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姉妹の決意

朝倉家


カタカタカタカタ

カチッカチカチ

PCを操作する音が無駄に広い部屋で響く。

部屋は閉め切っており真っ暗だ。

「ふぅ〜…よしっ!」

男が背伸びをしながら満足げな笑みを浮かべている。

「いやぁ今日のお勤め終了しましたわ〜」

PCの画面を見てみるとそこには

【お買上げありがとうございました。】

と表示されている。

この男はネットショッピングに興じていたのだろう。


「いまから何しようかなぁ…ゲーム、アニメ、漫画、ラノベ、寝るか…おいおい大忙しだな!」


「とりあえずエネルギーを充電するか」

結局男は睡眠を選んだようだ。

ものの数分で深い眠りにつきどれだけ時間が経ったのだろう。男は未だ起きる様子はない。


ドンドンドン!!


部屋のドアを激しく叩く音が男の耳に刺さる。


「うわぁ!な…なんだ!?」


慌てて飛び起きる。


ドンドンドン!!!

先程よりも激しくドアが叩かれる。


「兄ちゃん!いつまで寝てるの!?早くご飯食べようよ!」


妹の紗奈だ。中学2年で男の2つ年下。しっかり者でお節介焼き。普段はおしとやかでめちゃくちゃ可愛い。

ただ…


キレるとマジで怖い。

1年くらい前に全力で無視していたらドアをハンマーで破壊して入ってきて一言。

「兄ちゃん、これ以上無視するなら…ね♡」

紗奈はハンマーを片手に微笑んだ。


それ以来僕は下手に紗奈を刺激しないようにしている。


「紗奈!お前、学校は!?」

男はビクビクしながら問いかける。


「行くよ!行くけど兄ちゃんが来ないからご飯が食べられないの!」

そう。この家は必ず揃ってご飯を食べなければいけないのだ。全く面倒な決め事だ。


「これ以上紗奈とお姉ちゃんを待たせるなら…」

そして男は分かった。これ以上引き延ばすといろいろと終わる。


「わっ分かった!!すぐ行く!行くからぁ!!」

男は慌ててベットから出て躓きながら部屋のドアを開ける。


「おはよう!兄ちゃん」

手を後ろで軽く組んで少し前かがみ気味に紗奈が満面の笑みを浮かべている。いつもこうなら可愛いのに…なんであんな凶悪になるんだろう。


「ん…あぁ、おはよう」

男はバツが悪そうに言うと、2人で一緒にリビングに向かう。


「兄ちゃん、また夜更かししてたの?」

紗奈は手を後ろで組んだまま足を投げるように歩みを進めながら男に尋ねた。


「あ〜そうだよ。ちょっとエッチなやつ見ててさ」

男は不敵な笑みを浮かべながら紗奈を揶揄うように言う。


ドスッ!!

「うぐっ!」

男の横腹に妹の小さな拳が刺さった。

悶絶しながら紗奈に目をやると赤面しながら涙目になっている。

「ちょっ…さな…」


「兄ちゃんのバカ〜〜〜!!!!」

紗奈は全力でリビングへ走り去った。


「イテテ…なにも本気で殴らなくてもいいのに」

男も涙目でヨタヨタとリビングへ向かった。


男はリビングの前に到着し、ドアノブに手を伸ばそうとした瞬間物凄い勢いでドアが開けられた。


ガンッ!!

