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【温泉】スキルでスローライフしていたら、冒険者と魔獣が押し寄せ、女神の泉扱いされるようになったんだが  作者: あきかたりれお


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18話温泉提供したら女神になった話

「ゆ、ユラ様が飛んで跳ねて……は、走っとる――!!!」


村人全員が目をひん剥く事態。私もまさか硫黄温泉にここまでのパワーがあるとは知らなかった。


医者の仕事奪いそうな薬だな……便利すぎるから何か裏があるかも。乱用するのはやめとこうかな……


「流石ナツちゃんの温泉!」


「やったなナツ!お前のスキルのおかげだぞ!」


「うんっ!大好きな温泉で人助けできるとか最高だよ〜!」


「ユラ……本当に、本当に治ったのか?」


ポロ、ポロポロ


グライスの瞳から溢れ出す涙。嬉しさ、安堵感、達成感からくる涙に年相応さを感じる。


「お兄ちゃんありがとう!これでユラも一緒におにごっこもかくれんぼもできます!夢だったのです……お兄ちゃんとお屋敷を走り回るのが……」


「うぅ……ユラ様。お屋敷は走らないでくださいませ……」


目を三角にして怒っていたメイドも、目尻に涙をうかべ感激している。クレーマー男さんは、というと。


「や、やるじゃねぇか。つーかそんなこと出来るなら最初から言えっつーの」


とまぁ、クレーマーのテンプレである。


「ナツぢゃまぁあ゛!」


「へぶっ!」


ビタンッ


私の顔面に激突してきたのはピクシードラゴンのシーシア。


「あ……シーシア。来てたんだ。姿が見えなかったから……」


「お馬鹿グライス様が一人で暴走したせいで、あたちは縄で繋がれでいたのでちゅ……またもやナツ様にたちゅけられて……」


ウッウッと大粒の涙を流すシーシア。


苦労人、じゃないや。苦労ドラゴンだ……


「本当に!ルイス家三代先も、その先もこのご恩は忘れまちぇん!!」


「い、いや……そんな大袈裟な」


「とんでもございまちぇん!ナツ様!アナタがたちゅけたのは、ルイス家の"魔女"の正当継承者、ルイス・ユラ様なのでち!」


「……魔女?」


「貴方がナツさん?」


真っ白なドレスに身を包んだユラは魔女と言うより女神だ。ドレスの裾を持ち、小さく会釈。私も慌てて頭を下げる。


「この度は命を救っていただきありがとうございました」


「いえっわ、私というより温泉の力……っていうか」


「温泉?……あの温かくて変な味の液体は温泉というのですね?なんのポーションを使っても、どんな魔道士を雇っても不治だった私が走れるまでになるなんて。不思議なスキルをお持ちなのですね」


「は、はい。私も病に効くかは半信半疑だったんですが、瀕死からも回復するっぽかったので……試すようなことをしたのは事実でして……」


「いいのです。それにお兄様が信じたお方。それだけで信用に値します」


無邪気に笑うユラ。歳は十歳もいってないだろうにグライスよりしっかりしている。


「なぁユラ!快気祝いってことで、温泉浸かって帰ろうぜ!」


……うん、弟《グライス君》よりしっかりしている


「クソガキめ……俺はまだ貴様のことを許してないぞ……」


「ま、まぁまぁキラ落ち着いて。なんか丸くおさまったみたいだし、ね?この間お金も沢山もらっちゃったからさ」


「それならば、みなに振舞ってはどうじゃ?温泉を、のう?」


傍観していたリンファが腕組をしながら笑う。


「あぁそうだな。全員もれなく、な?」


ラーウェルもニヤニヤ。


うーん、こういう時は大抵よからぬ事が起きる気がするけど……


「えっと……ユラ、さん。入っていきますか?温泉?」


「ふふ、"ユラちゃん"でいいですよ。病を治す不思議な泉。是非浸からせてください」


「あ、あの……私腰痛が酷くて、それも治りますか?」


「儂は胃が悪くてのぅ……効くじゃろうか?」


「私も――」


「俺も――」


ワラワラと詰め寄ってくる村人達。


やっぱりこのスキル、ロクなこと呼び寄せないかもっ!


「ええぃっ!全員纏めて、不戦湯にいらっしゃーい!」


不戦湯営業二日目にして、大盛況となった。


◾︎◾︎◾︎


「子どもと大人一人ずつですね。では銀貨4枚になります」


番台にて最後の客へロッカーキーを渡しやっと一息。ちなみに入浴料は


大人 銀貨3枚

子ども 銀貨1枚


が基本。冒険者や魔術はランク別に設けた。


本当は銅貨でいいって言ったんだけど全員に大反対くらったんだよね……『安くしすぎると悪用するやつがいる』ってことで。でもいくら何でもSランク勇者や魔獣は金貨50枚って……取りすぎでしょ50万円ってことでしょ?ホテル食事付きプランじゃん……


「おぅナツお疲れ!大繁盛だな!」


「うん。リンファとラーちゃんは商売上手だね?」


「ナツがお人好しすぎるんだよ。俺さっき一風呂浴びたし、受付変わるからナツも入ってこいよ」


「ありがと〜助かるよ〜」


なんか今日は凄い疲れた……ゆっくり温泉にでもはーいろ


ガララ


「あっ女神様よ!」


「女神様!この"温泉"という泉。活力が湧いてくる上に肌がすべすべになりました!」


「おぉこれが女神様のお姿。ありがたやありがたや」


「……」


ゆっくり温泉に浸からせてくれっ!!!


ナツの切実な願いは湯けむりに巻かれ、消えていった。


◾︎◾︎◾︎


ただ温泉の良さを知ってもらいたいだけなのに……次回、ナツは『命の泉を生み出す温泉神おんせんしん』としてその名を轟かせることに……






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