第六話 修羅場
「薫今日は紅茶はダージリンデザートはアップルパイを用意しました。」
「ええ、ありがとう頂くわ」
「おい、雌豚、俺にも何かよこせ」
「礼儀もしらない下品な奴に渡すものなど何もありませんよ。」
「気の利かない雌豚だな。」
「これは薫の為に用意した物ですどうしてあなたごときに差し上げなくてはならないのです?」
「見た目の割りに案外細かいこと気にするんだな。」
「あなたの方こそ見た目の割りにがさつで下品すぎると思いますけど。あと何かと薫のことを魔王とか言うのやめてくれます?」
「魔王様は魔王様だろ?」
「朝のときも思ったんですけど先生とかドン引きしてましたよ?」
「教師などどうでも良い俺には関係ない。」
「どうでも言い訳ないでしょう、あなたは馬鹿ですか。」
「呼び方は魔王様のままでも良いか?」
「言い分けないでしょうアンジュ、いきなり転校生が私のことを魔王様とか言うから皆思いっきり誤解してるわよ、さすがに魔王様呼びは止めて頂戴今すぐに!」
「分かった、じゃあ薫様と呼ぶ。」
だから何でそうなるのかしらこの娘は今日のことちゃんと理解してるのかしら?
「とにかく普通に名前で呼ぶなり苗字で呼ぶなりしてくれるかしら。」
「だから薫様でいいだろ?」
「だから様とかつけなくて良いんだって。」
「それは無理だ。」
「だからさっきから薫が言っているでしょう。薫が誤解されるようなことを言うなと。」
「誤解も何も薫様は魔王だ魔王様を魔王様と言って何が悪い?それに貴様も私と同じ元魔女だろう、いまさら何を言っている?」
「は?元魔女?私とあなたが?」
「ちょっとアンジュ紫苑に魔女だったときの記憶は無いってあんたの妹から聞いてないの?」
「愚妹から?情報など何も聞いてませんが?」
ガシッ
「薫その話詳しく聞かせてもらえます。」
「とりあえず家に帰ってから話すわ。あたしもあんまり詳しいことは分からないけど。アンジュあんたの妹にこの後うちに来るように話しておいてくれる。」
「分かりました、薫様」