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プロローグ
もう何十年も前になるが、とある心理学者が実験を行った。
擬似刑務所の中で一般人を囚人役と看守役に分け二週間監視をするというもの。最初こそは自ら動くことのなった看守だが次第に暴走し始め、囚人役の人間に侮辱行為や暴力行為するまでに発展した。
この事から人間は、無秩序の中で強い人間と弱い人間がいた場合、理性の歯止めが利かなくなり暴走する。ある日突然役割を与えられても、その役割を全うするという実験結果が出た。
果たして今俺がいる、人口一万五千人の仮想世界<アンリアリティ・デイズ>でも同じ事が起きるのだろうか。
法も秩序もない世界。人を殴っても物を盗んでも捕まえる人間はいないし国を統括する王もいない。
この世界にいる人間は『現実逃避したい人間』と『人工知能を持ったNPC』
学歴も職歴も年齢だって関係ない。大事なのは命の数値とレベル。
「この世界で生き抜く為には力がいる」
俺は雲一つない澄み切った青空を見上げ、無事に明日も同じ景色を見れるようにと願った。