プロローグ:あと五分
三月十八日午前十一時十分前。
僕は今、引合坂を登っている。
君はいつもこの坂の上にいた。
季節は春が本格的になり、あちらこちらで桜を見つける。
そういえば君は花が好きだったね。
キレイな花を見付けては、僕に名前を教えてくれた。
花について楽しそうにしゃべる君は、まるで子どものようだった。
君と知り合ってから約半年が経った。
ほんのわずかな時間だったけど、いろんな思い出ができた。
もちろんいい思い出ばかりではない。
でも今でも鮮明に思いだされるのはいい事ばかりだ。
僕は君の事を尊敬している。
ただ他の人とは少し違っていたから最初は受け入れられなかった。
十一時五分前。
坂の上についた。
そこに君はいない。
約束したこの場所に。
『三月十八日の十一時にいつもの坂でね。約束だよ。』
どこからか君の声が聞こえてくる気がした。
だけど見えるのはいつもの街の姿と差し込む光だけ。
君は自分で言った時間より、十分前にはそこにいる。
だから僕はいつも君を待たせてばかりだった。
けど今度は僕が待つよ。
君が来る事を信じて……
どもども。気分で小説を更新する闇太郎です。今回は雑談無しで本題に入ります。今作は「恋愛小説」です。基本的にはそんなに長くしません(予定では)。一応ギャグなどは一切ありません。ただジーンとしてくれるような話にしようと思っています。そもそもジーンとする恋愛小説を書く事は自身の目標ですので真面目にがんばりたいです。それではまた何かありましたらこういう場所で報告させていただきたいと思っております。以上、闇太郎でした。