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【温泉】スキルでスローライフしていたら、冒険者と魔獣が押し寄せ、女神の泉扱いされるようになったんだが  作者: あきかたりれお


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11話鍛冶屋のリンファ

「スキル【温泉】ポチッと硫黄温泉!」


道端に広げた浴槽にお湯が噴射。重病者を前に何をしているんだと野次馬達がドン引きしているが構わない。


「そしてコルトおじちゃんにかける!」


クギノキの浴槽を作ってもらった際、ついでにお願いした風呂桶(制作費銀貨1枚)を掴み、浴槽から掬ったお湯をコルトの頭部へ。


「お、おいアンタ一体何やってるんだ?」


「治療です!一応これポーションみたいなものなので!」


コルトの打撲痕が消えていく。


よかった、効きそうだ。


「これ野次馬共。そこを退け。わらわが医者を連れてきたぞ」


紫髪のお団子頭。可愛らしい見た目とは裏腹に巨大な斧を背負った少女が私とラーウェルを睨みつけてくる。


「リンファちゃん。今この姉ちゃんが治療だとか行ってコルトさんに変な液体ぶっかけちまったんだ」


「変な液体じゃなくて温せ」


「なんじゃと?!」


ズカズカ。リンファは勢いよく接近してきたかと思うと私の首根っこを掴み引っ張ってきた。小さな体からは考えられない怪力で逃れられそうにない。


「いたっ!ちょ、離して!」


「わらわの師匠に怪しい物を掛けたじゃと?お主さては盗賊どもの仲間じゃな?」


「だから違うって!助けようとしたの!」


「言い訳無用。わらわの大斧でその首切り落としてやる」


「おぃこらゴリラ幼女!ナツを離せ!」


「この爬虫類め。最新式の釜戸で丸焼きにして食ってやろう」


片手で私を掴みあげ、片手でラーウェルのしっぽを捕まえる。


このめちゃくちゃだ〜!ボコボコにされる〜!


「ゔ……」


一触即発しかけたリンファを鎮めたのはコルトの呻き声。見れば、コルトの瞳がゆっくりと開いた。


「お、俺は……いったい。確か賊に殴られて」


「師匠!良かった……痛むところは無いか?」


「あ、あぁ……リンファ……そいつらなんだ?」


「……」


きゅぅ……


私もラーウェルもぐったりである。


◾︎◾︎◾︎


「俺の弟子が悪かったなぁ」


「フン……あのような怪しいお湯を掛けて傷が治る等、聞いたことがないのじゃ。怪しき魔術を使いおって」


「コルトおじちゃんが無事でよかったよ〜あと魔術じゃなくて私のスキルなんだけど……」


「ナツ、おめぇは命の恩人だ。礼をしたいが金品盗まれちまって金がねぇ。代わりに依頼を受けてやろうと思ったが、ダンジョンの真横に建物を建設するのァ無理だ。歳的にもな」


「気にしないで。私が無茶言ったのホントだし……今回私のスキルが誰かの命を救えて嬉しかったしさ。ね、ラーちゃん」


「ナツはお人好しすぎるぜ」


「いやいや。借りの作りっぱなしは性にあわねぇ。それに、お前のスキル【温泉】だっけかァ?いいスキルじゃねぇか。儲かりそうだ」


「えへへ。身をもって体験したでしょ?今度入ってみてよ」


「小娘が。銭湯が出来上がったら、入ってやらんこともない。それで、だ。ウチのリンファを派遣してやる」


「えっ」


「コイツァ斧使いで冒険してたこともある。鍛冶屋をやりたくて俺に弟子入りしてきた馬鹿娘だ。だが腕は保証するぜ」


「何故わらわがこのような小娘に!いやなのじゃ!温泉等わけのわからん物、わらわは造らんぞ!」


「!……リンファさん。温泉には"美肌効果"がありますよ」


「美肌……効果……」


リンファの金色の瞳が揺れる。


「私の温泉に一度入ってみませんか?その後、着いてくるかを決める、ということで……」


「……し、仕方ないのぅ。気持ち悪かったら、すぐ上がってやるからな!」


私とラーウェルは顔を見合わせると、しめしめと笑ったのだった。


◾︎◾︎◾︎


カポーン


「まことに……まことにいい湯じゃった。わらわの玉のような肌に一層磨きがかかり、手触りも心地よく、美白になった気もするのぅ」


ほこほこ。頬を赤らめながらうっとりするリンファ。


堕ちたな。私とラーウェルは小さくガッツポーズを交わすのであった。


という訳で、リンファが銭湯を建ててくれることになった。お代は命を助けたお礼も兼ねて半額の金貨500枚。「足らない分はつけといてやる」とのことだ。


私達は二人と使い魔一匹となり、銭湯を建てる場所を探すため森へと逆戻りしていた。


「がっつりダンジョンの横ってよりは街とダンジョンに繋がる森の間くらいがいいかもなぁ」


「確かに。あんまり奥地すぎるとレベル低い冒険者は入りに来れないもんね」


「魔獣は得があると分かれば近づいて来るじゃろう」


とまぁこんな調子で三人であーだこーだ。森を散策し、結局森の入口あたりに建てることに決めた。


「そういえば、こういうのって勝手に建てていいの?国に怒られない?」


「許可申請しにいけば大丈夫だぜ。犯罪経歴とかない限り却下はされねぇし、なにより結界の無い魔物だらけの土地に誰も建てたがらねぇよ」


「そっか。じゃあリンファ。ここら辺によろしく!」


「全く、適当なやつじゃの。設計図をだせ」


「設計図か……大体の見取り図みたいなのでもいい?イラストなら得意だし」


「あぁ。わらわに造れぬものなど無い」


「助かる!建てて貰ってる間に私達は建物登録しにいこっか」


「なら商人ギルドだな!」


◾︎◾︎◾︎


次回、商人ギルドへ不戦湯を登録しに行ったらナツの【温泉】が再び運を引き寄せる――






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