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【温泉】スキルでスローライフしていたら、冒険者と魔獣が押し寄せ、女神の泉扱いされるようになったんだが  作者: あきかたりれお


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第19話女神は魔女に占われる

「はぁあ〜」


全身肩まで炭酸水素塩湯に浸かる。本日のゴタゴタによる疲労が流れ落ちていくようだ。


温泉は最高……なんだけど……


「ちょっとリンファ。なんで私が女神ってことになってるの?」


タオルで髪を一纏めにし浴槽の縁に肘を引っ掛けているリンファが愉快そうに眉を上げる。


「わらわが入った時にはもう話題になっておったぞ。"体に力が漲ってくる""足腰の痛みが無くなった""肌が若返った"全てお前のスキルが招いた結果じゃ」


「それにしたって女神はちょっと……」


「いいえ、貴方は確かに女神様です」


ちゃぷ


ユラは頬を蒸気させ無邪気に笑う。青白かった顔色もすっかり血色が良くなっているようで安心した。


「我がルイス家には女神の言い伝えがあります。女神が天から注ぐ泉はあらゆる病や傷を癒し、人々を苦しみから救ってくださる、と……ふふっ騙そうとしても無駄ですよ?ユラにはナツ様が女神様だと分かっていますからね」


いや分かって無いですからね。なんかもうここまで来ると否定する気も失せちゃうな


「にしても、女神とか魔女とかユラちゃんの村ってちょっと変わってる?」


「そうじゃなぁ。わらわの故郷や王都でも女神信仰も魔女信仰をしている者はまれじゃ」


「えぇ。お二人の仰る通りです。ですが、魔女は存在します。もちろん、目の前に女神様もおりますからね!」


「あぁうん、ソウダネー。魔女って魔法使いじゃなくて?なにか特別な力があるとか?」


「魔女とは未来予知の力を持つ存在です。水晶を使って未来を占うことができるのです」


「えっ凄いね?」


「いえ……お祖母様は確実な日時まで占うことが出来ましたが、世代を追う毎に力は弱まり、私は大まかな未来しかわからないのです」


「それでも必ず起きるってことだよね?」


「まぁ……これまで予知が外れたことはありませんので、ほぼ100%当たるかと」


「それはスキルとは違うの?」


「私のスキルは【水魔法】です。一応、魔法使いですので。病弱でしたし、庭の花に水をやる程度のことしかできませんが」


「じゃあホントに唯一無二の力だね!私も占って貰おうかなぁ〜なんて」


「構いませんが……必ずしも良い未来が見えるとは限りません。もしかすると、ナツ様に起こりうる不幸な出来事……それも死に直結するものかも……」


「た、確かに……知らない方が人生楽しいよねっ」


苦笑していると、リンファに肩を組まれる。豊かな谷間が腕に触れ合った。


「否!おもしろそうじゃ!占って貰おうぞ!」


「ちょっ勝手にやめてよリンファ!やばそうな結果でたらどうするの?!」


「それもまた一興。それに……未来が分かれば対策もできる。そうすれば未来が変わる可能性。それもあるじゃろう?」


「まぁ、そうかもしれません。占った結果、心構えというものはできますからね。今まで未来を変えられなかったからといって、今回も変えられないとは限りませんし」


「う、うーん、知りたいような知りたくないような……」


「ナツ、魔女の占いは普通金貨一千万枚はくだらないのじゃ。これを逃せばもう占って貰う機会はないと思った方がいいのう」


「一千万?!そ、そんな高価なこと、ホントにいいんですか?」


「今は日時までは分からないので金貨500枚ほどに寝落ちしていますが、ナツ様は命の恩人。それに女神様を占えるなんて名誉あることです」


「だから女神じゃない……まぁもういっか。じゃあ、占ってもらおうかな」


そんなこんなで、湯船から上がり二畳の休憩用畳の上で占いが繰り広げられることになった。


「こ、こんなとこでしていいんですか?金貨500枚の占い……」


畳の上に小さな紫の座布団。そして無造作に置かれた水晶。湯上りの村人達も不戦湯メンバーも見守る中、ユラは浴衣姿でちょこんと正座をし、水晶に手をかざす。


「はい。場所は関係無いですから。ではナツさん。水晶に手を置いてください」


「う、うん」


言われるがままに水晶に触れる。ひんやり冷たくて水のように波打っている感覚がする不思議な水晶だ。


「ヤミランニルケン、スワトロクツァリア、ルルッツェ……イーヴ!」


おおっ!よく分かんないけどそれっぽい!


「おぃ見ろよ、水晶の色が桃色になったぞ!」


ラーウェルの言葉に、野次馬たちが感嘆の声をあげる。

水晶を中心に発生した小さな風が、私とユラの髪を巻き上げた。


うわ……ホントに当たりそう……


やがて光は小さく窄まり、鎮まる。ユラはゆっくり目を開き、僅かに乱れた呼吸を整えた。


「見えました。ナツ様の、運命が……」


ユラの額に浮かぶ冷や汗。深刻そうな顔つき。震える唇。


まさか――


「非常に申し上げにくいのですが……ナツ様。何れ貴方は、魔王により苦しみ、もがき……悩むことになるでしょう」


ま、魔王――?!


的中率100%。魔女の占いに告げられたナツの不遇な運命とは……









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