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其の弍:決心

「そうだ!私これから帰るんですけど、佐倉くんはどうしますか?」


「い、いや、僕は用があるから……」


(なんだ、僕の名前知ってるのか…)

「そうですか、じゃあさようなら。」


藤本は僕に笑いかけてキャンパスを出た。

僕は藤本がいなくなるのを確認してから、端の方で笑いをこらえている友人の方へ行った。

友人は僕に気づき、笑いで出たらしい涙をぬぐいながら僕に言った。

「いやぁお見事お見事!まさか成功しちまうとはなーー。あぁ本当に笑えるぜ。」


「笑えねぇよ。……第一、これからどうすればいいんだよ。」


僕はその事ですごく気が重かった。

「そのまま付き合っちまえば?お前、今彼女いないんだろ?」


「…いないけどさ。」


「んじゃそれで決定♪」


「バカ。好きじゃないのに付き合えるか!」


「まぁ、いいからいいから。……じゃあ、お前のがんばりを評して今日は飯をおごってやろう。」


「本当か!?」


「あぁ、俺に任せろ!!」


友人はドンと自分の胸をたたき、うはははと笑った。

僕は

「飯をおごる」

という言葉で今までの事などすっかり忘れてしまった。



次の日。

(……頭いてぇ…)

別に二日酔いじゃない。

僕は未成年だし。

だが飲んでないとは言わないでおこう。

とにかく!

頭痛の原因は酒じゃない。

なにかっていうと…

「佐倉くん。おはよう。」


この藤本だ。

藤本は僕がキャンパスに入るなり、僕の所に寄ってきた。

不幸な事に取ってる講義のほとんどが、藤本と一緒だったのだ。

二日連続で気が重い。

(頼むから人目につくような事しないでくれよ……)

そう切に願ったところで、藤本には伝わらない。

でもまぁそんな心配をしなくてもいいか。

だって僕も藤本も、目立つ方じゃないからな。

「あの、佐倉くん。あさっての日曜日、空いてますか?」


「日曜?なんで?」


「その…デートってわけじゃないんですけど……映画でも見に行きませんか?」


それはどう考えてもデートじゃないか。

僕は最初断わろうとしたが、そのデートの時に別れを言えばいいと思い、

「いいよ。」


と言った。

それを聞くと藤本は嬉しそうに自分の席についた。

僕はなるべく藤本とは離れられるような場所に席をとった。

するとたまたま隣にいた(昨日のジャンケンを持ちかけてきた)友人が話しかけてきた。

「バッチリ聞いちゃったぜ。お前本当に付き合う決心をしたのか?」


「違うって。その時に別れるんだよ。」


「ふーん。そっかぁ。つまんねーな。」


「何がだよ。」


その後友人がやけにわざとらしくにやけながら

「別に〜。」

と言ったので一回だけ頭をはたいておいた。

とにかく僕はキッパリと言うんだ。


――好きじゃない


と。

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