓練しといたほうがいいって思いますよ。
では、レッツ・トライ!
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
はい、火を用意しました……けど。
ぼわわっ
うん、キャンプファイアくらいの炎ですね。
まあ、最初はこんなもんでいいでしょう。
さあ、消化器を……って、あれ?
どこまで、遠く離れてるんですか?? いくらなんでも、そこまで離れてたら、消化器、届きませんよ!
え? 火が怖い?
いや、わかりますけど、キャンプファイアでも、もうちょっと近くに輪をつくるでしょ?
……無理?
……ふぅ。やれやれです。
せっかくの消防訓練だというのに。
収穫といえば、火の怖さを確認できたくらいですか。
そういう意味では、発火に対する警戒心を高められたとはいえ「消防」としては——
しょぼっ!!!
布のすべり台みたいなやつ。
上の階から地上に逃げるためのやつは、やったことあります。




