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シスコン フルスロットル

「んー! よく寝たー!!」

そう言いながら背伸びをする雄。

「喉乾いたな。よいしょっと」

ベッドから降り、リビングへと向かう。するとリビングから声が聞こえる。

「ん? 紗奈か? 誰と喋ってんだ」

微かに聞こえる声に雄は耳をすます。

「あはは! 紗奈ちゃんは面白いなぁ!」

「そうかなぁ? えへへ」


(男!? おいおいおいおい!! どういうことだ!? 紗奈が…男を連れ込んでる!? 茉奈は!? そうか出掛けるって言ってたっけ? えっそういう事? 茉奈が居なくて僕は寝てるから家に呼んじゃえ的な!? あれだけ兄ちゃん好き好き言ってたのに!?)


雄は今までにない程動揺していた。


(もしあの男が紗奈に手を出すようなら2度と立ち直れなくしてやる!!)


凄まじいほどのシスコンっぷりがここにきて発揮される。どんな目に合わせてやろうかと考えながら雄はリビングに近付き聞き耳を立てた。その姿はまるでスパイもしくは泥棒である。


「…でね兄ちゃんったら…」

「あはは! そうなんだ! 面白いね!」


(何も面白くねぇよ! 不快だよ!くそーっ楽しそうにしやがって! こうなったら…)


ガチャ


「あっ! 兄ちゃん!」

「おう、紗奈! 今日も可愛いな」

「はぁ!?ちょっいきなり何言ってんの!?」

顔を真っ赤にして両手で頬を覆う。その姿が本当に可愛らしい。紗奈はハッとなり男の子の紹介をしようとする。

「そんなことより兄ちゃん! こちら…」

「初めまして! 山村翔也です! 紗奈さんとは中学の同級生で仲良くさせて頂いています!」

とても礼儀正しい好青年であった。がしかし…

「フンッ! 知らん!!それより紗奈、おやつ食べるかぁ?」

まるで娘が彼氏を連れて来た時のような態度をとる雄。

「もー! 兄ちゃん! 何でそんな意地悪するの!? 翔也君ごめんね」

「いや、いきなりお邪魔した僕が悪いんだよ。ごめんなさいお兄さん」


(誰がお兄さんだ!! 馴れ馴れしくお兄さんと呼ぶんじゃねぇ!! 僕の右ストレート食らわすぞ!)

と思ったがさすがにここは我慢し、荒ぶる感情を抑えた。


「紗奈、そいつはお前のかっかか彼氏か?」

動揺が隠しきれず言葉を噛むわ翔也を指差す手が震えるわで精神状態ギリギリである。

「あっいえ…」

翔也が答えようとした時に紗奈が割って入った。

「そうだけど文句ある!?」

紗奈がそっぽを向きながら腕を組んでそう答えると


ガタンッ

雄が膝から崩れ落ち、口がポカーンと開いたまま天井を仰いでいる。まるで魂が抜けてしまったようだ。


(あんなに可愛がっていた妹が何処の馬の骨ともわからないような奴に奪われるなんて…)

もはや雄のHPは0に近く画面が真っ赤っかである。


「ちょっと紗奈ちゃん! ダメだよ! ごめんなさい、お兄さん! 僕と紗奈ちゃんはただの友達で付き合うとかそういう関係じゃないんです!!」

雄を揺さぶり正気に戻させようとする翔也。あんな態度をとられているのに本当に良い青年だ。

「…本当に?」

雄は今にも泣きそうな声で聞き返す。

「はい!」と爽やかな笑顔で返事をする翔也。

(もしかしてこいつ。本当は良い奴なのか?)

本当はもなにも雄は翔也の事をなに1つ知らない。ここで一件落着かと思ったが紗奈の怒りが収まっておらず雄に一撃必殺の言葉を浴びせる。


「ホントはラブラブだけどね!」


プツン

この時雄の感情の糸が切れた。


「ゔわぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!」

雄は号泣しながら自分の部屋へ走り去ってしまった。


「紗奈ちゃ〜ん?」

「エヘヘ…やり過ぎちゃったかな?」



雄は自分の部屋で体操座りをして泣きべそをかいている。すると部屋の扉が開けられ紗奈が雄の後ろで正座をした。


「さっきはごめんなさい! 兄ちゃんがあんまり翔也君に酷い態度をとるからつい…でも翔也君に叱られちゃった」

「紗奈を叱るなんてふざけた奴め」

雄は鼻をズズッとすする。

「あはは…でも良い人だよ? 優しくて思いやりがあって」

「なんであいつ連れて来たんだ?」


「兄ちゃんに紹介したくで…」


「お前ら! やっぱり付き合って…ブフッ!!」

紗奈ビンタされ頬を押さえる雄。

「最後まで聞いてよ! 紗奈はただ…兄ちゃんに男の子のお友達がいた方が良いかなって…ただそれだけだったの」

「そっか…ごめん」

「謝るなら翔也君に謝って!」

「うっあぁそうだな。あいつは?」

「もう今日は帰るって! また来てくれるって言ってたからその時にね?」

「わかったよ」

雄が翔也に謝る事を承諾した事で紗奈は安心して部屋から出ようとしたが足を止め、顔だけ雄の方に向け言った。

「それにね。紗奈は世界中の男の人の中で雄兄ちゃんが1番大好きだよ!」

部屋が真っ暗であまり見えなかったが、紗奈は顔を少し赤くしながら笑顔だったに違いない。



(シスコン万歳!!)


更新が遅くなってしまいました(´-д-`)

出来れば今日中にもう1話アップしたいですね!

私も紗奈ちゃんみたいな妹が欲しいですw

今回も読んで頂きありがとうございました!

少しでも楽しんでいただけたら評価、ブックマークよろしくお願いします♫

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