3話冒険者パーティとの出会い
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クリハラ ナツ(転生者)
Lv 3
HP 100 +40
MP 100 +20
スキル【温泉】Lv 2
スキル【温泉鑑定】
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「レ……レベルアップしてる〜!昨日浸かった時は変わんなかったのに!もしかしてラーちゃんが浸かったから?」
「ナツのスキル【温泉】は浸かった者の体力を回復させ、レベルを上げられるってことか!
そんで、温泉で誰かをパワーアップさせるとナツのレベルが上がんじゃねぇの?」
「え……だとしたら」
「めちゃくちゃサポート役として強ぇじゃん!」
「確かに強力だけど、私本人のレベルはあんまり上がって無いしなぁ……他人を強くするスキルってことぉ?地味〜」
「お前な、そもそも風呂と言えば冷水。せいぜいぬるま湯が普通。40度を超えるたっぷりのお湯とか贅沢だぜ?」
「マジ?異世界じゃそうなんだ……あ、じゃあ銭湯開いて温泉でお金儲けするのは?!冒険者もいいけど、のんびりスローライフもアリだよね〜」
「いいじゃねぇか!レベル上げしたい冒険者はごまんといるしな!」
「建物借りるのにもお金がいるよね……とりあえずは移動銭湯とか?」
「金の匂いがプンプンするぜ!」
「ラーちゃん一応冒険者の使い魔だよね……?」
「ピクシードラゴンは本来マスターに使え、サポートするのが役割だからな。ダンジョンだろうと商売だろうと、サポートしてやるっての。特にナツはなーんも知らねぇからな!」
「頼もしい〜!へへ、助かるよラーちゃんっ」
湯船ごとラーウェルを抱きしめる。温泉で緩んだはずの小さな体がカチンコチンだ。
「な、ナツお前……胸が」
「よぉし明日から温泉販売、頑張るぞー!」
「おぉ……あ、俺にも温泉毎日入らせろよ?」
「……ラーちゃんもしや温泉でレベルアップが目的なだけ?」
「さぁー?」
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次の日、私とラーウェルは商人ギルドにも登録を済ませ温泉販売へ。
「お試し温泉!疲労回復、レベルアップ!」という木の板看板を掲げて街を練り歩いてみた。のだが。
「温泉?レベルアップ?胡散臭いねぇ」
「入って体が変になったら責任とってくれんのか?」
「お湯に浸かる?なぁにそれ?なにが楽しいの?」
これが街の声であった。
「嘘でしょ!この街温泉に厳しい!」
「確かに得体の知れない物に裸で浸かるとか、警戒するかぁ」
「はぁ……お金少しでも貯めないとだし、今日は大人しく依頼こなそっか」
「おうよ!知名度が上がりゃ信頼も得られる。見返してやろうぜ!」
「よぉしっ」
依頼ランクE
キノコ集め
種類問わず二十個以上
報酬 金貨1枚+
上記の依頼を選んだ。キノコの種類によっては報酬を加算してくれるらしい。以前薬草を採取した草原からさらに奥、森にてキノコ狩りの開始だ。
目に付いたキノコを手当り次第アイテムボックスに投げ込む。
「ふぅ……結構数は集まったかな」
「おいナツゥ!いいもんあったぜ!」
「お!マツタケじゃん!高級食材!」
「マツタケ?これはマケっつーキノコな。高級食材たまから金貨2枚で買い取ってもらえるぜ!」
「2万くらいってこと?!やったー!」
ガサッ
茂みが蠢き、一つの影が飛び出してくる。人型なのに全身緑色で棍棒を手にした――
「ご、ゴブリン?!ここ魔物出るの?!」
「たかが低級のゴブリンだろ?俺が水魔法で足止めすっから、お前は首を……」
ラーウェルが言い終わる前に、私は全力で逃走していた。
「おい!逃げんな!お前みてぇな初心者でもズバッとやれっから!」
「無理無理無理無理!アニメとかゲームでズバッとやるのとはわけが違うって!怖すぎるグロすぎる肉すぎる!」
「肉すぎる?!」
森の出口へ全力疾走。だが目の前の草むらより2体目が登場。
「ぎゃー!ゴブリン2体目!」
「おぃナツ!腰のものは飾りか?!」
「飾りだよ!!」
後ろから最初のゴブリンが追いついてきて、挟み撃ち状態へと陥る。私は頭を抱え身を縮こまらせることしかできない。
振りかぶられる棍棒。
あ、これ死んだ……
「オラァ!」
力強い声とともに目の前のゴブリンの首が横一文字に切断。そしてもう一体のゴブリンは……
「フレイム!」
凛とした綺麗な声と共に炎に包まれ消し炭となった。
「おぃアンタ。怪我はねぇか?」
巨大剣を担ぐ赤髪の男。
冒険者パーティに命を救われたみたいだ。




