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日常に転がり込んだ非日常

 世界最高峰の魔法学園、トロパイオンアカデミーに十四歳で飛び級入学。魔王の娘で、半悪魔。全属性を使いこなす天才児。

 周りの人たちはいかにも私が凄いみたいに言うけど、半分悪魔でしかも魔王の娘なら魔力が強いのも、全属性使えるのも当たり前。

 確かに、人間から見たら凄い事かもしれない。だけど、他の悪魔から見れば私は成り損ない。

 人間より抜き出てるけど、悪魔には足りない。私は微妙な存在なんだ。

 そんな風にマイナスの方にばかりに考えてびくびくしてたのは一年前の話で、今の私は友達もそこそこできて、普通だと思える生活を送ってる。簡単に言っちゃいけない言葉なんだろうけど、今の私はとても幸せ。

 「あー、平和だねぇ」

暁色の空を見上げながらそう言うと、黒髪の親友のアヤメが黒真珠みたいな目を細めて笑う。

「セレーナってば、年寄りみたい。何時もと同じ放課後じゃない」

それに賛同するように、もう一人の親友、リコも夕日で燃えるように輝いている金色の虹彩ひとみを細める。

「セレーナが馬鹿なのは何時ものことだろ」

「あー、酷い。私一応首席ですけど?」

 何でもない毎日が好き。

 戦うたびに傷ついていく母さんも、病気で痩せ衰えた父さんも、殺意剥き出しの悪魔もいなくて、友達と過ごす毎日が。

「そりゃ、大剣クレイモア片手で振り回すような奴に勝てるわけねーだろ」

 私達の通うトロパイオンアカデミーは戦士育成を主体にしていて、成績は全て戦闘能力のみ。授業態度とか、ペーパーテストなんて一切ない。

 明日から夏休み。

 アヤメとリコと三人で楽しく過ごすつもりだ。


 そんな日常が何時までも続けば良いと、続くと思っていた。

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