最終話 好きという気持ち。
じゃまだ。
こんな気持ち。
好きという気持ちは持ってはいけない。
親からそう教わってきたから。
・・・・
瑠斗は知らないな。
私が、・・・否、昔のあたしが・・・・
どんなに最低だったか。
瑠斗はあたしがただの気さくな姉と思ってるけど。
あたしは・・・・
・・・・無意味に・・・・
付き合っては別れ付き合っては別れ・・・
好きでもないのに、付き合ってといわれたら付き合う、そんな人____
だから婚約の話が来るまで、男が絶えた事がなかった。
たぶん、40人ぐらい。
もしかしたらそれ以上かも。
断った事がないから____
10人以上を股にかけたことがある。
同じ学年の付き合ってる奴を省いた男の半分はあたしと付き合ったことがある。
今のあたしはそんな昔の自分が嫌い。
大嫌い。
いつからだろう。
そのことを、昔と思えるようになったのは。
初恋は実らないって何かで聞いた事ある。
でも、あたしの場合、初恋は実らせてはいけないもの。
自分を抑えるために。
本当は寂しかった。
だからって男と遊んでた自分が
大嫌い。
だから、好きって気持ちを持ったら、りゅうに申し訳なくなってくるだろう。
そしたら、あたしは瑠斗から離れていくに違いない。
婚約破棄・・・・
そんな言葉が脳裏を過ぎった。
ダメ。絶対ダメ。
あたしの婚約者は彩氏也瑠斗だけ。
どんな手を使っても。
過去を隠して。
結婚するためならこの苦しいはちきれそうな気持ちを隠して。
じゃあ、この苦しいはちきれそうな思いは何?
知ってる。
気づいてた。
でも隠してた。
知りたくない。
でも知りたい。
ハハ・・・どっちなんだろう・・・・
臆病なあたし。
「あ、璃紗さん!!だめですよ!!僕の家で寝ないで下さいよ。」
誰かの優しい声が聞こえた気がした。
その声はあたしを包みこんでくれるようで、あたしに安心をくれた。
あたしはふと、
他のオヤジらと結婚したくない理由だけじゃなくて、
「璃紗さん?どうしたんですか?って本当に寝てるのか。・・・・涙?」
他の
イケナイ理由を
感じた。
お嬢様の憂鬱上巻 END