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【温泉】スキルでスローライフしていたら、冒険者と魔獣が押し寄せ、女神の泉扱いされるようになったんだが  作者: あきかたりれお


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22話温泉窃盗犯

謎の老婆の来店が気になり、私とラーウェルも銭湯へと戻る。床は光の速さで修復されていた。

と、丁度新たな来客。剣や杖を持った冒険者パーティだ。


「いらっしゃいませー」


「女神の泉ってここですか?」


「いやただの温泉ですけど……効能的には大体あってます」


面倒になってきた。


Bランク冒険者パーティであることを、冒険者カードで確認し男湯、女湯に分けて案内する。


「なんじさかじわじわお客さん来てるけど皆揃って女神女神って。噂広がるの早過ぎない?」


「あぁ、ナツはこの世界のやつじゃねぇから知らなかったんだな?ルイス家は王直属の魔女一家なんだよ」


「え?王?」


「あの予知能力。王様が利用しねぇ訳はねぇ。ルイス村はその名の通り、ほぼルイス家で構成されてんだ」


「ルイス村のルイス家……王直属の魔女。どおりでお金もってるはずだよ……グライス君は妾の子って言ってたよね。あんまり本人に聞けなかったけど」


「だろうな。魔女は女からしか生まれねぇ。男で、使用人との子どもじゃ邪険に扱われちまうよ」


「異世界もドロドロしてんだねぇ……今度遊びに来てくれた時は、グライス君とユラちゃんとかくれんぼしちゃおっか」


「隠れられるくらい不戦湯でっかくしねぇとだなぁ」


ほのぼの。そんな会話をしていると男湯の方から何やら言い争う声が。私とラーウェルが振り向いた瞬間、男湯から出てきたのはキラに首根っこを掴まれた半裸の冒険者だった。


「ナツ様。コイツ温泉を盗んでいました」


「えっどういうこと?」


キラは飲水用のボトルを番台に置く。


「俺が掃除に入ったところ、この男がボトルに温泉を汲んでいるのを見つけたんです」


「あ、あとから、体にかけようと思ってたんだよ……」


無茶な言い訳をする髭面の勇者は既にキラが一発殴っているらしい。頬を腫らし涙目だ。


「ポーション代わりにしたかった、的な?」


「あ、あぁ……女神の泉は傷や病を治すって聞いたから……今からダンジョンに向かうお守りに……だが、盗んだのは、すまなかった」


「うーん……」


「ナツ様。コイツは衛兵に突き出しましょう。窃盗は立派な罪になります」


「いやぁ、気持ちは分かるというか……ダンジョンでのお供に一杯金貨1枚で温泉売るのもアリだなって」


「ナツ様……」


キラを呆れさせてしまった。結局、女風呂に入っていた冒険者メンバーも水筒に温泉を盗んでいたみたいで、冒険者四人がお縄となった。

といってもキラとソラにしこたま脅されて、温泉を没収し追い返しただけなのだが。


「ナツ様。本当によろしかったのですか?取り締まらないとああいう輩が増えてしまいますよ」


「うん、とりあえず今日と明日は見張りを交代でするしかないね」


「全くナツ様の温泉の恩恵を受けておきながら……あわよくば盗もう等と、許すまじ!勇者の風上にもおけない!」


ダンッ


キラが番台を叩く。根が真面目で正義感の強いキラ的には許せなかっただろう。


「まぁまぁキラ落ち着いて〜僕のお饅頭食べる?」


「貴様それは俺のだろうが!勇者の風上にもおけないコイツが……俺の兄貴だなんて……」


「あ、キラが弟なんだね……でも、実際放っておいたらマズイよね。どうしよっか?」


「入口にセンサーつけんのはどうだ?それか出る時に持ち物検査!」


「人の荷物を検査する。そんな機械は存在せんぞ。わらわの手にかかっても無理じゃ。それから持ち物検査は時間がかかりすぎる。今後た〜っぷり客が増えるであろうからなぁ?」


「うーん……あ」


「お、何か思いついたかー?」


「いや、あの変なおばあちゃん。ずっと温泉入ってない?」


「フード被ったヨボヨボのおばーちゃん?僕が中に入る時入れ替わりで帰ってったよ〜」


「あ、そっか。なんか怪しげだな〜って思ってたけどただ温泉入りに来ただけか」


◾︎◾︎◾︎


温泉を盗む輩への対策は思いつかぬまま、その日は終わり、翌日。

今日は不戦湯定休日。私はラーウェルとリンファと共に王都のバザールへ来ていた。


「いや〜まさかあんなに立派な宿泊施設を一日で完成させちゃうなんてね。流石リンファ!」


「まぁ、わらわにかかればお易い御用じゃ。それに毎日温泉に入ったあとの潤いを夜風に当てずに就寝することができるからのう〜わらわのお肌がまた美しくなってしまうなぁ」


そっちが本命か……リンファはちょろいようで抜け目がない……


「それで?今日は生活用品買いに来たんだろ?」


「あ、うん。それとコーヒー牛乳起きたくて」


「コーヒー牛乳ってなんだ?」


「温泉上がりに飲む甘くて冷たい――」


「なぁ!あっちで女神の泉売ってるってよ!」


駆けていく男達に、三人揃って足を止める。


「え?今女神の泉って……まさか、いやいや、私のは女神の泉じゃなくて温泉だし……」


苦笑いするものの、リンファとラーウェルと目が合えば三人揃って走り出していた。


まさかとは思うけど……いや、確認するだけ!本物の女神の泉存在するかもだし!私のが偽物かもだし!


人集りをぬい、売場の目の前へ。


「さぁ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!これが巷で噂の女神の泉ッスよ!飲めばたちまち病は治り傷は癒える!価格はたったの金貨5枚!さぁ、買った買った!」


赤髪の女が声を張って売り台を叩く。売り台には、ズラリと並ぶ小さな小瓶。


その中身って……いや、まさか、ね?


◾︎◾︎◾︎


女神の泉と称された小瓶の中身。ナツ達を陥れたのは一体誰か――次回、お楽しみに!








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