「ぐわっ!」

ドアが男のデコにクリーンヒットし、男はデコを両手で覆いながらしゃがみこんだ。


「いてぇ〜なんなんだ今日は。僕がなにか悪い事したかぁ?」

再び涙目になりながら独り言を言う。


「悪い事なら常にしてるでしょうが」

冷たい言葉が男の頭上に降り注ぐ。男がしゃがんだまま目線を向けるとそこには姉がいた。


「げっ!茉奈!!おっおはよう」

一気に男の顔が引きつり青ざめる。無理矢理笑顔を作りながら片手をあげる。


「姉に向かってげっ!とはご挨拶ね。おはよう」

茉奈はまさに才色兼備。家事、学業、スポーツなんでも出来てしまう。さらに芸能人並みに顔が整っている。僕の高校の生徒会長だ。普段は優しく思いやりのある姉だ。

ただ…


「で、あなたは紗奈になにをしたのかしら?」

怒りを露わにし尋ねてくる。そう。姉の茉奈は妹を溺愛しているため、もし妹に危害を加えようものなら亡き者にされてもおかしくないレベルでシスコンなのだ。


「いっや〜ちょっとからかっただけのつもり…」

男は目を泳がせながら説明しようとした。が…

「で?」

茉奈が冷たく詰め寄る。


「すっすみませんでしたーー!!!」

男はすぐさま見事な土下座を敢行して見せた。


「私に謝ってどうするの?謝るなら紗奈にでしょ?」

そういうと茉奈はリビングのソファーに座る紗奈に目をやる。

「紗奈、ごめんな。僕が悪かった」

男は素直に謝罪した。


「んーん、紗奈も殴っちゃってごめんなさい」

紗奈もしっかり謝罪をする。


「よし!これで一件落着ね!さぁご飯食べましょう、遅刻しちゃうわ」

慌てて朝食を食べる3人。

いまこの家に住んでいるのは3人だけなのだ。父は早くに他界しており、母は海外で仕事をしているので年間通してもほぼ家にいない。実質3人暮らし。ただ母の収入はかなり良いためお金に困るどころか裕福な部類ではある。

母が家に居ないという事もあって茉奈が母の代わりをしている。

食事が終わりひと息ついたところで茉奈が口を開く。

「そろそろ出ないとね。ねぇ?あなた今日はどうするの?」

男に問いかける。

「えっ?行かないよ。聞かなくても分かるでしょ」

男は目線を下に逸らす。

「はぁ〜。そろそろ学校行ってもいいんじゃないの?」

茉奈は溜め息混じりに学校に行くよう促す。

男は目を茉奈の方に向けて言い放つ。

「家から出たら負けだと思ってる!!」

男は見事なキメ顔でそういうと茉奈と紗奈はそれを無視して玄関へ向かう。

「えっちょっと!!リアクションしてよ!」

男は少し恥ずかしそうにしている。茉奈と紗奈は靴を履き終えていた。

「あなたの戯言に構っている暇はないの。行ってきます」

「兄ちゃん、行ってきま〜す!」

「おう!行ってらっしゃい!」

2人を見送りいつものように鍵をかけ

「さぁ〜て!なにしよっかな!」



そう。僕、朝倉 雄は学校へ行っていない。

ある出来事があって以来学校や友達が怖いのだ。友達というか【友達だと思っていた人】か。外に出る事すら怖い。全てが怖い。何もかも嫌になって家に引きこもっているのだ。引きこもり生活大体2ヶ月くらいかな?なにかをやる訳でもなく、夢や目標がある訳でもなく、ただただ家で遊びまくるだけの日々を送っている。高校入学後僅か1週間で不登校で自堕落な生活三昧。正直生きている意味が分からない。それでも僕は幸せだ。


何故なら…


家族がいるから。


「そろそろ雄を家から出す計画を立てましょうか」

登校中の茉奈が紗奈に話す。

「お姉ちゃん、なにか良い案があるの?あの兄ちゃんがそう簡単に出るとは思えないけど…」

紗奈が呆れ顔で言うと

「家にいるより外の方が安全だと思わせれば良いのよ…フフフ」

いつも優しい姉が恐ろしい顔で笑っている。

紗奈はギョッとした。でも兄ちゃんが家から出てくれるならと承諾した。

この時雄は唯一信じている姉妹から酷い目にあわされるなんて微塵も思っていなかった…

読んでいただきありがとうございます!

文章力など全くありませんので期待はしないで下さいねwほぼ自己満で書いてます(`・ω・´)+w

もしよろしければ次も読んで下さいね(o^^o)

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