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悪夢。そして嵐がくる

誰かが僕に話し掛けている。

「もうお前の顔なんか見たくねぇんだよ」


「えっ!?待ってよ!どういう事?僕何かした!?」

雄は必死に問いかける。


「うぜぇよ。明日から話しかけんなよいいな?」

誰かが冷酷な言葉を浴びせる。


「そんな…なんでだよ。いつもあんなに…」

徐々に目の前が真っ暗になり、そして意識が覚醒する。


「ハァハァハァ…うっ…クソッ」

雄は目元を腕で拭う。

「あの夢、久し振りに見たな。やっぱりキツいわ」


コンコンコン

ドアをノックする音が聞こえる。

「兄ちゃん!おはよー!」

紗奈だ。雄はベッドから起き上がりドアを開ける。

「おはよう。紗奈」

「…兄ちゃん、どうかしたの?なんか具合悪そうだよ?」

紗奈が心配そうに雄の顔を覗き込む。雄はしっかり笑顔を作っていたつもりがダメだったらしく、紗奈から目を逸らし頭を掻く。再び紗奈に目線を戻して

「大丈夫だよ!ありがとな」

そう言いながら紗奈の頭をクシャクシャっと撫でる。今度はしっかり笑顔で…


リビングへ行くともう既に朝食の準備がされていた。

「あら、2人ともおはよう」

茉奈がエプロンを外しながら言う。

「おはよー」「おはよう!!」


雄と紗奈も挨拶を返す。

この家族は何があっても絶対に挨拶と見送りだけはするのだ。父が亡くなったあの日、誰も見送りが出来なかった。それから朝倉家ではどんなに喧嘩していても絶対に挨拶と見送りだけは欠かさない。またお帰りなさいを言うために。


「ねぇ雄」

「んー?」

茉奈がご飯を頬張る雄に話し掛ける。

「今日土曜日だし紗奈とショッピングに行こうと思うんだけど、雄も一緒にどう?」

茉奈が上目遣いで尋ねる。

「そんなの聞かなくても答えは出てるだろ?答えはNoだ!」

雄は箸でバッテンを作ってみせる。

「紗奈、兄ちゃんと買い物デートしたいー!」

紗奈が雄の片手を握りブンブン振って粘る。この時雄はデートか、とほんの少しだけ心が揺らいだ。ただ直ぐに平常心に戻った。

「なにがデートだ!茉奈と2人でしてこいよ!」

手を振りほどくと紗奈はほっぺを膨らませて見せた。妹らしく愛らしい姿だ。

「2人とも、早く食べちゃいなさい!」

「はぁい」「へーい」

雄と紗奈はお互いのせいで茉奈に怒られたとブツブツ言い合いながら食事を済ませた。



「じゃあ行ってくるね」

「行ってくるねー!!」

玄関扉を開けながら茉奈と紗奈が言うと

「はいはい、行ってらっしゃい。お土産よろしくー」

雄が力なく手を振りながら見送る。

「紗奈、ちゃんと折りたたみ傘持った?」

「ちゃんと持ったよー」

扉の向こうで茉奈と紗奈の声が聞こえた。

「ふぅー。さてさて今日はネトゲでもやるかなー」

すぐさま自室に戻りヘッドホンを装着しPCへ向かった。




「ねぇ茉奈姉ちゃん」

「ん?どうかしたの?」

ショッピングモールに向かっている途中、紗奈が突然真面目な顔で話しかけてきた。

「あのね朝、兄ちゃんを起こしに行ったんだけどなんか元気なかったんだ」


「それは寝起きだったからじゃないの?」


「違うの!!なんていうかよく分からないけど兄ちゃん、すごく辛そうだったんだ」

紗奈は茉奈に必死に伝えようとした。雄がなにか悩んでいるのではないか。困っているのではないか、と。


この時茉奈は雄の辛そうな表情をイメージ出来た。おそらくその表情は家から出なくなったあの日の…


「そっか…ならお土産はあの子がすっごく喜ぶものを選ばないとね!」

「うん!兄ちゃん、紗奈が元気にしてあげるからねー!!」

紗奈は嬉しそうに返事をし、お土産選びを俄然張り切った。



こちらはそんな話をしている事を知る由もなく呑気にゲームに勤しんでいた。

「休憩休憩っと」

雄は飲み物を取りにキッチンへ向かう。その時だった。


ピンポーン


チャイムの音が雄の耳に届いた。

「誰だよ。人の休憩時間を邪魔するのは!その面拝んでやる!!」


インターホンのモニターを点けるとそこにはショートヘアーの可愛いとも綺麗とも思える女の子が立っていた。

「すみませーん!朝倉雄くんいますかー?」

女の子はインターホンに尋ねる。


「あれ?この顔どこかで…」

思い出せそうで思い出せない。


「ピッて鳴ったしそこに居るんでしょー?ねーえー!」

朝倉家のインターホンは通話ボタン押すとモニターも点くが相手側にも音が鳴る、押すなら防犯モニターのボタンであった。

「しまった、押すボタン間違えた…普段出ないからつい」


「雄ちゃんってばー!!!!」

インターホン越しに叫ぶ女の子。

「!?この呼び方!思い出したぞ!」

ついに雄は誰だったか思い出し話し掛ける。

「お前、莉緒…か?」


「やぁっと喋ってくれたー!うん、莉緒だよ!久しぶり雄ちゃん」

莉緒は笑顔でインターホンのカメラを見つめていた。

3話目ですー!

読んで頂きありがとうございます♫

まだまた内容が薄っぺらいのと盛り上がりに欠けますね。もっと精進します\\\\٩( 'ω' )و ////


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